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俳優業やタレント業の傍ら、昨年Netflixにて公開され話題になった『ラヴ上等』、スキンケアブランド『オレリー』、ジュエリーブランド『Agua Diamond.』、金沢の古民家パンケーキカフェ『CAFE たもん』など、ジャンルの異なるプロデュースを数多く手掛けているMEGUMIさん。日本とスペインの二拠点生活をしながらも美の更新も欠かさない。パワフルかつ多忙を極める日々の原動力を伺いました。
「30代は仕事が激減。出口が見えず苦しかった」

ワンピース¥46200/グリードインターナショナル トウキョウストア(グリードインターナショナル) イヤカフ¥23700/トム ウッド 青山店(トム ウッド) ピアス(右耳)¥19800・ダブルリング¥34100/マユ ショールーム(マユオカマツ) ピアス(左耳)¥26400/シリ シリ
――そもそも「何かをプロデュースする」側に立ちたいと思ったきっかけを教えてください。
MEGUMIさん:何かを考えてそれを形にするっていうのは性分だと思うんですよね。俳優やタレントの仕事は結構“受け身”ですから、オファーがないと稼働できないという厳しさはずっとありましたし、どうしたらその状況を打破できるのかと常に思っていました。特に、子供が生まれて10年くらい仕事がなかった時期は本当に苦しかった。
転機が訪れたのはコロナ禍。この状況では戦えない……と考えていたときに、プロデュース作品を作るということがひとつ答えとして出てきたんです。ちょうどその頃、日本人女性の自己肯定感は世界最下位ということを知ったこともあって、俳優やスタッフさんが働く環境を整えながら女性をエンパワメントする作品を作っていくことができるんじゃないかなと思ったのがきっかけ。最初に手がけたのは YouTubeドラマだったんですけど、気づいたらその楽しさにハマってしまって。何かを生み出すということへの強い意志というよりは、ふとしたタイミングでそれがぶわーっと動いていったという感じですね。
ーーたくさんのプロデュース業が同時に走り出している中、多くのご苦労もあると思います。どうやってそのモチベーションをキープしていますか?
MEGUMIさん:自分の役目を明確にすることかな。今まではすべてを自分でやろうとして潰れそうになっていましたけど、企画コンセプト、大義名分、仕組み作り、スタッフィングという、プロデュースにおいていちばん大切だと思うことに徹底的に注力することにしたんです。最初にそこをしっかり考えて周りの方に明確に伝えることさえできれば、あとはもうお任せするほうがきっとうまくいく。といっても、『CAFE たもん』のように、10年やってやっと完全に任せることができるようになったケースもあれば、『ラヴ上等』なんかはどの現場にも顔を出さなきゃと思ってたり、その濃度はプロジェクトごとに違うかな。どれも答えが出ているわけではないからひとつひとつの伝え方に悩んだり、失敗することもある。もちろん怖いし苦しいですよ。
「プロデュース業は大変なぶん喜びもひとしお。最後はいつも泣けます」

――あまりにタスクが多いうえに、良くも悪くも反響を受け取るのも責任を取るのもMEGUMIさん。もはやサムライのようです!
MEGUMIさん:うちの事務所は私含めて3人しかいないので、必死でぶん回している感じです。不気味ですよね〜(笑)。もちろんプロジェクトごとにそこから派生する大きなチームがあるんですけど、核となるメンバーは今のように少ないのがいいなと思っていて。毎日目まぐるしいですけど、だんだんと筋肉となり強くなってきている実感があるし、なかなかここまで体験させていただけることもないでしょうし、もうわからないです。麻痺しちゃって(笑)。
――プロデュースを手掛けるなかで楽しいと思う瞬間はどんなときですか?
MEGUMIさん:企画を思いついたとき!『ラヴ上等』は“ヤンキーの恋愛って面白くない?”っていう発想から始まって、企画書を通したのが3年前。そこにglobeの曲が入って、こういう美術が入って……みたいなことを考えるのはいつもめちゃ楽しくて、“ヤバー♡!”っていう感じです。逆に、大変だなと感じるのは、プロジェクトごとにチームが大きくなっていくこと。みんなクリエイターで個性も強いので、だいたい揉め事が起きるんですよ(笑)。解決しなきゃいけないことが増えていくことにはいつも苦しんでいます。そうやって酸い甘いもみんなで乗り越えて、“やっとできた!”っていう日を迎えた瞬間は、嬉しいっていうか泣けますよね。プレッシャーがかかって大変なぶん、喜びもひとしおというか。
――多忙な日々の中で、インプットとアウトプットはどのようにバランスを取っていますか? 最近、刺激を受けたもの、人、出来事があれば教えてください。
MEGUMIさん:どんなに忙しくても人に会うようにしています。特に最近の若い子は “悟りの境地”みたいな人、多いじゃないですか。そういう人の話を聞くと、どことなく次の日の体調もいいんです。あとは海外で、脳内がぶっ壊されるみたいなものに出合うとわくわくします。例えば、天井からなぜか椅子をぶら下げているお店とか(笑)。ひとりで夜中に映画に行ったり、好きなアニメに没頭したりといったことも意識的にやっています。
「被害妄想は取り越し苦労。思考を切り替えるトレーニングを」

――プライベートでも立ち止まらないんですね。塞ぎ込んでしまうこともありますか?
MEGUMIさん:まったくないです。あるとしたら、夜1時間くらい。落ち込むときって基本的に妄想か、起きていないことの取り越し苦労なんですよ。実際に何かが起きて、傷ついていることのほうが圧倒的に少ない。体が冷えていると余計なことを考えてしまうから、そういう時はお風呂の中でエンタメ作品を観ながら温まって緩める。被害妄想の海に浸かっていても苦しいだけだから、意識的に自分の思考を違う世界に切り替える。あとは寝ればおしまい。できない、とかじゃなくて、もうトレーニングですよね。
――これまでの人生、ずっとそうしてマインドコントロールしてきたんですか?
MEGUMIさん:昔はあれこれ悩みまくったこともありましたよ。恋愛すると誰よりもウェットだったし嫉妬深かった。『ラヴ上等』のおとちゃんほどではないけど、彼女の気持ちはわかります。でも40年それをやると、“ヒステリックババア”っていうレッテルを貼られてしまうことが職場でも恋愛でもあると思うので、沈黙して鎮めるということを訓練して身につけたという感じです(笑)。
「苦しくても辛くてもやるしかない。そうすれば明るい40代が待っているはず」

――BAILA読者も、結婚や出産などライフステージが大きく変わる年代です。MEGUMIさんご自身の経験を踏まえて、「これだけは覚えておくと楽になる」というアドバイスがあれば教えてください。
MEGUMIさん:振り返ると30代はいちばんキツかったですね。若くもないし40代みたいに突き抜けてもいない。“これでいいのかな”、“急に結婚して急に出産して、どうしたらいいかわからない”と思ったこともあったし、“急な孤独”に陥ったこともあります。世間が思い描く自分自身に違和感みたいなものも感じてはいるのに答えが見えず、ちょうどその頃仕事もなくなった。
でも、その時もがいたことが結果今、形になったと感じるんです。私の場合だと、映画を観るとかお芝居の先生について勉強するとかっていうことでしたけど、自分に足りないことや苦しいと思うことに向き合って、続けることがたぶんすごく大事。もがき続けているうちに、急にバーン! と視界が開けてすべてが楽しいに変わっていくはず。30代は“何かを掴む”っていう意識を持っていろいろ動いて、小さなことでもいいから立ち止まらずにいていただきたい。そうすれば40代も変えられると思います。なにが正解かなんて誰も教えてくれないけれど、やるしかないんです。

ーー最後に、今後叶えたい目標やゴールはありますか?
MEGUMIさん:絶対作りたい作品のテーマがあるので、そういう映画を海外と合作でつくる。そして、その映画を引っ提げて映画祭でホームランを打つというのがまずひとつ。あとは、これまでいろんなことをしてきたおかげで、経営も映画も美容も知っているということが自分のアイデンティティだと思うので、そこの架け橋に生涯かけてなれたらめっちゃいいんじゃないかなと思っています。
撮影/岡本俊 ヘア&メイク/エノモトマサノリ スタイリスト/宮澤敬子 取材・文/通山奈津子















































