これまで数多の“いい服”に触れてきた編集長 中川が、働く30代に向けて本当に使える8アイテムを厳選。着るとすっと背すじが伸びて、気分が上がる。ブレない自分のスタイルのある人に近づける。そんなとっておきの服をワードローブに迎えて。

1.「AURALEE(オーラリー)」のワンタックスラックス
体がきれいに見えてずっと飽きがこない、これぞ究極のベーシックパンツーーBAILA編集長 中川友紀
「なめらかなファブリック、流麗なシルエット、限りなく上品な色出しと、ひと目で上質とわかる『オーラリー』のパンツ。体を入れたときの圧倒的な美しさも、このブランドの真骨頂と言えます。控えめなデザインで、あくまでその人らしく装える余白があるのも大きな魅力ですね。洒落感とどこに出ても恥ずかしくない気品を両立した一本は、働く30代にとって欠かせないベーシックとなるはず」(編集長 中川・以下同)

着たときの生地のドレープまで緻密に計算されたセンタープレスパンツ。上質なメリノウールとキッドモヘアを混紡し、軽くて通気性に優れた着心地のよさも人気の秘密。無染色だからこそ生まれるニュアンスたっぷりなアイボリーもセンスのいいたたずまいをかなえる大きなエレメントのひとつに。一見よくありそうに思える、だけどなかなか出会えない珠玉の一本。パンツ¥46200・ニット¥26400・カーディガン¥47300/オーラリー バッグ¥35200/ショールーム セッション(フィールアンドテイスト) リング¥28600・シングルイヤカフ¥22000/マリア ブラック 表参道店(マリア ブラック) 靴¥83600/へリュージャパン オフィシャルオンラインストア(へリュー)
2.「ebure(エブール)」のリネンジャケット
この上なく端正で女性らしさもある、自立した人にふさわしい一枚です
「素材がとにかくしなやかで、前立ての曲線やマットなメタルボタンも、そこはかとなく柔和なムードを醸し出す、まさに“女性のための”本格ジャケット。オーバーサイズながらおさまりがよく、袖を通した瞬間グッと気持ちが上向くのも、仕立てがよい証でしょう。さらに、袖やベンツスリットなどくたびれやすい箇所は芯で補強され、形崩れしにくい工夫も。長いスパンで着ることを前提にした丁寧なもの作りが素晴らしい!」

2021年春夏に人気を博したリネンジャケットをより形崩れしにくい仕立てにアップデート。厳選したリネン糸を国内で高密度に織り上げたツイル素材のリッチな風合いがたまらない。¥97900/リトルリーグ インク(エブール)
3.「MADISONBLUE(マディソン ブルー)」のオックスフォードシャツ
着れば着るほど自分になじみ、価値が増していくトラッド名品!
「確かな審美眼を持ちオリジナリティを貫くデザイナーの中山まりこさんが作るセットインのオックスフォードシャツには、ほかにはない風格が宿っています。私も愛用者の一人として、着るほどに増していくコットンの風合いを楽しみながら、“劣化せず価値が増していく”ことを実感。きちんと着れば知的に、着くずせば色っぽくもなる、無限大の可能性に惹かれます」

NYのマディソン・アヴェニューを歩くハイクラスな人がカジュアルにシャツを楽しむ姿から着想を得た「マディソン」。ファーストコレクションで発表されたシャツ6型のひとつであり、今なお売れ続ける傑作。2021年にシェイプしたウエストをストレートなラインにリニューアルし、タックイン、タックアウトどちらも映える仕様に。シャツ¥51700・スカート¥110000/マディソンブルー 手に持ったカーディガン¥16500/トゥモローランド(マカフィー) バッグ¥42900/エルディスト ショールーム(プンティ) ピアス¥179300/トーカティブ 表参道(トーカティブ)
4.「SHISHIKUI(シシクイ)」のストレートデニム
こなれたルーズ感をきれいめに楽しめる計算し尽くされたディテールにジャパンメイドの本気を感じます
「デニムの名産地、岡山で作られた5ポケットジーンズは、スタイリスト百々千晴さんのこだわりが凝縮した逸品。ダボッとしすぎないバランスが絶妙で、ウエストでギュッとしぼっても、腰に落としてはいてもOKな仕様が新鮮。トレンドや体型、好みの変化に合わせて自由にはける懐の深さが魅力で、それゆえに長く愛用できるんです。小柄さんが裾を切らずに着られるサイズ展開の豊富さも素晴らしい!」

昨年に発売をスタートし、再入荷するたびに即完売。店舗を訪れる人のほとんどがこの「ダコ」を試着しに来るといっても過言ではないほど人気のデニムだそう。高めに配されたバックポケットがヒップをキュッと引き上げ、ウエストまわりがすっきりと見えるのがひっぱりだこになる理由。パンツ¥28600/シシクイ ジャケット¥66000/サードマガジン(ザ サードマガジン) Tシャツ¥11000/トゥモローランド(ル ベーシック別注) ベルト¥12100/アルアバイル バッグ¥50600/マディソンブルー ネックレス¥60500・シングルピアス¥16500/マリア ブラック 表参道店(マリア ブラック) 靴¥16500/ル タロン グリーズ ルミネ新宿店(ル タロン グリーズ)
5.「CABaN(キャバン)」のニットカーディガン
バリエ豊富で選ぶ楽しさも。主役をはれる好印象カーディガン
「『キャバン』のカーデの魅力はなんといっても、ジャケットを着るほどではないけれどきちんと見えしたい、というときに使えるほどよいコンサバ感。遊び心のある色や短めの丈で、おしゃれ感がしっかり担保されているところも、働く女性に支持され続ける理由でしょう。上質な素材感だから、一枚で着ても、サラッと羽織ってもサマになります」

小さな胸ポケットが小粋なアイコンデザインをはじめ、キャッチーなバイカラー、パールが効いたポロまで、ワクワクするラインナップ。展開中のカラーは生地がなくなり次第生産終了のため、ビビッとくる一枚との一期一会を逃すべからず。(右上から時計回りに)¥39600・¥42900・¥39600・¥44000/キャバン 丸の内店(キャバン)
6.「BIANCA(ビアンカ)」のマルチウェイブラウス
上質感、デザイン性、着回し力、三拍子そろったハイスペブラウスを味方に
「今季デビューの注目ブランドで見つけ、『これは使える!』と確信した名アイテム。可愛げなスカラップレース襟ブラウスと、凜とした白シャツ、真逆の側面を持ちあわせ登壇から女子会までこの一着で対応できます。パリッとクリーンな素材にもかかわらず、自宅で気軽に手洗いできたりと、働く人にとって嬉しい機能美も備えています」

清潔感のあるコットンと光沢を帯びたポリエステルをいいとこどりしたブロード素材の万能ブラウス。背中のタックがふんわりとエアリーなシルエットを描き、タックアウトしても絵になる。取り外せるビッグカラーは、手持ちのカットソーやニットと自由に組み合わせて何通りものスタイリングが可能! ブラウス¥19800/SANYO SHOKAI カスタマーサポート(ビアンカ) カーディガン¥25300/ウィム ガゼット 青山店(ウィム ガゼット) パンツ¥26400/アンタイトル バッグ¥51700/トゥモローランド(ヴァジック)
7.「uncrave(アンクレイヴ)」のノースリーブオールインワン
一着で決まって、スタイルアップも。忙しい大人にとって最強の時短アイテム!
「もともとセットアップやオールインワンが得意なブランドだけあって、スタイリッシュさ、スタイルアップ力ともに秀でた一着が見つかります。特にこのピンストライプのオールインワンは、キリリとしながら、さりげなく背中がのぞいて、守りと攻めのバランスが巧み。日中はジャケットを着てクールに装い、仕事後は肌を見せて華やかに自分を演出する、柔軟に働く今の30代にぴったりな一着です」

落ち感素材が優雅さを誘うオールインワン。コンパクトな上半身とワイドなボトムとの対比で誰もがスタイルよく着映える。ランダムなスラブ糸を使用し、麻の質感をリアルに表現した素材にも注目したい。リュクスな見た目に反して着心地は驚くほど軽く、さらにUVケアや防シワ性も! 不快指数の高いサマーシーズンの心強い相棒に。オールインワン(5月中旬発売)¥30800/オンワード樫山(アンクレイヴ) バッグ¥174900/RHC ロンハーマン(トッズ フォー RHC) チョーカー¥44000/トゥモローランド(アニカイネズ) ピアス¥56100/マリア ブラック 表参道店(マリア ブラック) 靴¥72600/アマン(ペリーコ)
8.「ATON(エイトン)」のクルーネック白T
素材もシルエットもパーフェクト! ラフになりすぎず一枚で堂々と着られます
「極めてシンプルな白Tは、素材やシルエットの良し悪しが一目瞭然。だからこそ、カットソー上手なブランドから賢く選んで。こちらは今季の新作で、洗練感に直結する立体的なパターン、美しい縫製に並々ならぬこだわりを感じます。短めの袖丈やボクシーなシルエットのおかげで驚くほどほっそりとした印象に。少しムラ感があって絶妙にこなれるのも秀逸です」

日本の紡績技術を注ぎ込んで作られた特殊な糸を使い、ほどよいハリとシャリ感、なめらかさを兼備した唯一無二のジャージー素材に。吸水性と速乾性に優れ、心地よい肌触りが一日中続く。Tシャツ¥17600/エイトン青山(エイトン) スカート¥34100/ロンハーマン 帽子¥14300・バッグ¥15400/マディソンブルー ブレスレット¥24200/トゥモローランド(フィリップオーディベール) 靴¥71500/アマン(ペリーコ)
撮影/赤尾昌則〈whiteSTOUT〉 ヘア&メイク/笹本恭平〈ilumini.〉 スタイリスト/加藤かすみ モデル/佐藤晴美 取材・原文/榎本洋子〈TENT〉 ※BAILA2025年6月号掲載