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BAILA編集長が語る、いま雑誌で「あか抜けフェミニン」を提案するワケ

BAILA1月号では「新しい年、『似合う服』と『一生もの』を見極める!」を大特集。自分に似合う服を見つけるためには、目標とするファッションのテイストや自分らしいスタイルを確立することが先決。読者世代がいちばん輝けるスタイルとしてバイラが提案したいのはズバリ、「あか抜けフェミニン」。その理由をBAILA編集長&副編集長、スタイリスト福田亜矢子さんの3人が熱く語ります!

座談会メンバー

バイラ編集長 湯田桂子

バイラ編集長 湯田桂子


2019年6月、バイラ編集長に就任。小柄な体型を生かして、自身も“あか抜けフェミニン”を実践する。

副編N

副編N


30代女性のおしゃれの傾向を知りつくす、バイラ編集部歴計17年の、ベテランファッション編集者。

スタイリスト 福田亜矢子さん

スタイリスト 福田亜矢子さん


会社員経験を生かした好感度の高いスタイリングが人気。「N.O.R.C」のディレクターとしても活躍。

バイラ読者50人にアンケート「Q.あなたの好きなファッションテイストは?」

グラフ

カジュアルやかっこいいを抑えてフェミニンが圧勝。ただ、「30歳を超えて、今までのフェミニンでは違和感を覚えている」という声も

“自分”には何が似合うか? 今の時代はそれが大切

――今回、「似合う服」と「一生もの」という2大テーマを大特集に選んだ理由は?

湯田 この二つは、今という時代を映すキーワードだと私は思っているんです。実は今の30歳前後の女性って、インスタブームを起こした第1世代。つまり、「私が主役」でよりパーソナライズされた、“個人”に興味がある世代です。ファッションに関しても、あくまでも“自分”にとってのベストな服で、どれだけ最適なおしゃれを楽しめるかが、それぞれの興味の対象になってきている。だから、一年を締めくくり、新しい年へと向かうこの1月号で、あらためて、短期的な目線での「自分に似合う服」と、長期的な目線での「10年後の自分にも似合うおしゃれ」について、提案したいなと思ったんです

福田 なるほど! すごく共感できます。最近、20代や30代の女性にスタイリストをしていると言うと、「私って、何を着たらいいと思いますか?」という、直接的な反応が返ってくることが多いんです。それを聞くと、今の時代を表しているなって感じるんです。皆さん、自分自身に気持ちが向いているんですよね。

副編N そうなんですよね。それって、10年前のバイラ読者にはなかった傾向なんです。今の30代は、自分のいいところを前向きに出していくことに、まったく“照れ”がないんですよね。自分自身に素直に向き合えるようになったのは、時代の流れだと思います。

相手や場に合った30歳からのフェミニンスタイルとは?

湯田 じゃあ、自分に似合う服を見つけるためにはどうしたらいいか? それには、服を選ぶ確かな指針となる、自分の“スタイル”を見つけることが必要ですよね。そこでバイラでは、“あか抜けフェミニン”という言葉で、30代が目指すべきスタイルを提案したいと思ったんです。

福田 あか抜けって、ほかの言葉で置き換えると、“洗練”とか“抜け感”を意味する方向性ですよね?

副編N そう! バイラ読者のなかには30歳を過ぎてから、20代までのフェミニンじゃあ、何か違うなって感じている人が多いんです。かといって、突然、カジュアル派や辛口派に転身したいわけじゃない。だったらこれまで好きだったフェミニンスタイルを大人っぽく“洗練”させて、30代らしいフェミニンスタイルを追求すればいい。

福田 数年前に起こった大カジュアルブームがすっかり終わりを迎えて、今はますますトレンドがフェミニン化しているように感じます。次の春夏シーズンも、とろみ素材や透ける素材を使ったアイテムが増えてきていますし、きれい色の服も多い。

副編N それに、フェミニン服のトレンド自体が洗練されてきている気がします。たとえば、袖コンシャスの甘いブラウス。数年前にはやり始めたころは、“お衣装”のようなドラマチック感が強すぎて、着づらさを感じることもありましたが、今はデザインに着やすさが重視され、仕事のシーンでも着られるタイプが増えてきている。

湯田 そう、好きなテイストだからって自分が満足するだけじゃなく、会う相手や行く場所に適した服を選びたいですよね。フェミニンといっても、“お姫さま感”は、絶対にいらないじゃないですか(笑)。

福田 わかります! 私は、雑誌のお仕事をするときは、トレンドやおしゃれ感だけに走らず、“社会性”のあるコーディネートをしようと心がけているんです。

副編N さすが会社員歴のあるスタイリスト! でも具体的に、社会性のあるコーディネートって、どんなコーディネートですか?

福田 社会性というと大げさに聞こえるかもしれませんが、全然難しくないんです。BAILA1月号でも提案していますが、たとえばワントーンなら重い色よりもベージュなどのやさしい印象を与えるトーン、きれい色を着るなら強い色みよりも安心感を与えるペールカラーを選ぶなど、すごく簡単なことでいいと思うんです。

副編N 誰からも好印象を得られて上品な女らしさのある“あか抜けフェミニン”は上司や後輩などさまざまな年代と接することの多いバイラ世代にこそ実践してほしいスタイルですよね。

時代や年齢で目指すべきフェミニンにも変化が

湯田 30代の女性はまだまだ男性目線も気になりますよね。それに体がきれいに見えることや、やぼったく見えないことは、甘い服を選ぶときの絶対条件。フェミニン上手な大人の女性は、そのあたりに心を砕いて、服のディテールやコーディネートのバランスにはすごく気をつけているように思います。

福田 「フェミニン」ってトレンド全体がそういう流れになってきている、というだけじゃなく、もともと体型的にも、日本人女性に似合うテイストなんですよね。だからこそ、年齢に合った着こなしを心がけるようにすれば、もっと素敵になれるはず。

副編N ぜひ、読者の皆さんには自分にぴったりの「あか抜けフェミニン」スタイルを見つけてほしいと思ってます!

構成・原文/磯部安伽 企画/内海七恵〈BAILA〉 ※BAILA2020年1月号掲載

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