確固たる個性と審美眼を持つ、大人のおしゃれプロが手に入れた“真の一生もの”とは? 出合ったストーリーやお気に入りのポイント、愛用している理由とともに、“マイ・一生名品”を紹介。デミルクス ビームス ディレクター 目黒越子さんの一生名品とは?
めぐろえつこ⚫︎2005年「デミルクス ビームス 新宿」スタッフとして入社。ショップマネージャー、プレスなどを経て、デミルクス ビームス ディレクターに着任。葉山でのライフスタイルも注目を集める。著書『Meguro’s SIMPLE STYLE MEMO』が好評発売中。Instagram:@meguro_etsuko
1 マノロ ブラニクの「BB パンプス」、手に入れたのはいつ?
「30代前半の頃に手に入れたのが、このマノロ ブラニクの“BB パンプス”。当時はショップマネージャーとして横浜のお店の運営をしていて、仕事もプライベートの改まったシーンでも自信を持って履ける上質で美しいパンプスが欲しかったのです。ワンピースに合わせたり、ワイドパンツを合わせていい女っぽく辛口にしたり、カジュアルにデニムに合わせたりと、さまざまなシンプルだからこそ使いやすいところも魅力でした」
「履いたときに足の指の股が見えるくらいの浅いカッティングが特徴。足を華奢に見せてくれるので、いい感じの女っぽさが演出できます」靴/マノロ ブラニク バッグ/フェーン
2 この靴を購入した理由とは?
「20代からマノロ ブラニクはずっと憧れのブランド。このパンプスも削ぎ落としたシンプルなデザインなのに、甲のラインやサイドのカッティングなど、計算し尽くされた美しさが光ります。履くと女性らしさが際立つのに、靴自体は甘さがなくシャープなところにも惹かれます。30代がスタートしたころにやっと購入したのちに、デザイナー マノロ・ブラニクの映画『マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年』が公開され、デザイナーの靴への思い入れや愛情、クリエイティビティに対してもあらためて魅力を感じて愛着が深まっています。
名品としてのパンプスというと表革をイメージする方も多いかと思うのですが、私はあえてスエードを選びました。というのも専用の防水スプレーやブラシなどを使ってケアすれば、スエードの靴の方が扱いやすいとも言われているのです。以前にメンズのスタイリストさんから、雨の日はスエードの靴を選ぶ、というお話を伺ったことも。履く前にスエード用の防水スプレーをしっかり浸透させれば多少の水は弾きますし、汚れも防いでくれます。そんな“実は実用的”なところも気に入っています」
「友人の結婚式や仕事のレセプションなどの改まったシーンは、この靴に頼りたくなります」靴/マノロ ブラニク ジレ、ワンピース/デミルクス ビームス バッグ/フェーン ブレスレット/フィリップ・オーディベール リング(左手)/ヴィンテージ リング(右手・石あり)/ティファニー リング(右手・石なし)/カルティエ 時計/ロレックス
3 この靴が目黒さんにとって“一生名品”である理由とは?
「今回のスタイリングもそうですが、この靴を履くときにはサテンやシフォンなど華やかな素材と合わせることも多く、ツヤのある表革よりもマットなスエードの方がコーディネートしやすいんですよね。
デイリーに履くときは、デニムやチノパンなどのカジュアルに合わせるのが好きです。肩の力が抜けているけれど、足もとにこのパンプスがあることで辛さと女らしさがプラスされて装いが引き締まるようなイメージ。
本当に何度見ても惚れ惚れするほど美しく、履くたびにやはりこの靴は永遠だな、と思います。年齢を重ねても、この9㎝ヒールを履ける元気がある限り(笑)愛用し続けるつもりです!」
取材・文/発田美穂