確固たる個性と審美眼を持つ、大人のおしゃれプロが手に入れた“真の一生もの”とは? 出合ったストーリーやお気に入りのポイント、今も愛用している理由とともに、“マイ・一生名品”を紹介。フリーランスPR河野なみこさんの一生名品は?
1 ロエベの「フリンジバケットバッグ」、手に入れたのはいつ?
「20代後半の会社員時代からずっと憧れていたこのバッグ。手に入れたのは30代後半でした。リースにいらっしゃるスタイリストさんがとてもおしゃれに持っているのを見て、ずっと気になっていたのです。いつかは手に入れたいと思いつつ、当時はまだシーズンアイテムだったのでいつでも買えるわけではなかったんですよね。そんな中、ロエベのオンラインショップでクラフトアイテムだけを集めたポップアップのようなものをやっているのを偶然見つけて! このバッグが出ていたのでこれは運命!と(笑)、迷わずすぐにポチッとオーダーしました」
「スタイリストさんの他に、エディターさんにも愛用している方がいらして、とにかくこれを持っているみなさんが本当に素敵で。見かけるたびに憧れ続けていたバッグでした」バッグ/ロエベ
2 このバッグを購入した理由とは?
「このバッグを愛用していらっしゃる憧れの先輩たちは、みなさんシンプルなスタイリングにさりげなくこのバッグを合わせていて。それが本当にかっこいいし、削ぎ落とした装いにプラスしているからこそ、このバッグの威力を感じました。みなさんとてもお忙しい方たちなので、だいたい大きなサブバッグと一緒にこのバッグを持っているのですが、その様子もまたとてもおしゃれで。
かごバッグってともすると子供っぽくなってしまいがちですが、これはレザーのおかげか、むしろとてもシック。シーズンレスで使えて、秋冬のコーディネートに合わせているのもとても素敵なんですよね。着こなし全体が重たくなる季節だからこそ、この軽やかな遊び心が効いてくる。つまり1年を通じて、いつ持っても可愛い、というわけなんです(笑)」
「かっちりとした重厚感のあるバッグだと、時として老けて見えてしまうことも。このくらいの抜け感とハンドメイド感が、大人にちょうどいいバランス」バッグ/ロエベ
3 このバッグを“一生名品”に選んだ理由
「ロエベの公式サイトには『アート&クラフト』というページがあって、ロエベ財団の活動について書かれていたり、ブランドとしてもクラフトや民藝などに力を入れているんですよね。このバッグも、買える芸術と呼びたくなるくらい、手作業で作られたディテールのすべてが本当に美しい! ハンドルにくるくると巻かれたレザーの細工とか、自然に少しカールしたフリンジとか、見るたびに可愛いな〜と惚れ惚れします。持つたびにうれしくなれて、買って後悔なし(笑)! 毎年飽きずに使いたくなる、唯一無二の存在感を持つバッグ。長く愛用して、レザーに味が出てくる様子も楽しんでいきたいと思っています」
「シンプルな装いに合わせて、バッグを主役にすることが多いです。季節の変わり目ならではの、ノースリーブワンピースにソックスを合わせたり、かごバッグとローファーを合わせたりするこんなバランスが大好き」 バッグ/ロエベ ワンピース/エステータ 靴/パラブーツ 左手薬指のリング/ハリー・ウィンストン それ以外のリング/すべてマリハ
取材・文/発田美穂