確固たる個性と審美眼を持つ、大人のおしゃれプロが手に入れた“真の一生もの”とは? 出合ったストーリーやお気に入りのポイント、今も愛用している理由とともに、“マイ・一生名品”を紹介。スタイリスト福田麻琴さんの一生名品は?
1 カルティエのパンテール ドゥ カルティエ、手に入れたのはいつ?
―時計は自分らしいスタイルに欠かせない存在
「時計は大好きで、毎日のおしゃれに欠かすことのできない存在。このパンテール ドゥ カルティエは一番新しく仲間入りしたもので、3年くらい前に都内のショップで購入しました。」
「小ぶりのスクエアフェイスとしなやかなブレスレットが特徴。ジュエリーのような華やかさが、手もとを彩ってくれます」。時計/カルティエ
―福田麻琴さんの時計ヒストリー
「社会人になり自分で最初に購入した“ちゃんとした時計”は、カルティエのタンク フランセーズでした。これはアシスタント時代に師匠がつけていたモデルで、私の中では働く女性の象徴のような存在。いつか手に入れたいとずっと思っていて、スタイリストとして独立したのち、自分で働いたお金で購入しました。
その後、息子が生まれて母となり、仕事のバランスがうまく取れないと感じていたときに購入したのがカルティエのベニュワール。シャルロット・ゲンズブールがこの時計を愛用していて、家族も仕事も大切にしていた彼女に少しでも近づきたいという気持ちで、同じ時計を手に入れました」。
2 この時計を手に入れた理由とは?
「そして次に手に入れたのが、このパンテール ドゥ カルティエ。お手本はソフィア・コッポラ。彼女のスタイルはシンプルでエレガント。中でも白シャツにこの時計をしているナチュラルな姿が印象的で、着飾らなくても自分らしくファッションを楽しめるということを教えてもらいました。」
「ジャケットなど、改まった装いにももちろんマッチ。どんなシーンも自信を持って臨めます。」時計/カルティエ リング(上)「トリニティ」/カルティエ リング(下)/dorette
3 この時計が“一生名品”になった理由
「パンテール ドゥ カルティエの繊細で女性らしい輝きが、デニムカジュアルを格上げしてくれます。」時計/カルティエ
「昔からずっとカジュアルが大好きですが、大人になるにつれてカジュアル一辺倒ではなく、そこにほんの少しだけエレガントさをプラスしたいと思うようになってきました。デニムスタイルにこの時計を合わせるようなバランスが、まさに今の私流。この時計を買うきっかけとなったソフィア・コッポラのように、知性がアクセサリーとなってその人らしさを形づくるような、そんな着こなしや生き方に憧れます。これからもこの時計とともに年を重ねて、おばあちゃんになるまで愛用するつもり。その時々の自分のスタイルにどんなふうに馴染んでいくのか、楽しんでいきたいと思います」
取材・文/発田美穂