確固たる個性と審美眼を持つ、大人のおしゃれプロが手に入れた“真の一生もの”とは? 出合ったストーリーやお気に入りのポイント、今も愛用している理由とともに、“マイ・一生名品”を紹介。スタイリスト福田麻琴さんの一生名品は?
1 サンローランのジャケット、手に入れたのはいつ?
「10年くらい前にパリで購入した、サンローランのテーラードジャケット。エディ・スリマンがデザイナーだった時代のものです。」
「ベーシックなテーラードジャケットだからこそ、素材の上質さ、パターンの美しさが際立ちます。」ジャケット/サンローラン
2 このジャケットを手に入れた理由とは?
「フランス留学時代にパリジェンヌたちがサンローランのジャケットを着ているのを見て、ずっと憧れ続けていました。絶対にマイ定番になるであろうと確信していたので、自分にしっくりくるデザインと色に出合えるのを待っていたのですが、なかなかその時はやって来ず……。その後、留学を終えて日本に帰ってきてからも探し続けていたのですが、結局出合えたのは、またパリを訪れたとき。購入してから10年くらい経ちますが、今でも現役で活躍してくれています。」
「少し細めでシャープなラペル(襟)、5つ並んだカフスボタンなど、シャープでモダンなディテールにエディ・スリマンらしさが感じられます。」ジャケット/サンローラン
3 このジャケットが“一生名品”になった理由
「大好きなサックスブルーのシャツとデニムに、上質なジャケットをさらりと羽織るこの感じが好き。シャツをアウトにして、少しだけリラクシーな雰囲気に。」ジャケット/サンローラン シャツ/ロエフ デニム/AGOLDE
「普段はデニムやスニーカーを合わせてカジュアルに着ることが多いのですが、ワンピースやヒールにももちろん合うので、ここぞという時にも頼りになる1着です。こういった削ぎ落とされたシンプルなデザインは、ディテールがとても大事。その点、このジャケットはラペルやカフスのデザインにひとさじのエッジが感じられて、単なるベーシックで終わらないところが気に入っています。ジャストなサイズ感ですが、パターンが計算し尽くされているからか、着心地も最高。袖を通すたびに、さすがサンローランのジャケット、と思わせてくれるのです。幾つになっても大切に愛用したいと思います」
取材・文/発田美穂