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「圧はないけど、芯はある」ってどんな人? そんな素敵な人に近づける話し方・伝え方を齋藤 孝さんがアドバイス

仕事でもプライベートでも、近くにいると心地がよくてどこか控えめなのに、いざというときに頼りたくなる。そして、いつでも自分らしく生きているように見える。そんな素敵な人に近づける話し方・伝え方を、教育学者の齋藤 孝さんが分析。

教育学者 齋藤 孝さんに聞きました!
安定した精神と気分が“圧”をなくし、ブレない判断基準が“芯”をつくる

齋藤 孝さん

教育学者

齋藤 孝さん


1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。ベストセラー著作家、文化人として多くのメディアで活躍。

様々な社会経験から能力を磨いた成熟している人

まず圧がある人と圧がない人の違いは何でしょう。圧がある人に会うと、受け手側が「うっ」と押されている感じがしませんか。ちょっと怖い感じがします。それは動物的に危険を感じているということです。圧がない人には怖さがありません。

どこに違いがあるかというと、ひとつは「話し方」に表れると思います。内容ではなくて、話し方が優しい人、声のトーンがやわらかな人には圧がありません。同じことを言っても圧がある、ないが出てきます。言葉遣いや伝え方といった「話し方」を変えるだけで、随分と圧は減らすことができます。

今は、時代の流れから圧が強い人は人気がない。とりわけ若い人に人気がない傾向があるんです。どうしてかというと、みんな自由を愛してるので、圧が強い人は自分に負担をかけてくるのではと、自分の自由を制限する存在に見えてしまうから。すぐに逃げ出したくなるということで、圧がある上司のそばには部下が居つかない。部下が逃げてしまう上司はもはや上司としての能力に欠けるということになってしまいますので、圧を減らす練習をするといいかもしれません。

次に芯がある人はどんな人でしょう。判断基準が明確にあってブレない人だと思います。たとえば何人かの人を評価するにあたって違う基準を適応するのはフェアじゃないですよね。一定の価値基準をもって公平に判断するには公正さが重要ですので、この人裏表がないな、誰に対してもえこひいきがないなという人は芯がある人ということになると思います。

どんな基準でものを言っているのか、判断基準をクリアに出してほかの人に見えるようにしておくのも大事なことでしょう。日によって基準が変わる人も嫌ですよね。昨日はこうだったのに、今日はこうみたいな。判断基準のブレや変化が少ない人は安心できます。

また、気分にコントロールされない精神のブレが少ない人は芯があっていいですね。気分は人によって上がったり下がったりしますが、精神は安定したものだと思います。精神の上に心が乗っていると気分が安定します。たとえば、武士の精神には武士道という安定した精神の軸があり、日々変わるものではありません。ほかにもプロフェッショナルな意識のある人はプロという精神を持っていますよね。日によって気分の上下で出来が変わってしまうプロの人ってあんまりいないと思うんですよ。そういう意味では、プロフェッショナルな安定感を持つ人は芯がある感じがします。

では圧はないけど芯はある人はどんな人でしょう。たとえば、仕事で予想外のトラブルが起きたとき、強いメンタルで冷静に周りの人と話し合える人があてはまるのではないでしょうか。ストレスやプレッシャーを受けているなかで平常心でいられるブレのない精神の芯があって、ほかの人に丁寧に対応する圧がない人だと思います。大変な事態のなかでも「今こういうことが起きて対処法はこのような選択肢がありますが皆さまいかがでしょうか」とやわらかく連絡できる人はトラブルが起きたことに過剰に反応しない、トラブルが仕事なのだという考えなのでしょう。

仕事に限らず予想外のことは日常的に起きますが、そういうときも落ち着いて周囲と冷静に話をして穏やかに解決していける人なのかなと思います。総じて、圧はないけど芯はある人は様々な社会的な能力を磨いた成熟している人といえるのかもしれません。

取材・原文/佐久間知子 ※BAILA2022年2月号掲載

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