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【 わたしの「夢中」が仕事につながる!】好きと仕事をかけ合わせた5人のバイラ世代の女性の働き方とは?

自分の「好き」を追求できる趣味も人生の喜びには大事なファクター。今回は、「好き」を仕事につなげたり、「趣味」と「仕事」を上手にかけあわせた5人の女性のライフスタイルを紹介。自分の「夢中」に素直になれば、オンもオフも、人生がもっと充実するかも!

目次

  1. 1.乗馬にハマって転職!30代女性の“オタクな”馬ライフに密着
  2. 2.スタイリストから大好きな「壁」の世界へ!「ファッション×壁」のコラボが話題
  3. 3.カレーで社会貢献を決意!食のサステナビリティに向き合う活動を取材
  4. 4.サステナブルな洋服づくりを取材!「着ることで自由になれる服を届けたい」
  5. 5.踊る広報・柴田菜々子さんの週3正社員・週4ダンサーの働き方

1.乗馬にハマって転職!30代女性の“オタクな”馬ライフに密着

鑓 由希子さん

アールエムクリエイティブディレクター

鑓 由希子さん


36歳。大学卒業後、映像制作会社を経て、ウェブメディア会社に在職中に乗馬にハマり、好きが高じて2018年、馬のメディアを運営する現職に転職。2013年より個人的に馬ブログ「BALOG」も執筆中。

馬に夢中!

Q.馬の魅力って?

A. 最初はその爽快感にノックアウトされましたが、乗馬歴8年ほどたった今は、動物としての馬の種類や身体構造、行動学や歴史など、馬のありとあらゆるところに興味がわくし魅力を感じています。今は海外の馬情報を入手したり、海外の馬ファンと交流したくて英語を勉強中!

鑓 由希子さん

Q.馬に出会ったきっかけは?

A. 8年ほど前、仕事でいろんなお稽古事を調査していたときにふと目に留まり、乗馬体験に出かけたのがきっかけ。お金もかかるので、当時は月に1〜2回行く程度でしたが、どんどんハマって毎週通うようになりました!

鑓 由希子さん

Q.仕事とのバランスは?

A. 馬が好きになりすぎて、サラブレッドの生産牧場を支援するサイトを運営する会社に転職。おかげで仕事でも馬と会え、また乗馬の経験が仕事先での馬とのコミュニケーションに役立っています。レッスンは週末のみ。

鑓 由希子さん

馬を通して世代を超えた友人もできました♪
乗馬レッスンは毎週末2鞍程度。午前中に1鞍、午後に1鞍乗り、ブラッシングや、夏なら丸洗いなどのお手入れをしてあげると一日が終わるそう。「馬は人を見るので、なめられることも。今日乗った馬とは“コントをしてるみたい”とみんなに言われます」

ファンと牧場をつなぐウェブメディア「Pacalla」

好きが高じて転職しました!
ファンと牧場をつなぐウェブメディア「Pacalla」を運営する会社に転職! 記事も執筆している

歴史、地理、英語…馬に関わることで、あらゆることに目が向くようになりました

鑓 由希子さん

カラオケ以外に、こんなに面白いアクティビティがあるなんて!

すがすがしい緑のなか、ゆったりと馬に乗る鑓さんは、ウェブメディア会社勤務。毎週末こうして乗馬レッスンに通い、そのために都心から神奈川の郊外に引っ越したそう。それだけではない。転職までしてしまったのだ!  

鑓さんが乗馬にハマったきっかけはそもそも仕事。それは8年ほど前、当時働いていたウェブメディアの会社で大人のお稽古事を調査していたとき、たまたま目に留まったのが乗馬レッスンだったという。「調査も兼ねて訪れたところ、その面白さ、爽快感にびっくり! 当時は完全な仕事人間で、アフターファイブは無趣味だった私にとって“カラオケ以外にこんなに楽しいアクティビティがあるなんて”と驚きました」。それからポツポツと通い始め、レッスン記録として馬ブログ「BALOG」もスタート。馬に乗って駈歩(かけあし)ができるようになりたいなどと欲が出てきて毎週通うようになり、乗馬クラブの近くに転居したという。「巻き添えを食ったのが当時の彼。この引っ越しがきっかけで結婚することになりました(笑)」と、人生まで変えた馬ライフ!?  

そんな折、参加した馬イベントの主催が今の会社。サラブレッドの生産牧場とファンをつなぐウェブサイト「Pacalla」を運営していたので、副業で記事を書きたいと伝えたところ、入社を打診されたのだ。「前職のメンバーも“馬じゃしょうがないね”と納得してくれたばかりか、社長には“この会社で馬のメディアができなくてごめん”と謝られてしまって。本当にいい会社で、今も仕事上つながっています」。こうして公私混同の馬ライフがスタート。「馬メディアだけをやっている会社ではありませんが、仕事で馬の取材をしたり、馬の魅力を記事にして伝えられたりするのは本当に嬉しいです。コロナ前は2〜3カ月に一度は北海道へ馬取材に行っていましたから」

眠っていたオタク気質が馬に出会って目覚めた!  

馬と出会って、性格まで変わったという。「幼い頃はもともと動物好き、そして調べ物大好きなオタク気質だったのですが、思春期あたりから封印していたんです。でも馬に出会って、そんな自分本来の気質が目覚めてしまって」。

馬の歯の構造、戦争と馬、馬車の歴史……ありとあらゆることを、徹底的に知りたくなるという。「日本ではサラブレッドしか見ないけれど、世界にはインドにしかいない馬とか、いろんな馬がいるんです。それでインドの論文を取り寄せたり、インスタでインド人にコンタクトをとったり、ドイツの馬のお祭りを調べたくてメールを送ったり……そのために今英語も勉強中です」と視野も広がったという。仕事にももちろん役立つけれど、あくまで動機は“知りたい”というパッションだ。ときには競馬場も訪れる。「乗馬教室の馬はたいてい競馬の引退馬。だから兄弟が今も現役で走っていたりするので、賭け事目的ではなくて親族の応援に行く感じです(笑)」  

今は総合博物館で馬の展示イベントを開催するのが夢だという鑓さん。「馬の歴史は人間の歴史と重なっています。一人でも多くの人に、馬の魅力を知ってもらいたいですね!」


夢中は…『本来の性質を目覚めさせ童心に帰らせてくれる!』

馬に夢中! な女性のライフスタイルを詳しくチェックする

2.スタイリストから大好きな「壁」の世界へ!「ファッション×壁」のコラボが話題

猪熊夏子さん

セメント新聞社 取締役副社長

猪熊夏子さん


神奈川県茅ケ崎市生まれ、40歳。文化服飾学院卒業後、ファッションスタイリストとして活動。2015年、叔母の経営するセメント新聞社に入社、専務取締役を経て現職。2020年建文社代表取締役に就任。

壁に夢中!

Q.仕事とのバランスは?

A. スタイリストとしての経験と、セメント新聞社としての仕事と壁への興味関心をごちゃ混ぜにしています(笑)。普段は壁を見て歩いたり、メーカーの方に会ったりと“壁活”中心ですが、これをもっとビジネスに生かす計画中。

Q.壁に出会ったきっかけは?

A. セメント新聞社に入社し、仕事で「左官壁」の存在を知ったこと。それまでもファッションスタイリストという職業柄、背景としての壁に意識は向いていたものの、これがきっかけで本気で壁を追いかけるように。

『壁の本 KABEBON』

6人のスタイリストが「壁に合うファッション」を提案するという異色のコラボで、壁の魅力とファッションスタイリングの魅力を伝える『壁の本 KABEBON』を自社から出版! 下はスタイリストやフォトグラファー、モデルなど制作メンバーと

鑓 由希子さん

Q.壁の魅力って?

A. 壁は建物の内側・外側、世界中どこにでもあるけれど、そこに「デザイン」という発想をもつかどうかで空間の魅力がまるで変わってきます。素敵な壁がもっと増えれば、世界の景色は驚くほど美しく変わっていくはず!

日々、“壁活”してます
猪熊さんおすすめの壁。

勝浦市芸術文化交流センター

勝浦市芸術文化交流センター
勝浦市芸術文化交流センター。「ねじり積み」で、布のようなやわらかな曲線を生み出している

タワシタ

タワシタ
東京タワーのふもとのレストラン「タワシタ」。左官職人が手がけた土壁で、繊細な土の色差はすべて自然由来だという

南池袋公園

南池袋公園
独自の洗い出し技術による「グラフィック・コンクリート」で木立を表現した南池袋公園

弘前れんが倉庫美術館

弘前れんが倉庫美術館
弘前れんが倉庫美術館。フランス国外建築賞2021のグランプリを受賞

壁のもつ「デザイン性」に目覚めたことで仕事も街も、見える景色が変わりました

猪熊夏子さん

ファッションスタイリストから業界新聞社に転身!

パズルのように積み重ねられたれんがの壁の前に現れたのは、ファッションスタイリストとして、“モテコーデ”で大人気を博してきた猪熊夏子さん。彼女が熱中しているのは「壁」! 「この光世証券のれんがは縦横交互に組まれつつ凹凸もあって、個性的でお気に入り。この建築家さんのオリジナルの組み方なんです。それに古い建物ならではの経年による、土に還りつつあるやわらかい色がなんともいえませんね」  

7年前、叔母が営む「セメント新聞社」に取締役として入ったのが壁との出会いだという。「入社したものの全然役に立てている実感がなくて焦っていました。そんなある日、取材に同行した折、左官壁の美しさに驚いて」。もともとファッションスタイリストだったときから、撮影の背景としての「壁面」に関心はあったものの、知れば知るほどその奥深さに魅了されたという。「美しい壁を手がけている方はたくさんいるのに、そこに脚光が当たっていない。これはもったいなさすぎると思いました」。各地の素敵な壁を本にしよう!と決めた猪熊さん。セメント新聞社の子会社として休眠状態だった出版社「建文社」を再起動し、本づくりをスタート。自身の経験を生かし、6人のスタイリストがそれぞれ壁に合うスタイリングを提案するという、ほかにはないスタイル本が完成した。「ファッションやデザインという概念を取り入れることで、壁の新たな意味を感じてもらえると思ったし、スタイリスト側にも服をコーディネートするだけではない新たな価値を生み出せるんじゃないかと思ったんです」。この本をきっかけに、何社もの住宅会社からコラボしたいと連絡がくるなど、立体的な広がりを見せるようになってきたという。

壁との出会いが、仕事の上でも新潮流を巻き起こすきっかけに

2歳のお嬢さんをもつ猪熊さんは、育児をしながら取締役としての仕事もこなすが、“今のところ、仕事はほぼ壁活です”と笑う。「タイルメーカーをはじめいろんな材料メーカーさんと会ったり、スタイリストの友人とキャッチアップを兼ねて新しい提案を相談したり。美術館やファッションの展示会にも足を運びます。遊んでいるわけではなくて(笑)精神をリラックスさせ、柔軟な思考をキープすることも重要だと思っているので。もともと公私混同タイプ。

好きな人と、自分の好きなことを仕事にしていることで、力を発揮できるタイプなんです。そして肩書とは関係なく、自分は“企む”のが仕事だと思っています。今は職人さんを“れんがアーティスト”としてプロデュースしたり、企業向けビジネスファッション研修を行うなど、今まで出会うことのなかった壁業界とファッションをかけ合わせてバリューを発揮しています。そういう提案ができるようになったのも、“壁”と出会ったおかげ」。今後はセメント新聞社や建文社をHUBに、これまでになかったコラボレーションに取り組んでいきたいという。「まだ構想段階ですが、大人のファッションに映える壁として、カーキ色のれんがを作れないかと計画中。「れんがメーカーさんと協力して、メイドインジャパンのオリジナリティのあるれんがが作りたいんです」


夢中は…『自分の働き方を変え、社会を変える力さえ生む!』

壁に夢中! な女性のライフスタイルを詳しくチェックする

3.カレーで社会貢献を決意!食のサステナビリティに向き合う活動を取材

樋口実沙さん

Earth Company マーケティング・マネージャー

樋口実沙さん


36歳。広島市立大学卒業後、kate spade new yorkでマーケティングに携わったのち、Earth Companyにマーケティング職で入職。2021年より並行して日本サステイナブル・レストラン協会でもマーケを担当。

カレーに夢中!

Q.カレーに出会ったきっかけは?

A. もともとカレー好きでもなんでもなかったけれど、偶然『インド即興料理旅行 チャローインディア』という紀行本の第1号を手にしたのがきっかけ。2015年に実際に自分もインドを訪れ、その食文化に惹かれました。

樋口実沙さん

カレーを通して自然に触れる大切さを思い出しました
長谷川さんの庭で育てているハーブを摘みながら、スパイスについて学ぶ樋口さん

Q.カレーの魅力って?

A. カレーを追いかけてのインド旅行が発展途上国を訪れた最初の経験だったのですが、ミャンマー、パキスタン、ネパール、バングラディシュなど、カレーを通じて様々な国の個性を身近に感じられるようになりました。

WE ARE THE FARM(赤坂店)

Q.仕事とのバランスは?

A. カレーを通して、世界の環境や紛争などの現状やサステナビリティの問題を知り、Earth Companyへの転職や日本サステイナブル・レストラン協会へのジョインにつながったので、カレーが仕事への道を示してくれたよう!

WE ARE THE FARM(赤坂店)

カレー仲間の紹介で知り合い、イベントにも登壇してもらった「WE ARE THE FARM(赤坂店)」。日本サステイナブル・レストラン協会にも加盟。全部つながっている

カレーを通して人と自然と世界のつながりを多くの人に伝えたい

樋口実沙さん

カレーを通して、社会課題に自分なりの貢献をしていきたい!

取材は、日本に帰化したロヒンギャの長谷川留理華さん(写真・左)のお宅でロヒンギャ料理を習いながら行った。ロヒンギャはミャンマー軍の不当な弾圧で非常に多くの人が難民になり、苦しい生活を送っている。樋口さんはEarth Companyでのロヒンギャの女性人権活動家、ウェイウェイ・ヌーさんの支援がきっかけで彼女と知り合った。  

樋口さんにとってカレー活動は、こんなふうに、カレーを通して人や文化と出会うことが醍醐味。kate spade new york在職中は西日本豪雨のときにイベントでカレーを作り、被災地である故郷広島への寄付に充てるなどしていた。「カレーとの出会いが人生を豊かにしてくれたので、カレーで社会貢献しようと決めたんです」。西日本豪雨をきっかけに気候変動に意識が向き、このままではいけないとEarth Companyに転職。個人としてのカレー活動も続けるうち、今度は食のサステナビリティの観点にも目が向くようになった。「容器の問題、食材の調達、フェアトレードなどすべてが一筋縄ではいかないことに気づきました」。そんなとき出会ったのが日本サステイナブル・レストラン協会。日本では立ち上がったばかりのこの組織にマーケティングの視点が必要だと気づき、副業としてジョイン。「主に平日はEarth Companyと日本サステイナブル・レストラン協会の仕事を半分ずつ、そして土日にカレー活動をしています」。カレー活動はイベント中心のため今は少ないが、取材や執筆の依頼を受けたり、カレーを提供する店にコンサルティングを行ったりしている。「カレーとの出会いはたまたまですが、カレーには文化、人、風土、社会、あらゆるものが詰まっています。これからもカレーを通してそれらの問題にアクションしていきたいですね」


夢中は…『人や文化との出会いを生み、社会に還元させてくれる』

カレーに夢中! な女性のライフスタイルを詳しくチェックする

4.サステナブルな洋服づくりを取材!「着ることで自由になれる服を届けたい」

田中美咲さん

SOLIT株式会社 代表取締役

田中美咲さん


33歳。サイバーエージェント、防災ガール代表理事を経て、インクルーシブファッションブランド「SOLIT」CEO。社会課題に特化した人材育成・企画会社「morning after cutting my hair,inc」代表取締役も務める。

サステナビリティに夢中!

Q.サステナビリティに出会ったのは?

A. 大学3年の終わりに東日本大震災を経験。自分に何ができるかを考え、IT企業に就職後もいてもたってもいられず、福島県に移住。復興支援に従事し、それ以降様々な社会課題の現場に出向くようになった。

「SOLIT」の商品

これがオールインクルーシブファッション「SOLIT」!
「SOLIT」の商品。パーツごとに最大12サイズ展開なので、四肢の長さや動きに強い特徴のある人にもフィットする 

Q.サステナビリティの魅力って?

A. 自分が差し出した手が誰かの人生をぐわっと変え、人が喜ぶ瞬間に立ち会える。人生に一度か二度あればいいようなそんな素晴らしい体験を毎日のように起こせる。誰かの幸せがそのまま自分の幸せにつながっています。

発表の様子

2019年から2年間、社会貢献のための倫理や思想をもう一度見つめ直すため大学院へ。そのときの発表の様子

Q.仕事とのバランスは?

A. 職業かそうでないかという境目はほぼなくなっていて、オンオフの切り替えもなく、四六時中仕事のことを考えています。たとえば動物園に行っても体の動きと服のことなど学びや発見があり、仕事に生きます。

着るために我慢するのでなく着ることで自由になれる、そんな力のある服を届けたい

田中美咲さん

課題も喜びもある「ファッション」を通して、誰かの力になりたい!

「どうすればみんなが幸せになれるんだろう」。自分が最も効果的にそんな課題に対処する方法は何か──そう考えた田中さんは“環境・人権における課題が多いファッション業界で、多様な人も地球環境も考慮された製品を作ろう”と2020年秋にSOLITを立ち上げた。  

東日本大震災を機に社会貢献活動を開始。7年間「防災ガール」代表理事を務めたあと、社会課題解決に特化したPR・企画会社運営とともに、大学院に通い、リベラルアーツを学んだ。その先にたどり着いたのがこのSOLIT。

「従来ファッションは生産や廃棄における環境と人権負荷、信仰や障がい、ジェンダーにおける制限など、多くの課題を抱えていました。一方でファッションは勇気やワクワクも与えてくれます。それらの長所短所を形にしようと思ったのが、立ち上げの動機です」  

スタート時はコロナ禍。障がいのある人には免疫力の弱い人も多く、試着やヒアリングのための面会が難しくてニーズを拾うのに難航したが、なんとかリリースに至った。「部位ごとにサイズを変えられること、マグネットか通常ボタンか、ジャケットの袖の内側にリブを入れるか、背面をラグランにするか、ウエストをジッパーにするかなど選択できるようにしています」  

月に3〜4回は全国へ試着会やポップアップイベントなどに出かける。「ジャケットやシャツを着るのが夢だった、と言ってくれる方や、娘の結婚式に着ていけると喜んでくださった全身まひの男性も。こんなに嬉しいことはありません」。継続するため、信念と経済性と社会性のバランスには日々悩むという。「正解はないし、価値観の押しつけもしたくない。でも誰かの喜ぶ姿を見るために挑戦していきたいと思います」


夢中は…『誰かの人生が変化する瞬間に毎日立ち会わせてくれる』

サスティナブルに夢中! な女性のライフスタイルを詳しくチェックする

5.踊る広報・柴田菜々子さんの週3正社員・週4ダンサーの働き方

柴田菜々子さん

ビースタイル「踊る広報」

柴田菜々子さん


31歳。桜美林大学でダンスを学び、TABATHAメンバーとして活動。卒業後はビースタイル入社。2015年より週3勤務にし週4日はダンスに充てるほか、副業でフリー広報としても活動。

ダンスに夢中!

Q.ダンスに出会ったきっかけは?

A. 小2から新体操クラブに通い始め、中学卒業まで続けていました。一度はダンスから離れたものの高2のとき初めてコンテンポラリーダンスを見てから魅了され、静岡から東京までワークショップに参加したりしました。

柴田菜々子さん

Q.ダンスの魅力って?

A. とにかくダンスをしているときがいちばん嬉しい。人生でそれが最も幸せな瞬間。コンテンポラリーダンサーとして、自分の身体を使って、作者の意図をいかに表現するか、理解力、表現力、そして体の機能を磨く日々です。

柴田菜々子さん

Q.仕事とのバランスは?

A. 就職した当初は仕事で手いっぱいでダンスはお休みをしていましたが、このままダンスから離れるのは嫌だと思い、退職を希望したところ、正社員のまま週3勤務というオプションを提示され、今は週3広報、週4ダンサー。

柴田菜々子さん

好きなことをしている、という充実が仕事のパフォーマンスも高めてくれます

ダンスのため、正社員のまま週3勤務に雇用変更!

夢中をかなえるために、会社の人事制度を変えてしまった人がいる! 柴田さんは現在、正社員として週3で勤務しながら、週4日はダンサーとして活動しているのだ。大学でダンスを専攻していた柴田さんは、卒業後、人材サービス会社「ビースタイル」に入社。ダンスユニットの活動は続けるつもりだったが、最初の1年は仕事で精いっぱいで、ユニットは活動休眠状態に。

「仕事は面白かったけれど、ダンスを続けるならガンガン活動できるのは若いうちだけだから、今やらないでいつやるんだと思い、退職することにしたんです」。ところが社長から意外な反応が。「ダンサーになるにしてもどうせアルバイトするなら、キャリアを積んだほうがよくない? “OR”じゃなくて“AND”を実現する方法を考えよう」と週3勤務を提案してくれたのだ。入社2年目の自分のために新たな人事制度をつくってくれた会社に、“週3で週5の成果を出します!”と宣言し、二重生活がスタート。「好きなことをやっているという事実から、仕事に対するモチベーションもうんと高まりました。とはいえ体はひとつ。苦手なリリース作成はあきらめて(笑)トークで頑張ったり、他社と合同のプレスイベントを開催して集客力を高めたり、工夫しました。勤務時間が限られている分、優先順位のつけ方にシビアになったと思います」。同期に後れをとらないよう、経験値を高めるために副業でフリー広報の仕事もスタート。病気やケガをして共倒れしては元も子もない、と体の声に敏感になり、以前より健康管理も重視するようになったという。  

また柴田さんの勤務するビースタイルはパートタイム型人材派遣に特化した会社。広報自らが自社のサービスに近い働き方を取り入れていることが、取引先や新卒のリクルーティングにもいい影響を及ぼしているという。

柴田菜々子さん

優先順位とアウトソーシングで4足のわらじを履きこなす

仕事がダンスにもいい影響を及ぼしている。「将来ダンスとどう関わっていくか、なかなかイメージができなかったのですが、仕事で得た企画や広報の経験を通して、ダンスの魅力を多くの人に伝えることが、ダンスへの恩返しかもしれないと気づいたんです」  

現在は7カ月の息子さんもいて、本業は育休中。フリーの仕事はオンライン中心に再開していて、ダンスは12月にステージを控えているそう。「広報のコミュニティに入ってインプットを増やすなど、復帰に向けてパワーアップ中。家事は苦手なので、作りおきサービスなどを活用しつつ得意なことに注力しています(笑)」。本業・副業・ダンス・母と4足のわらじを軽やかに履きこなしている秘密はきっと、中心に「夢中!」なものがあるから!


夢中は…『会社の制度まで変え人生の喜びを数倍に!』

「踊る銭湯P」
「踊る銭湯P」

好きなことをできている分、仕事ももっと楽しくなる!
2018年から、全国の銭湯でパフォーマンスを行う「踊る銭湯P」を運営

柴田菜々子さん

今年出産し、現在ビースタイルは育休中、フリーの仕事はオンライン中心に再開

ビースタイルの名刺も「踊る広報」

ビースタイルの名刺も「踊る広報」。人材サービス会社として、多様な働き方の提案になっている

ダンスに夢中! な女性のライフスタイルを詳しくチェックする

撮影/山下みどり 取材・原文/吉野ユリ子 ※BAILA2022年1月号掲載

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