30代&40代の妊娠悩み&疑問に、医師がお答え! 今回は妊婦の「ヘアカラー」や「パーマ」について。妊娠中もヘアカラーやパーマをする機会があるけど、正直、赤ちゃんに悪影響ってないの?
Q:妊娠中に美容院でヘアカラーやパーマをしてもらっても大丈夫ですか?
30代&40代女性の「リアルな妊娠悩み&疑問」!
・「最近授かり婚をしました。安定期に入ってすぐの時期に式をと思い、準備しています。前撮り撮影のためにヘアカラーとパーマをヘアサロンでお願いするのですが、『妊娠初期にカラー剤やパーマ液を使って大丈夫なの?』と夫に聞かれました。同じく授かり婚をして、お腹が目立つ前に式をあげた友人はきれいに髪を整えていたし、問題ないとは思うのですが……」
・「妊娠してすぐは悪阻で仕事も休みがち、ずっと横になっていたので美容院どころではなかったのですが、戌の日の写真に写ったボサボサ頭をみてショックを受けています。出産の入院中に写真を撮ることも多いだろうし、妊婦のうちにヘアカラーやカットなどを済ませて、きれいなママになりたい!と思っています。職場の先輩ママには『産後はバタバタで自分の髪型なんてどうでもよくなるから、出産前に縮毛矯正かけといたほうがあとでラクだよ〜』と言われ、妊娠後期になってかけようかな、とも。妊娠中の美容院で注意すべきことはありますか?」
医師が回答!
通常の婦人科診療のみならず、最新の脳科学×心理学×医学を総合的に駆使した診療を行うコーチング医。認知行動療法をベースに、トランスフォーメーショナルコーチのテクニックを日常診療に取り入れ、健康管理だけではなく、育児の悩みや親子関係・夫婦関係の改善など、幅広い分野で同テクニックを活用する。
※“妊娠超初期”という表現について……排卵日から月経予定日の期間を、“妊娠超初期”や、“妊娠2週〜3週”と呼ぶ人もいますが、これは医学用語ではありません。この時期はまだ妊娠が成立していないため、妊娠とは呼べない段階です。記事でも読者からの悩み等に登場しますが、便宜上“妊娠超初期”、“妊娠2〜3週”を「排卵日から月経予定日」と捉えた上で解説しています。
【ANSWER】医学的に問題ないけれど、オススメはしない
「妊娠中のヘアカラーやパーマは、医学的に禁止する理由はありません。体調的に問題なく、皮膚がかぶれなければ行っても大丈夫なのですが、オススメはしていません。というのも、妊娠成立後は皮膚の状態が変化しやすく、カラーやパーマで皮膚のトラブルを起こす妊婦さんもいるからです」
「特にカラーは皮膚がかぶれやすくなる妊婦さんが一定数います。まずは、わざわざ妊娠中にカラーやパーマをしなくてはいけない状況かどうかを考えましょう。その上で行うのであれば、事前にパッチテストを必ずお願いしましょう」
【ADVICE】妊娠後期のあおむけ姿勢は体調不良の原因に
「美容院での施術が赤ちゃんに直接影響することはないのですが、施術時間が長いと体調をくずす妊婦さんもいます。特に妊娠後期(28週以降)は、あおむけに寝ていると気持ちが悪くなる方も多いのです。お腹が大きくなってくると、あおむけ=重いものが上に乗っている状態になるわけです。その重みで太い血管が挟まれてしまい、血が巡りにくくなるのですね」
「また、ある程度お腹が大きくなった状態で15分以上あおむけで寝ていると、血圧が下がるので気持ち悪くなる、というケースも見受けられます。ですから私のクリニックでマタニティエステを行う際は、あおむけではなく横向きの姿勢で施術しているくらいです。妊娠中の美容院ではカラーやパーマはなるべく避け、施術は短時間、可能であればあおむけではなく横向きの姿勢で施術を受けるとよいでしょう。」
「それから、「私は体調的に大丈夫」と思っていた妊婦さんが突然具合が悪くなるケースも多いことを知っておいてください。妊娠中に通う美容院は、体調の話を気軽に伝えられ、途中で気分が悪くなっても配慮してくれるようなところが望ましいです。初めて行くサロンではなく、ある程度関係性を築けているところのほうが安心と言えるでしょう」
妊娠中に美容院に行く場合は、長居せず体調には充分注意することを心がけて!
取材・文/櫻木えみ