30代のお尻悩み&疑問に、医師がお答え! 今回は、痔の種類についてお届けします。
妊娠・出産を経験すると痔になるって本当!?
30代女性のお悩み&疑問
・「出産を経験した友達から、『子供を産むと痔になるから覚悟しな〜。すっごく痛いよ』と言われ、怯えている。子供を産んでも痔にならないようにするにはどうしたらいいの……!?」
・「もともと排便で出血が起こることがあり、その時にかなりの痛みも経験。分娩で本格的な痔になるんじゃないかと心配している」
・「イボ痔の治療中に妊娠。これからも治療を続けられるの!?」
30代女性で悩む人も多い痔。妊娠や出産との関係は気になるところ。専門医にお聞きしました!
医師のお答え!
【監修】寺田俊明先生 「寺田病院」理事長/院長/胃・大腸肛門病センター長
<プロフィール>東京医科大学卒業後、三井記念病院(千代田区)外科研修医を経て亀田総合病院(鴨川)消化器科にて内視鏡をはじめ多種にわたる検査を習得。その後、 大腸・肛門病の専門病院である東葛辻仲病院(我孫子)にて肛門疾患の手術全般を学んだ後、寺田病院 副院長、胃・大腸肛門病センター長として赴任。現在、理事長・院長、胃・大腸肛門病センター長を兼任。
分娩の瞬間に痔になるわけではなく、長年の蓄積で発症する!
「分娩の衝撃で痔になる」と信じている人も多いのですが、実は間違い。
例えば35歳で出産した後に、痔を発症した場合、出産だけが原因で痔になったわけではなく、「生まれてから今までの35年分の刺激の蓄積があっての発症」なのです。
生まれてから35歳まで排便で肛門周りを1万回以上使う中で、さまざまな刺激が蓄積されていきます。膨れたり、切れたり……ということが起こってもおかしくはないのです。
妊娠・出産で痔になる流れを解説!
1:【誕生〜妊娠前】排便で、肛門に負担がかかる
2:【妊娠】痔の発症前に、妊娠
3:【妊娠中】妊娠中にホルモンの影響で便秘になる。力むことで肛門に負担がかかる
4:【出産】分娩で力み、肛門にさらなる負担がかかる
5:【産後】痔を発症
もともと、長年の蓄積で痔のもとが育っていたところに、妊娠中の便秘や、分娩による力みという負担がかかることによって、症状が進行し、発症するのです。
妊娠中に痔の治療はできるの?
妊娠中の便秘で痔を発症したり、痔の症状が悪化したりした場合でも、手術などの治療はできません。妊娠中は、胎児を守ることが最優先。痔の治療は後回しになるのです。
妊娠の予定がある人で、痔のような症状がある場合は、妊娠前に治療を済ましておくのが理想です。
知らず知らずのうちに進行していた痔が、妊娠・出産で悪化することも! 妊娠前から痔には注意して生活をしましょう。
取材・文/櫻木えみ 企画/斉藤壮一郎〈BAILA〉