これまで6万人以上を占ったゲッターズ飯田さんが、運を味方につけて人生がうまくいく言葉とNGな言葉を大公開。「同じ運気でも使う言葉や人の縁によって人生が大きく変わる」と自身も実践する珠玉のコミュニケーション術は必読です!
占い師
ゲッターズ飯田さん
「人の紹介でしか直接占わない」スタンスが話題に。「五星三心(ごせいさんしん)占い」を編み出し多くのメディアで活躍。近著に『ゲッターズ飯田の占いよりも大切な話ただそう思っただけ』(講談社 1584円)。
1. 声に出して言いたい言葉&NGな言葉
【UP!】「運がいいですよ!」
運は「運がいい」と言う人のところに集まってくる。「自分は運がいい」と言うのも大切ですが、人に「運がいいですよ」と教えてあげるのもいい。「美味しいものを食べられて運がよかったね」などなんでもいいんです。他人のラッキーは自分のラッキーに変わる。他人の幸運を自分の幸運のように感じて喜べるようになって僕の人生も好転しました。
【UP!】「面白いですね!」
人と仲よくなれる言葉。人の話を聞いたら間髪いれずに「面白いですね!」そう言うと相手はグッとしゃべりやすくなる。「あなた何でも笑うね」と突っ込まれるくらい、小さな冗談も逃さず面白がって。人は自分に興味ある人を好きになる。「なるほど」「わかるかも」「そうなんだ!」と同意をする言葉もいい関係を導きます。
【UP!】「おかげさま」
「おかげさま」の力はすごい。「おかげさま」と思えば、すべてが未来への希望になる。リストラされた「おかげで」次の道が見つかった。失恋した「おかげで」素敵な恋人ができた。過去の経験を糧に前向きに次に向かえば、大切なのは今と未来だけ。 そこに陰があることに「お」をつけて「様」までつけて、陰にも感謝できるんです。
【UP!】「それ好きです!」
自分の好きなことはドンドン言ったほうがいい。どんなものでも誰かが関わっている。好きなことを褒めて褒め続けていれば、人から人へと伝わって、夢や願いが案外簡単にかなった人を多く見てきました。かなうは口に十と書く。自分は何が好きなのか。誰が好きなのか。何を目指しているのか。どうしたいのか。口に10回出して言ってみるといいですよ。
【UP!】「ありがとう」
「ありがとう」を言われたら誰でも嬉しいもの。誰かに感謝を伝えると、感謝はもっと大きなかたちとなってあなたに戻ってくる。人生で大切なのは協力すること。そして協力してもらえる人になること。その橋渡しをするのが感謝の心。「すみません」を「ありがとうございます」に変えるだけで、その瞬間に人生は温かくなる。
【UP!】「だったらこうしましょう」
不満や愚痴を言いたくなったときは「だったら」を前向きに使う。すると「だったらこうしましょう」とアイディアを出すしかない。言葉を先に言うことで行動が後からついてくる。言い続けると習慣になる。幸せな人の多くは愚痴や不満を言わないように、自分なりの工夫をして自分を育てていると多くの人に会って知りました。
【DOWN!】「めんどくさい」
この言葉は人生最大の敵かもしれない。「めんどくさい」と思ったものほど「まずはやる」に言い換えて最初に選択するようにしています。「苦手」「不慣れ」「めんどくさい」ほど人生を面白くすると思って、簡単に逃げないで乗り越えると得られる幸せが大きい。人づきあいでも、めんどくさい人から掘り出せる宝物が意外とたくさんあります。
【DOWN!】「人見知りなんです」
人とたくさん会うほど勝手にチャンスが増えるから、「人見知りです」「人が苦手」「人が嫌い」と言わないほうがいいです。何の得もない。噓でもいいので「人が好き」と言ったほうがいい。僕も「人を占うの好きなんです」と言い続けていたら「人を好き」ということで紹介しやすくなるからか、結果、自然と驚くほど人が周囲に増えました。
【DOWN!】「幸せになれますか?」
よく聞かれるのですが、この言葉を言う人は幸せになれないと思う。なぜなら、自分の幸せが何なのかわかっていないから。幸せとは、他人から感謝されること。少しでも目の前の困った人や手助けが必要な人を助けたり、お世話になった人の役に立ちたいと思えばできることは必ずある。そうすることで、実は簡単に幸せを感じることができる。
【DOWN!】「つまらない」
そう決めて、勝手に人生をつまらなくしているのは言っている本人だったりする。よくないのはその思考で、世の中はまったく悪くない。想像を絶するような苦しいことがあっても、それを乗り越えて明るく生きている人がいる。この言葉を言いそうになったら、いろいろな人の大変だったときの話を聞いてみるといい。
【DOWN!】「~だから、 ~ではないから」
「忙しいから」「マストではないから」。仕事でも勉強でも恋でも、言い訳をする人は、自分で自分の可能性を減らしていることが多い。気持ちはわかりますが、自分が可愛くて逃げているだけ。そういうときは、頑張らなくてもいいからこだわりをつくる といい。仕事なら、たとえば時間管理、順番、丁寧さ。たとえ自己満足でもこだわりがあれば言い訳しなくなる。
【DOWN!】「言ったのに! 伝えたのに!」
何度も同じことを言わせる人っていますよね。イライラせずに、他人だから伝わらなくて当たり前。「伝わったらラッキー」くらいに考えるといいですよ。相手に合わせて言葉や表現やタイミングを変え試してみると伝わる瞬間がある。それを見つけるのは楽しいし、難しいことをわかりやすく伝える人には運が集まるんです。
2.言葉ひとつで人生が変わり、人も運も集まってくる!
僕は、占いをこれまで25年間続けていて無償で6万人以上を占っているなかで、データの蓄積や技術の研究を重ねていますが、「本当に運気や運だけの問題なのか?」ということも考え続けてきました。たとえば、僕の「五星三心(ごせいさんしん)占い」で同じタイプ、同じ運気でも、幸せな人生を送る人とそうでない人に分かれます。
運気がよくても占いが当たらない人の多くは、人間性や生き方、考え方に問題がある人が多い。いい方向に変えることができるのは「言葉」だと思っています。
人生というものは言葉ひとつで変わるもの。
言葉から心が変わっていく。「元気です」と言うと元気になるし、「楽しいです」と言うと楽しくなる。「運がいいんです」と言うと、運がいい気がして本当に運のいいことが起きてくる。
いい言葉を発するだけで人生が変わってくる。
人生は長いようで短い。どんな人にも時間は平等に与えられています。もちろん平等でないこともある。納得いかないことも、残念に思うこともある。
でも悪い部分や嫌なところにスポットを当てて言い訳をする人生より「生きている限り運がいい」と言って未来のために自分を磨いて前に進むほうがいい。
言葉は変えるのが簡単ですから。
人間は一人では生きていけないので、人とどう組むか、どう人の輪をつくるか。
対人関係での言葉選びもとても大事。
僕も相手に響くように占いを伝えるためにいい言葉をたくさん吸収して発するうちに人生がだんだん変わってきました。よく、人づきあいが苦手という人がいますが、運の正体のひとつは縁なんです。
人との縁で人生は大きく変わる。色々な縁が絡み合って私たちは生きている。僕も色々な人に出会い、色々な人と別れました。人に会うことはエネルギーを使うし、考えるから疲れる。だからこそ、人とつきあうことで人は強くなれる。人づきあいは慣れです。
最初は人疲れする。でもマラソンと同じで、経験を重ねると体力がついてくる。今の僕は一日100人に会っても全然疲れません。5㎞走ってしんどいと思って走るのをやめたら体力が落ちるのと一緒で、そこから5㎞また走るうちに体力がつく。体力づくりと思って人づきあいを楽しめるといい。自分の望むような出会いはなかなかなくて苦手な上司に出会ったり、ソリの合わない人とチームを組むことも。それでもどんな人とも仲よくなれることが大切。苦手な相手がどんな人だったら嬉しいか。その嬉しい相手に自分がなればいい。相手のことを考えて言葉を選ぶといい。
また会いたいと思わせる人になるんです。
いい言葉を見つけるには本を読んだり、人と話すことがヒントに。自分がいい言葉だなと思ったものはメモするクセをつけるといいですよ。そして発することで自分のものになっていく。合わない言葉やなじまない言葉は自然と離れて、なじむ言葉は勝手に吸収してくれますから。
言葉を選ぶ面白さを知ると、人生はより楽しい。
最後に、関わる人が増えると誰の文句も言えなくなってきます。先日、世間話でたまたまとある居酒屋のメニューについて話してたら、「そこ俺の友達のお兄さんの店だよ」と言われたことがあって、「そんなとこつながります?」みたいな(笑)。つながってるんですよ。どんどんどんどんつながってくるから誰の悪口も言えなくなる。だからいい言葉だけ言っとけばいいんです!
3. 人づきあい術ケーススタディ【仕事編】
【Case1】人見知りがひどく、初対面の相手との商談や打ち合わせがうまく進めらない。とにかく緊張してしまいます…。
【Getters Advice】緊張するほど自分をよく見せようとしなくていい。合わない人は合わないし、合う人は合う!
僕が多くの人に会って思ったのは、そんなに嫌な人や悪い人はいないということ。その上で結局つながるのは、面白いと思える人や共通点のある人。知らない同士のほうが共通点を探そうと話が盛り上がるから、初対面ほど面白い。「人見知り」なんて言い訳せずに、これも縁と面白ネタを用意して話しかけましょう。
【Case2】後輩を褒めたいけれど、どう声をかけたらいいかわかりません。噓っぽく聞こえないか心配だし、同じ現場で自分のライバルでもあるので、ひねくれ心から素直に伝えることがなかなか難しい!
【Getters Advice】ライバルと思う人ほど褒めたほうがいい。 相手と自分の強みを認め助け合えばOK。
「それいいですね」「すごいですね」とリスペクトをもって褒めるといいですよ。相手がそこで頑張っているなら、自分は別のところで頑張ればいい。結局、社会って自分の強みで生きていくんで、相手の強い分野に関してはプライドを捨てて素直に負けを認めたほうが楽。お互いの強みを認め合えばいいパートナーになれます。
【Case3】同じ失敗を繰り返す部下への注意の仕方に悩みます。本当はいいかげんにしてほしいけれど、怒るのが苦手でうまく伝えられずもやもやしています。
【Getters Advice】自分のマイナス感情の解消ではなく、部下のミスを減らすための声かけを。
自分のマイナス感情に意識を向けず、せっかく縁あって自分の下にいる部下の成長につながる客観的な言葉を選んでみては。たとえば確認作業ひとつとっても丁寧にやる人と雑にやる人がいるので「数値を2回確認する」とルール化するなど。「数値は2回確認した?」と聞くと部下が具体的に動けるかもしれません。
【Case4】常に批判的な上司とはどうコミュニケーションをとるべき? 理不尽なことを言われてばかりですが、戦いたくはありません。
【Getters Advice】「今日はだめなところないですか?」と上司の懐に飛び込んで入っていくべし。
僕もその昔、会うたびに怒られる仕事の先輩がいましたが、「今日もなんか怒ってますか?」と相手のガードの中に入って色々なことを教えてもらい、最終的には可愛がってもらった経験があります。ハラスメントはいけませんが、理不尽って意外と自分の常識外の判断を学ぶ場にもなり鍛えられました。
【Case5】先輩から指摘を受けたとき、相槌に迷います。「申し訳ありません」も違う気がするし「ありがとうございます」も変。結果いつも「そうですよね…」と相槌を打っています。
【Getters Advice】「そうですよね」は知っていること。知らないことには「そうなんですね」。
「そうですよね」がクセになっている場合はやめたほうがいいです。教える側として「知ってたんだな」となり、知ってるのにできないとなると次から指示しにくくなるから。わからないことは「わからない」と言ってくれる人のほうが仕事を頼みやすいし、結局そうやって頼みやすい人に仕事って集中するんですよね。
4. 人づきあい術ケーススタディ【プライベート編】
【Getters Advice】言われて頑張れる人とプレッシャーになる人がいる。
個人的には、男性には「頑張って」、女性には「頑張ってますね」と言うことが多いです。性別に限らず、「まだ頑張らないといけないの?」とプレッシャーに感じそうな人には「もう頑張ってるんじゃない?」と肩の力を抜くような言葉を、僕のように「頑張って」と言われたら単純に「よし頑張ろう!」と思う人にはストレートに応援を伝えますね。
【Case2】人から何か頼まれたときに気まずくならない断り方ってありますか? どうしてもできなくて断ったとき、また機会があれば声をかけてほしいと思っているのですが、いつも後味が悪く気まずくなってしまいます。
【Getters Advice】気まずい空気を出さずに断り、手のあいたときにあらためて申し出る。
どうしてもできないことは仕方がないです。「無理だと思うんです。すみません」と正直に言うだけですよね。その上で「手のあいたときは声をかけますね」と依頼にこたえたい気持ちを伝え、できるときに「今なら大丈夫です。何かありますか?」と申し出る。そうやって未来への信頼関係を構築していくといいと思います。
【Case3】もっと仲よくなりたい人に、どう好意を伝えたらよいのかわかりません。押しが強いと思われたりしないか心配です。
【Getters Advice】好意は素直に伝えたほうがいい。伝えるときに必要なのは明るさ。
人間誰しも好かれて不愉快になることはまずありません。嫌っているように見えたらたぶんそれは照れ。「お茶に行きましょう」と明るく誘って、もし断られたら「じゃあ、また誘いますね!」と明るく引けばいい。好意は伝えなければそのまま何も変わらない。出会えた感謝と自分の気持ちを素直に伝えることで自然と未来が開けます。
【Case4】あれもつらいこれもつらい、といつもマイナス思考の友人の話にはどう反応したらいいですか? 正直話を聞いていて疲れてしまいます。
【Getters Advice】マイナス思考からポジティブな行動に向かうためにまず共感の言葉を。
学ぶことが多いとき、マイナス思考は準備段階なんです。マイナス思考から自分の足りない点に気づいて、次にプラスの行動に向かうので。成長のプロセスだと見守って「いいんじゃない?」「そうだよね」といった共感の言葉をかけてあげてください。マイナスの言葉はその人の変わりたい気持ちの表れだったりするんですよね。
【Case5】ふいに人から褒められたとき、なんて言えばいい? 「…ソンナコトナイデス」と言ってしまい、せっかく褒めてくれたのになんだかそのあと気まずいです。
【Getters Advice】褒められたら喜んだほうがいい。そのほうが褒めた人の気分がいい。
相手がせっかく褒め言葉を使って前向きにコミュニケーションをとろうとしてくれているのに、マイナスに受け止めたら会話が成り立たないですよね。せめて「照れちゃいますね」とか「そう言っていただいて嬉しいですが、そんなことないですよ」くらいの謙遜に感謝を添えて気持ちを伝えられるといいですね。
「人生がうまくいく人には共通点があります。ポジティブな言葉を使い、他人の話を最後まで聞き、感謝とリスペクトを忘れない。日々の心がけの積み重ねです」
イラスト/しまはらゆうき 取材・原文/佐久間知子 ※BAILA2022年6月号掲載