毎日暑い日が続くシーズンに突入。夜も気温が下がらず、寝苦しい日が続き……安眠できない悩みは切実。そんな30代・40代が抱える「熱帯夜睡眠」の悩みや疑問に、睡眠専門医の井坂奈央先生がお答え! 今回は、「夜中のエアコン使用と健康の関わり」について聞きました。
エアコンつけっぱなしで寝るのは、お肌によくない? 生理中はやめておくべき?
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30代・40代女性の、エアコンと健康の関係に関する「リアルな悩み&疑問」!
・「エアコンをつけると、風で肌が乾燥する気がして、窓を開けて寝ています。暑くて寝苦しくても、乾燥で肌のコンディションが悪くなるのは避けたい!」
・「生理痛が酷い日にエアコンをつけると、お腹が冷えて痛みがひどくなりそうな気が。エアコンは使わずに寝るようにしていますが、暑さで何度も起きてしまったり……。猛暑日の生理日、どうするのが正解ですか?」
睡眠専門医がお答え! エアコンをつけて寝るときの健康への影響
大学病院や専門医療機関で長く睡眠障害の診療にあたってきた睡眠専門医。いびきや睡眠時無呼吸症候群に悩む患者に病態やライフスタイルに合わせた治療を提案している。
美肌のためにはエアコンで適温をキープ
「質問者さんのように、睡眠時のエアコン使用のお肌への影響が気になる人もいらっしゃると思いますが、美肌を目指すならば、いい睡眠をとることが絶対条件。乾燥を気にしてエアコンを使わず、睡眠の質が下がると美肌には逆効果です!
入眠直後の90分間がいちばん深いノンレム睡眠がとれると言われているのですが、その時間に成長を促すグロースホルモンが多く分泌され、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌を促します。女性ホルモンには細胞を修復して肌を美しくする作用がありますので、いい睡眠をとればとるほど、細胞の修復が促進されるのです。
ですから、睡眠時はエアコンをつけっぱなしにして、室温を24度~26度に保ちましょう。風が直接体に当たるのが気になる場合は、風向きを調整したり、サーキュレーターなどで空気を循環させましょう」
生理中は首・手首・足首をピンポイントで冷やして
「生理中も、熱帯夜であればエアコンで適温に保つのが基本。それでも体が冷えるのが心配な場合は、室温は睡眠中の適温の中でもやや高めの26度くらいに設定しつつ、体を部分的に冷やすのがおすすめ。首、手首、足首などの太い血管がある部分を冷感機能があるものでピンポイントに冷やすとよいでしょう。手軽に使える貼るタイプの冷却シートを使っても。エアコンと冷感機能がある商品をうまく併用して、快適な睡眠環境を整えてくださいね」
肌悩みがあるときや、生理の日も、熱帯夜=エアコンはマスト!
取材・文/櫻木えみ