毎日暑い日が続くシーズンに突入。夜も気温が下がらず、寝苦しい日が続き……安眠できない悩みは切実。そんな30代・40代が抱える「熱帯夜睡眠」の悩みや疑問に、睡眠専門医の井坂奈央先生がお答え! 今回は、「熱帯夜のエアコン、朝までつけっぱなしがいいか、タイマー設定で切るほうがいいか」について聞きました。
電気代が気になってタイマー設定にするけど、快眠のためにはつけっぱなしがいいの?
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30代・40代女性の、熱帯夜のエアコンに関する「リアルな悩み&疑問」!
・「エアコンをつけっぱなしにすると、電気代が高すぎる! 夏はいつもタイマーをつけて、夜中に切れるように設定していますが、熱帯夜は暑さで目が覚めてしまうのがしんどい……。寝つくまでの時間だけエアコンをつけるというのは、間違っているのでしょうか!?」
・「ここ数年は真夏の暑さに勝てず、エアコンを25度設定にして寝ていますが、部屋が狭いこともあってエアコンの風が体に直撃! 25度設定のはずなのに、朝起きると体が冷えている気がします。やっぱりエアコンに頼るのは寝入りの数時間だけにしたほうが快眠にはよいの……?」
睡眠専門医がお答え! 熱帯夜のエアコンの使い方
大学病院や専門医療機関で長く睡眠障害の診療にあたってきた睡眠専門医。いびきや睡眠時無呼吸症候群に悩む患者に病態やライフスタイルに合わせた治療を提案している。
暑い夜は、エアコンはつけっぱなしが正解!
「快眠のために、エアコンは一晩中つけるのが正解です。睡眠時の室温は24度~26度が適切と言われており、エアコンを一晩中つけっぱなしにして、室温を一定に保つことで快適に眠ることができます。ただし、厳密な温度設定が必要なのではなく本人が快適と感じる室温が大事。つまりその人にとって27度がベストならそれでOKです。しっかり温度を管理するというよりも、快適な室温を保つためのエアコンの使用とお考えください。
エアコンのタイマーを設定して寝ると、睡眠中にエアコンが止まり、室温が上がることで何度も目が覚めるおそれがあります。質問者さんのように、エアコンの電気代を気にされる気持ちもわかりますが、電気代節約を優先してエアコンを使わないことで熱中症になる危険性もあるので注意が必要です。睡眠の質が下がって、日中のパフォーマンスが落ちることも考えられます。
エアコンの風が気になる場合は、直接体に当たらないようサーキュレーターを回したり、長袖のパジャマを着用して眠るとよいでしょう。体を冷やさず快適に眠ることができます」
エアコンはタイマーで消さずに、朝まで使って室温の調整を。
取材・文/櫻木えみ