オールスターで豪華! 東京国立博物館で<東寺の仏像曼荼羅>の深~い世界に触れよう

2019-03-14 18:00
  • 東京国立博物館で3/26~6/2、特別展『国宝 東寺─ 空海と仏像曼荼羅』が開催されます。最近流行の"仏像女子"の心をガッチリ掴むイケメン仏像も多数。美しくもありがた~いお姿に、密教美術の最高峰・東寺の1200年間の歴史へと思いを馳せてみては。
  • オールスターで豪華だね! 仏様たちで何を表しているの?
  • 仏像曼荼羅イメージ 東寺蔵
    仏像曼荼羅イメージ 東寺蔵
  • ボリウッドスター風にマッスルな仏像の皆さん。衣装もポーズもバッチリ決まってるね。

    「これは京都は東寺の講堂に安置された仏像21体のうちの15体。写真ではイケメンの帝釈天が中央にいますが、実際は下の『講堂諸尊の配置図』にあるように、大日如来を中心として、如来の両側に菩薩と明王、両サイドに帝釈天や持国天といった天グループが並んでいます」

    と、教えてくれたのは東京国立博物館の学芸企画部特別展室長・丸山士郎さん。上の写真をざっくり説明すると、いちばん後ろに座っている半裸の仏たちが如来、向かって右側で宝飾品をまとっているのが菩薩、向かって左側でメラメラ燃える光輪を背に怖い顔をしているのが明王、両サイドの立像と中央で象に乗るイケメンが天。ちなみに帝釈天や持国天などの天グループは、明王の眷属(家来)で、仏たちを守るガードマンだから、実際の仏界の序列は「如来→菩薩→明王→天」の順なんだって。
  • 講堂諸尊の配置図
  • 言葉では伝えきれない深~い密教の教えを3次元で表してます

  • これらの仏像が居並ぶ東寺の講堂は、別世界の趣があるけど、何を表現しているの?

    「立体曼荼羅といって、真言密教の開祖・空海が、極めて深淵で言語化するのは困難な密教の教えを立体的に示したものです」と、丸山さん。

    その専門的な解説を短くまとめると、密教における大日如来とは「宇宙の真理そのもの」。森羅万象の成り立ちや法則といった、この宇宙の基盤となる「真理の塊」ゆえに、すごく奥が深くて人間はまず到達できないし、俗人はそんな真理が存在していることさえ知らないわけだけど、真理を知っていれば悟れるし成仏できる! だから、皆さんにも教えてあげましょうと、密教の教えを図解したものが曼荼羅。さらにわかりやすく立体化しちゃった空海の意欲作が立体曼荼羅らしい。

    曼荼羅には胎蔵界と金剛界の両界があって、立体曼荼羅は大日如来の真理を説いた金剛界曼荼羅がベースになっているのだとか。「菩薩と明王は如来の別バージョンで、ときに親しみやすく、ときに怒りで人々を教化する役目……という明確な説は、少し時代が下ってから出てきたものですが東寺の立体曼荼羅の位置関係を見ると、空海自身も対応する位置関係の菩薩と明王は如来のもうひとつの姿と考えていたように思います。空海は密教が生まれたインドの要素を大事にした人で、東寺の仏像はとても筋肉質でインド的な表現がきわだっています。そうした仏像を立体的に配することで、圧倒されるほどの異空間をつくり、密教の本質を感じられる雰囲気をつくりたかったのでしょう」

    つまり、立体曼荼羅がある東寺の講堂は、密教の教えを体感できるテーマパーク。当時、飛行機があったら唐やインドからも、見学のお坊さんが押し寄せたかもね。31歳で唐に渡り、たった2年間で密教のすべてを修めた空海は発想もハイパーだったんだね。
  • 国宝 両界曼荼羅図
  • 国宝 両界曼荼羅(りょうかいまんだら)図
    西院曼荼羅(さいいんまんだら)[伝真言院曼荼羅(でんしんごんいんまんだら)]のうち金剛界(こんごうかい)

    平安時代・9世紀 東寺蔵
    [展示期間4/23~5/6]現存最古の彩色両界曼荼羅図。表情や体躯の描写などにインド風の表現が強く感じられる。ちなみに対となる胎蔵界曼荼羅は、すべての人を包み込む大日如来の母のような深い慈悲を示したもの。
  • このアートはここで見よう!
    特別展『国宝 東寺─ 空海と仏像曼荼羅』
    唐で新しい仏教・密教を学んで帰国した空海が開いた真言密教の根本道場より、密教美術の最高峰がやってくる! 東寺の1200年間の歴史を肌で感じよう。3/26~6/2 東京国立博物館 東京都台東区上野公園13の9  9 時30分~17時(金・土~21時) 休館日/月曜(4/1は東寺展会場のみ開館、4/29、5/6は開館)、5/7 観覧料/¥1600 問い合わせ 03(5777)8600(ハローダイヤル) 
    https://toji2019.jp
取材・文/KAORU ※BAILA2019年4月号掲載
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