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#綾瀬はるか さんスペシャルインタビュー「柔らかいけど芯のある人」《後編》

ストイックに役柄に向き合う一方、周囲を包み込むような優しさにいつもあふれている綾瀬さん。時代を代表するトップ女優は、働くバイラ世代がお手本にしたい女性でもありました。インタビュー前後編の後編です。

綾瀬はるかさんスペシャルインタビュー《前編》はこちら

余計なものをどれだけ捨てられるか。それが自分の今のテーマです

綾瀬はるか 

トップス¥31900・パンツ¥39600/ザ・リラクス(ザ・リラクス) イヤカフ¥26400/イー・エム アオヤマ(イー・エム)

60年間、同じルーティンを続けるおばあちゃんは本当に芯の強い人

「それにしてもなぜこんなに緊張するのだろう」──と考えるうちに、綾瀬さんはあることに気がついた。それは「プレッシャーをかけているのは自分自身」ということだった。

「たとえば監督さんに『頼むよ、ここ綾瀬さんにかかってるから』とか言われると、『キャリア的にできて当然』『立場的に失敗できない』と考えて、欲張りになった結果、自分を緊張させているんじゃないかと思うんですね。だから本当に新人のつもりで、『できません、私』っていうところからやるほうがいいなっ て。それくらい、いらないものを捨てていくのがいいんじゃないかって思うようになりました」

いらないものを捨てていく?

「はい。プライドとか、へんな自信とか、余計な欲とかをどれだけ捨てられるか、というのがすごく大事だなと考えていて、この2~3年、ずっとそれが自分のテーマになっています」

綾瀬はるか 2

キャリアを重ねるほど、よりシンプルに、より身軽に。その覚悟と潔さが、彼女の中に丈夫で、しなやかな幹を育たせることになった。

「10代の頃は、『全然できなかった』と思うと悔しくて。トイレで、えーんと泣いて、目を腫らして現場に戻るということもありましたけれど、今は、うまくいかなくても『そんなときもあるよね』と流すことができるようになりました。少し強くなったのかな。できるだけの準備をしたら、あとは『適当な具合で、適当にやればいい』と思っています。“適当”というのは、“いいかげん”という意味ではなくて、おおまかなところははずさないようにして、あとは流れに任せるという感じ。現場では柔軟に対応しなければならないことも多いので、そういう余白を残しておくことも大事だと思うので」

将来は、ほわほわ~っとした、おばあちゃんになりたいな

まさにプロフェッショナルな仕事人。そんな彼女から見て、「芯がある」と感じるのはどんな人か聞いたところ、出てきたのは、家族の話だった。

「広島にいるおばあちゃんは94歳なんですけれど、毎朝かならず部屋に掃除機をかけて、床拭きをして、トイレ掃除をして、お庭を掃いて、ラジオ体操をするんです。それを60年くらい毎日続けているんですね。雨の日も風の日も。すごいですよね。もう掃除という領域を超えているんじゃないかなって思います。また、おかあさんも家族のためにごはんを作ったり、自分より人のことを優先して、毎日過ごしてる。変わることのない、家族への深い愛情にも芯の強さを感じます。毎日、同じことを続けられるって、芯がないとできないと思うんですよね」

では。綾瀬さんも何か毎日続けていることがあるのだろうか。

「まったくないです。たまに思いついたようにおばあちゃんのマネをして掃除をするけれど、毎日は続かなくて。プライベートに関しては、本当になまけ者なんですよ、私(笑)」

なんだかまたほっこりしてしまった。

綾瀬はるか 3

ドラマ初共演、大泉洋さんとのかけあい、楽しんでください!!

そんな綾瀬さんが現在、出演中のドラマ「元彼の遺言状」も注目だ。演じているのは、勝つためには手段を選ばない、才色兼備の辣腕弁護士・剣持麗子。意外とハマり役だったりして!?

「かなり強めのキャラクターで、個人的にはもう少し優しい人が好きですけど(笑)、勇猛果敢に切り込んでいくところは爽快感があります。相棒役の大泉洋さんとの共演は初めてですが、とても緻密にお芝居をされる方なので、私もそれについていきたい。二人のかけあいも楽しんでください!」

充実の時を迎えて、輝きはさらに増すばかり。この先、どこを目指して、彼女は進んでいくのだろうか。

「昨年、京都の太泰映画村で撮影をしたとき、すっごく素敵な女性に出会いました。衣装部の方で、72歳の大ベテランなんですけれど、天然ボケで(笑)可愛いんですよ。いつも『ない、ない、どこいったんやろか』って捜し物をしていて、『マイクをつけ忘れたから、もう一回衣装を脱いで』なんてことも(笑)。『ええ~、また?』って感じなんですけれど、『忘れとったわぁ』なんて言われると憎めなくて。キャリアを積むと誰でも強くなりがちですけれど、彼女には隙があって、人からしょっちゅう突っ込まれてる。顔を見るとほっとするんですね。『私、こういう人、大好き!』って思いました」

ストイックなだけでなく、抜け感があって、おおらかな人。綾瀬さんが目指すのは、そんな人なのだろう。

「だから頑張りすぎなくてもいいんじゃないのかなって、最近は思います。仕事を続けていると、いろんなことが見えてきて、気になっちゃうけれど、鈍感なくらいのほうがいいのかなって。私も彼女みたいなほわほわ~っとしたおばあちゃんになりたいな。これからもより自然に、流れにゆだねて、今を楽しみながら生きていきたいです」

綾瀬はるか

綾瀬はるか


あやせ はるか●1985年広島県生まれ。2000年、芸能界デビュー。映画、ドラマ、CMなど幅広く活躍。「世界の中心で、愛をさけぶ」「八重の桜」「奥様は、取り扱い注意」「義母と娘のブルース」「天国と地獄~サイコな2人~」など代表作多数。

#綾瀬はるか さんスペシャルインタビュー「柔らかいけど芯のある人」《後編》_4

月9ドラマ「元彼の遺言状」
出演/綾瀬はるか、大泉洋ほか
原作/新川帆立 演出/鈴木雅之 フジテレビ系 月曜21時~
お金が欲しい、その一心で、圧倒的な法律知識を武器に敵を打ち負かす敏腕弁護士・剣持麗子(綾瀬はるか)が、ある事件に巻き込まれていく。2021年、「このミステリーがすごい!」の大賞受賞作の待望のドラマ化。

撮影/YUJI TAKEUCH〈I BALLPARK〉 ヘア&メイク/中野明海 スタイリスト/山本マナ 取材・原文/佐藤裕美 ※BAILA2022年6月号掲載

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