漫画を愛するライター・中川 薫がバイラ女子におすすめの漫画をピックアップ! 今回は、国も文化も宗教も違う10歳の少女たちの「女の子だから」を見つめる短篇連作『女の子がいる場所は』をご紹介します。
ナビゲーター
中川 薫
漫画・お酒・音楽・旅行好きのライター。購入2年目にして、ようやくiPadを活用し始めた気がしている……。
©やまじえびね/KADOKAWA
世界5カ国でそれぞれ暮らす10歳の女の子たちが「女の子だから」と言われる“日常”を描いている。第1話の主人公は近所の男の子とのサッカーが、もうできなくなったことを寂しく思っているサウジアラビアのサルマ。両親の仲は良好。しかしサルマは、自分の母親が第二夫人であることに気づいてしまう。“離婚歴があると再婚は難しいのに不自由なく暮らせて幸せだ”と母親は語るが……。
第4話は日本のまりえ。母親は准教授として活躍し、父親もそんな母親のことを褒める。だが二人は離婚しているという現実。ちぐはぐな言動にまりえはモヤッとして……。「女の子だから」という言葉は、それがたとえポジティブに使われる場面であっても、女性に何かをあきらめさせる常套句として使われてきた。もし「他人が決めた選択と、その先にある“幸せ”が本当に納得できるものなの?」とモヤモヤを感じたのなら……それを声にして吐き出してみよう。そこから自分たちのいる場所が変わっていくかもしれない。
『女の子がいる場所は』
やまじえびね著
KADOKAWA 全 1巻 814円
国も文化も宗教も違う10歳の少女たち。愛情あふれる家族との“幸せな日常”を過ごしながらも、ふと思う。「女の子だから」って……? それぞれの疑問を考え始める。
漫画好きならこれも必読!
『正反対な君と僕』
阿賀沢紅茶著
集英社 1巻~ 660円(7月4日発売)
好きなものは好き! と素直に伝えられる主人公に共感
空気を読んじゃう元気なギャル・鈴木さんと「ブレない」自分を持った物静かな谷くんの日常を描く。解像度の高い、つきあいたてほやほやカップルの描写に萌え必至。
※カバーデザインは変更することがあります
イラスト/ユリコフ・カワヒロ ※BAILA2022年8月号掲載