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#津田健次郎 さん「声の仕事だからとか、映像の仕事だからとかの線引きには興味がないんです。」《インタビュー前編》【BAILAhomme2掲載】

心を揺さぶるつややかな低い声や、映像の仕事で見せるダンディなたたずまい。声優、俳優、映像監督。軽やかに様々な役割のスラッシュを越えているように思える彼の、不器用で真摯な狭間の姿。津田健次郎さんのインタビュー前後編の前編です。 

津田健次郎さん 椅子に座る

「なるべく、“収まらない”ようにいたいという思いはありますね。
オーソドックスなことの大事さもあるんですが、そうじゃない面白さみたいなものを出せるといいなと。それが、自分にしかできないものでありたいと思いながら、仕事をしていますね。僕らの現場は常に共同作業で、だからこそ、思わぬものが生まれることがある」

津田健次郎さん モノクロのアップ

「自分の中にあるモヤモヤとしたエネルギーや想いが表に出ていく瞬間やそれが誰かの“それ”と融合する瞬間。そのケミストリーは、やっぱり醍醐味。
この仕事をしている上での大きな楽しみのひとつでもありますし、すごく幸せで、素敵で、面白いことだなぁと、何度だって思います」

芝居をすることや表現の奥深さ、難しさに今、あらためて立ち返っています

津田健次郎さん アップの右顔

「よろしくお願いします」。誰もが聞き覚えのある、心地よく響く低い声とともにやわらかな物腰でスタジオに現れた。津田健次郎、彼を知るための入り口の種類は多い。人気アニメの声優、情報番組や朝ドラのナレーション、映像監督、そして、彼自身が表に出る俳優。率直に、肩書を聞いてみた。

「そうですね、もちろんお仕事次第ですが、基本的には声優と名乗っております。最近は本当に色々なジャンルのお仕事をさせていただいていて。チャレンジが増えるのも嬉しいですが、何よりもお声がけいただけるのがありがたいなと。けっこう、びっくりすることも多いんですよ。

たとえば、朝ドラの『エール』のナレーション。いただいたときは『おー!』とテンション上がったんですが、『え、朝向きの声じゃない気がするけど大丈夫かな』って(笑)。それまでやっていたアニメーションと同じ声の仕事ではあるけど、また違う層の方が見てくださっていたりするので、そこから新たな広がりが生まれたり。連続ドラマも同じで。そういう変化にはとても感謝しているし、面白いことや人にもたくさん出会えて。

もともと、声の仕事だからとか、映像の仕事だからとかの線引きには興味がないんです。どちらも“芝居は芝居”、みたいな。当然、それぞれの面白さがあるんですけど、演技という根っこの部分は同じ。それは、撮る側に回っても変わらずで。クリエイティブという意味では、どれも一緒ですよね。というのも、本来は、全然頭の中がマルチタスクじゃないんです。完全にシングルタスクで、すごく不器用。だからこそ地続きに考えてる部分もある。それでもこうやって、色々なことをやらせていただけるのは本当に感謝ですね」

津田健次郎さん アップの笑顔

この取材が行われたのは、津田さんのバースデイ直後。誕生日には、気心知れた声優仲間と過ごす姿がほほえましく、話題になった。

「仲よくさせていただいているみんなには、感謝を忘れてはいかんなぁとすごく思いますね。ちゃんと接していきたいというか。誤解を生むようですが、やっぱり年を重ねるごとに“死”というものを意識するんですよ。それはネガティブな意味ではなく、その意識があるからこそ、生きることへの意識も濃くなるというか。一つひとつが大事だとより強く思えてくるし、一生懸命歩んでいこうと。人との関わりはもちろん、仕事でも。

僕の転機は25歳だったのですが、そこから四半世紀ちょっと続けてきて、あらためて立ち返っている感じがします。芝居ひとつにしても、ひと言セリフをしゃべる、歩く、立ち止まるということの奥深さというか、それがいかに難しいことなのかと。なのでまた勉強し直しているし、そこを問われている気がします。そうなってくると、ヤバい!200歳くらい生きたいなと思うんですけどね(笑)」

津田健次郎さん立ち姿

誕生日当日、SNSに「そろそろ長編映画が撮りたい」と綴っていた津田さん。
最後に、その想いを尋ねると―。

「時間がかかるんですよ僕、何事にも。本当に不器用なので、10年以上……いや、もっとかな。20年近くこういうものを撮りたいなと思っていても、いまだに形にならなくて。書いては消し、また書いてを繰り返していて。でも、一本作るのにだってものすごく時間がかかるのだから、そろそろちゃんとやらなきゃって。なのでSNSに書いて、皆さんに見てもらって。“やるしかない”と自分を追い込むための宣言ですね」 

津田健次郎さんスペシャルインタビュー《後編》へ続く
津田健次郎

津田健次郎


つだ けんじろう● 6月11日生まれ、大阪府出身。アニメや洋画の吹き替え、ナレーターなどの声優業をはじめ、映像監督や作品プロデュース、舞台やドラマでの俳優業でも活躍。NHK夜ドラ「あなたのブツが、ここに」(総合テレビ月〜木22時45分)に出演。

撮影/嶌原佑矢 ヘア&メイク/ハラタ タケヒコ〈Artsy Life〉 スタイリスト/小野知晃〈YKP〉 構成・原文/渡辺敦子 ※BAILAhomme vol.2掲載

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