林 遣都さんにインタビュー。まじめでストイックなイメージそのままに、かつてはピンと張り詰めた空気をまとっていた林さんから、この日は驚くほど力が抜けていた。穏やかな表情をたたえる、その訳とは――。
ささやかな日常の中に、優しさがあふれていた
「ここ最近の大きな変化は、日常に目を向けるようになったこと。たとえば、一人でバスケの練習をしている男の子をなにげなく眺めながら『あの子は将来、どうなるのかなあ』って想像してワクワクしたり山登り中にすれ違った人と挨拶を交わして、温かい気持ちになったり」
「苦しい雰囲気が漂う世の中だけど、ふと身近な日常に目を向ければ、穏やかさや優しさがいっぱいあふれていることに気づきました」
豪快な生き方をしなくても俳優として魅力的になれる
健康的な生活を送るようになってから心も体も調子がいい
15歳でお仕事を始めて、今年で17年。31歳になった林遣都さんの日常には、今、大きな変化が起きている。
「お酒を飲みに出かけることがほとんどなくなりましたし、基本的には早寝早起き。仕事がない日でも、9時には起きるようにしています。スーパーやジムに行くときは散歩がてら歩いたり、ジョギングをしながらセリフをぶつぶつ言ったり。あとは友人と山登りやキャンプに行ったりも。健康を意識した過ごし方をしています。30歳を機に普段の生活を変えてからは、心も体も調子がいいんです」
20代の頃は、役者仲間と積極的にお酒を飲みに行くなど、人といる時間も多かったそう。
「豪快な生き方に憧れたこともありましたし、刺激的なことを求めていたこともありました」と語るのは、それが芝居に生きると信じていたから。
「考え方が変わったきっかけは、積極的に舞台に挑戦するようになったことが大きいかもしれません。公演期間中は毎日、心も体も万全の状態でベストを尽くさなければいけないので、体が資本なんだと改めて思うようになりました」
「それに、段田安則さんや大竹しのぶさんなど、これまで共演した憧れの先輩方が、すごく普通の感覚を持って生活をされていることに驚いたんです。舞台上ではとんでもない輝きを放っているのに、楽屋では『家族がさ』とお話しをされていたり、とても自然体で。
無理に豪快な生き方をしなくても、日常の中で起こるささやかな出来事を敏感にキャッチして生きていれば、俳優としてこんなにも魅力的になれるんだなと感じるようになりました」
ドラマ「初恋の悪魔」
脚本/坂元裕二 出演/林遣都、仲野太賀、松岡茉優、柄本佑ほか
推理マニアで凶悪犯罪愛好家の鹿浜鈴之介(林遣都)は、停職処分中の刑事。総務課の馬淵悠日(仲野太賀)、生活安全課の摘木星砂(松岡茉優)、会計課の小鳥琉夏(柄本佑)という捜査権のない3人とともに、難事件の解明に乗り出すことになる。
俳優
林 遣都
はやし けんと●1990年12月6日生まれ、滋賀県出身。2007年に映画『バッテリー』で主演を務め、俳優デビュー。近年の主な出演作はドラマ「姉ちゃんの恋人」「ドラゴン桜」「愛しい噓〜優しい闇〜」、映画『私をくいとめて』『犬部!』『恋する寄生虫』、舞台『フェードル』『友達』『セールスマンの死』など
シャツ¥63800/アクネ ストゥディオズ アオヤマ(アクネ ストゥディオズ) ニット¥15400/ユハ パンツ¥52800/レインメーカー シューズ/スタイリスト私物
ニット¥46200/エンケル(ヨーク) パンツ¥275 00(ラッピンノット)・シューズ¥10450(オポジット オブ ブルガリティ)/HEMT PR リング¥308 00/ギャラリー・オブ・オーセンティック(エンド) その他/スタイリスト私物
撮影/峠 雄三 ヘア&メイク/主代美樹 スタイリスト/菊池陽之介 取材・原文/松山 梢 ※BAILAhomme vol.2掲載
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