心を揺さぶるつややかな低い声や、映像の仕事で見せるダンディなたたずまい。声優、俳優、映像監督。軽やかに様々な役割のスラッシュを越えているように思える彼の、不器用で真摯な狭間の姿。津田健次郎さんのインタビュー前後編の後編です。
「様々なお仕事をさせていただいていますが、ホームというか落ち着くという意味では、やはりアニメーションの現場は長くやっているので落ち着きますし、原点である演劇もホームですね。
稽古が好きなので、稽古場で色々と芝居を試す時間があったりするとすごく楽しいなと実感します。昨年のドラマ「最愛」では、これまでレギュラーで連ドラの現場に入ることがほぼなかったので、とにかく一生懸命やることに努めてましたけど、回を重ねるごとに演者やスタッフさんとの距離が近づいていき、新しい世界が開けていった。
世の中にこんなに面白い人がいるんだという出会いが増えるのも素敵なことだなぁと、新しい現場のたびに実感しますね」
津田さんに8つの質問
Q 何を着て寝る派?
A スウェットとTシャツです。
……夢がなくてすみません(笑)。ボトムはグレーが多いかな。
Q 最後の晩餐で食べたい、好きな食べ物は?
A 意外に思われるかもですが、ナシゴレン。
小さい頃にジャカルタに住んでいたということもあって、やっぱり好きなんですよね。
Q お風呂でどこから洗う?
A 頭です。
ザーッと汚れを下にドンドン落としていくスタイルです。
Q 朝、起きていちばんにすることは?
A 即、お風呂に入ります。
朝も夜も湯船に入りたいんですよね。30分くらいつかっちゃう。出かけるまでに時間のかかる、不便な人間なんです(笑)。
Q 無人島にひとつ持っていくなら?
A iPadはダメですもんね(笑)。紙と鉛筆かな、大量の。
何を綴るかですか? なんだろう……何を書きたくなるか、興味ありますね。嫌になって、持ってきたもののそのまま置いておいちゃうかもしれないけど……でも、何か書きたくなる気がするんですよね。
Q 自分を色にたとえるなら?
A 願望は、銀色なんですよ。
特殊な色でいられたら面白いなと。ピカピカ光っていて、でも金色だとちょっとブルジョワすぎるかなって。だから、銀色がほどよい気がして。でも、何色だろう……自分ではあまりわからないですね。青も好きなんで、青色だったらそれはそれで素敵だなと思うんですけど……この質問ちょっと恥ずかしいですね、そういう色だと思ってるんだって(笑)。
Q 犬派?猫派?犬でも猫でもない派?
A 犬も可愛いけど、基本的には猫派です(即答)。
中でも長毛種が好きですね。なのに、猫アレルギーなんです。昔、飼っていたこともあって、そのときは全然平気だったんだけどなぁ。
Q ジンクスは、ある?
A 「迂闊に喜ばない」
たとえば、素敵な作品が決まって喜んで、でもポシャっちゃったりするとガッカリ度が半端じゃない。だから、オンエアされるところまで油断しない。お客さまに見ていただくところまで喜ばんぞと。実は、心の中ではすごくニコニコしてるんですけど(笑)。むちゃくちゃ嬉しいんですけど、でも安易に喜んじゃうとちょっと油断が入る気がして。油断が入っていいことって、何もない。嬉しいからこそ、気を引き締めます。
津田健次郎
つだ けんじろう● 6月11日生まれ、大阪府出身。アニメや洋画の吹き替え、ナレーターなどの声優業をはじめ、映像監督や作品プロデュース、舞台やドラマでの俳優業でも活躍。NHK夜ドラ「あなたのブツが、ここに」(総合テレビ月〜木22時45分)に出演。
撮影/嶌原佑矢 ヘア&メイク/ハラタ タケヒコ〈Artsy Life〉 スタイリスト/小野知晃〈YKP〉 構成・原文/渡辺敦子 ※BAILAhomme vol.2掲載
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