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【解りやすい男 #長谷川博己】こだわりや欲を手放すことで手に入れた、心地いい自分のリズム【BAILAhomme3掲載】

これまで演じてきた幅広いキャラクターの印象か、醸し出す完璧なイメージの影響か。簡単に素顔を垣間見ることは不可能そうに思えるのに本人は意外にも「解りやすい」と表現する。つかみどころのない男の多面的な顔に迫った。

長谷川博己 4

「お前はピュアなやつだ」と言われたことがあります。自分ではピンとこないけど、作品によっては確かにそういう感情の時期もある。いろんなターンがあるのは俳優の宿命かもしれません。

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必要な噓はもちろん、必要じゃない噓だってときにつくことはあります。お芝居だって噓といえば噓。噓をつくことは理性があるということ。人の噓も…けっこう見破ってしまうタイプかもしれません。

長谷川博己 2

こだわりや欲を手放すことで手に入れた、心地いい自分のリズム

長谷川博己 3

常に冷静沈着で、落ち着いた大人のイメージがあるけれど、「30代の頃はエネルギーがすごくあったから、周囲とぶつかることもあった」とか。

「多少ぶつかったほうがわかり合える場合もあるけれど、そればかりだと疲れますから(笑)。いろんな失敗を経験したことで『衝突しそうだな』という感覚が研ぎ澄まされて、うまくかわせるようになった気がします」

さらに意外なことに、「昔はすごく欲深かった」とも振り返る。

「映画を観るたびに、『こういうものがやりたい』と常に思っていたんです。でも不思議なもので、『欲しい、欲しい』と思っているときには来ないんですよね。でも欲を手放したときに突然オファーが来たりもする」

そうやって強いこだわりから解放されたことで、嬉しいサプライズも。

「自分が想像している自分の姿と、誰かがイメージしてくれる自分の姿にはギャップがあるじゃないですか。俳優をしていると特にそう。『なんで僕にこの役を配役してくれたんだろう。普通は来ないよな』と思うこともあるんです。昔は食わず嫌い的な感じで避けていたけれど、好奇心を持って飛び込んでみたら『けっこう面白いな』という発見があったりもして。やっぱり他者があっての自分ですから。人が期待してくれることに身をゆだねるのも、今は面白いなと感じています」

過去には俳優としての自分を厳しく評価することもあったけれど、「最近はしないなあ……」と笑う。

「全力で取り組んだ結果に関しては『これはこれで、いいんじゃない』と受け止めています。ちょっとずつ肩の力が抜けてきた気がするし、年齢を重ねるって、そういうことなのかもしれません」

長谷川博己

長谷川博己


はせがわ ひろき●1977年3月7日生まれ、東京都出身。近年の主な出演作は、連続テレビ小説「まんぷく」、大河ドラマ「麒麟がくる」、ドラマ「夏目漱石の妻」「小さな巨人」、映画『シン・ゴジラ』『散歩する侵略者』『半世界』『サムライマラソン』『はい、泳げません』など話題作多数。

©2023「リボルバー・リリー」 フィルムパートナーズ

©2023「リボルバー・リリー」 フィルムパートナーズ

映画『リボルバー・リリー』
8月11日(金)より全国公開 配給/東映
出演/綾瀬はるか、長谷川博己、羽村仁成、ジェシー、野村萬斎、豊川悦司ほか
時は大正13年。屋敷を襲われた少年・細見慎太(羽村仁成)と出会った小曾根百合(綾瀬はるか)は、元海軍の弁護士・岩見良明(長谷川博己)の助けを得ながら、強大な陰謀に立ち向かう。

撮影/赤尾昌則〈whiteSTOUT〉 ヘア&メイク/須賀元子 スタイリスト/白山春久 取材・原文/松山 梢 ※BAILAhomme vol.3掲載

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