エンタメはむしろ休日よりも平日に摂取すべき!? 仕事がある日、しっかり働きつつもエンタメを楽しみ、潤いと活力に変えている女性たちに突撃取材。仕事&エンタメの両立の仕方も聞きました。
【ご自愛エンタメ】宝塚
「私にとって、宝塚はマインドフルネスなんです!」
日本テレビアナウンサー
中島芽生さん
1990年4月、大阪府生まれ。宝塚音楽学校を4度受験し落ち、アナウンサーの道へ。現在は「news zero」等、様々な番組で活躍中。
オンエア後に半休を取り東京宝塚劇場へ!
幼い頃に宝塚に魅了され、宝塚音楽学校も受験したという中島さんの平日ご自愛エンタメはもちろん宝塚。
「宝塚のいちばんのご自愛ポイントは、没入感です。歌って踊れてお芝居も上手なスターたち。衣装も豪華で、キラキラした世界観。公演は3時間ほどありますが、そのきらびやかさに惹きつけられ、ずっと集中して楽しめる。よく、マインドフルネスで“今ここ”に集中する……といわれますが、宝塚はほかのことをまったく考えず“今ここ”の世界に没頭できます。私にとって、宝塚はマインドフルネスでもあるんです」
アナウンサーという忙しい仕事ながら、平日も観劇するという中島さん。
「番組の生放送のあとにも行きますよ! 朝のオンエアのあと半休を取り、劇場に行くことが多いです。平日に観劇をすると、ほかの日に“その分頑張らなきゃ!”と集中でき、メリハリが生まれるのもいいですね。劇場に行かない日も仕事前にDVDで好きなシーンだけ観て力をもらったり、励まされる楽曲を聴いたり、宝塚とともに生きています」
\宝塚受験をした当時の受験票/
自ら企画書を書き、宝塚の番組を立ち上げた
宝塚愛によって、ほかにも仕事へのいい影響がたくさんあるそう。
「宝塚には『男役10年』という言葉があって、10年頑張らないとモノにならないといわれています。新人の頃、“私もまずは10年頑張ろう”と決め、その言葉に支えられてきました。そんな私ももう入社11年目。声が響くようになってきたなと感じることもあります。まさに“アナウンサー10年”。仕事がどんどん楽しくなってきています」
さらに、今は「アプレジェンヌ」という宝塚OGの番組も担当中。
「実はこの番組、先輩の安藤翔さんと私が立ち上げたものなんです。宝塚のよさを皆さんにお伝えしたくて、自ら企画書を出し、実現させました。そのときに感じたんです。“好き”って強いな、と。好きなことは、武器になる。自分の仕事に直接は関係なくても、大きな力になって、ときには新しい仕事を創り出してくれる。平日も、休日も。劇場でも、家でも。宝塚は、私にパワーをくれる特別なエンタメです」
\宝塚風の衣装で 「アプレジェンヌ」の撮影/
\自ら企画を売り込み番組が実現/
「アプレジェンヌ 〜日テレ大劇場へようこそ〜」
CSチャンネル「日テレNEWS24」で放送、Huluでは別バージョンを配信中
宝塚退団後の元タカラジェンヌの現役時代〜今の生き方・キャリアに迫る番組。同じく宝塚ファンの安藤翔さんも出演。
中島芽生さんのスケジュール
6:30 起床して準備
好きな公演の音楽を聴きながら出社
9:00前「DayDay.」ナレーションへ
(オンエア直前に南海キャンディーズの山里亮太さんと宝塚トークをすることも…)
9:00 オンエア
11:00 「DayDay.」終了。半休を取り観劇へ
13:30 観劇スタート
16:30 観劇終了
帰宅後自宅で観劇メモを書いたりパンフレットや録画していた舞台裏の番組を見たりしながら余韻に浸る
【ご自愛エンタメ】女性アイドル
「アイドルと同じペースの年間スケジュールで働きます」
劇団雌猫
ユッケさん
平成元年生まれのオタクサークル「劇団雌猫」に所属。オタクのお金の使い方や推し活についての書籍『浪費図鑑-悪友たちのないしょ話-』(小学館)など編著書多数。
アイドル「BEYOOOOONDS」推し。CDのリリースタイミングでの稼働が多いため、リリースがあるときには余裕のあるスケジュールにし、ない時期に力いっぱい働く。年間で見るとアイドルと同じ進行で動いています(笑)。ちなみに私は家でゆっくりする日だけが「休み」扱い。推し活は癒しですが休息ではありません。土日に家にいられるので、平日にエンタメ摂取するほうが、30代の体には優しい気がします。推し活を始めたい人の中には「この程度の熱量でも大丈夫かな」と心配になる人もいるようですが、気にしなくてよし! ガチにはガチの、ライト層にはライト層の推し方がある。自分のペースで楽しんでこそ、ご自愛エンタメだと思います。
ハロプロは昔から推している心の元気の源!
【ご自愛エンタメ】男性アイドル
「ワーカホリックぎみだった私が自分の時間を大切にできるように」
会社員
大森奈津子さん(31歳)
私はもともと超仕事人間。休日でも仕事メールに対応し、有休の希望は出したことすらない。そんな私を変えてくれたのが、人生初の推し、「Snow Man」の目黒くんです。おかげで私のワークライフバランスは激変。ライブが3日間行われるとしたら、どの日に当選してもいいようにすべての日を有休申請したり、疲れている日は定時に帰り「Snow Man」ブースのあるCDショップを巡ったり。私が自分の時間をとれるようになったのは目黒くんと出会えたおかげです!
仕事帰りに目黒くんに会いに行きました
【ご自愛エンタメ】映画
「なにげない仕事の日々に映画を追加して充実感を補充!」
会社員
森下彩加さん(28歳)
映画は社会人に優しい平日エンタメ。遅い時間の上映もあるので、定時で帰れなくともふらっと立ち寄れる。私は週2で仕事後に映画館へ行っています。好きな映画は何十回も観ることがあり、『THE FIRST SLAM DUNK』は37回行きました(笑)。気軽に行けるからこそ出せた数字です。あと、仕事で「私、今日何もやってない気がするな……」と思ってしまった日には、刺激が強そうな映画を観に行くことが多いです。映画館に行くと「映画体験」できるのがいい。大きなスクリーン、大きな音、ときには座席が動いたり。そんな体験をして帰路につくと、刺激がなかった日でも「今日も充実してた!」と思えるのがいいところですね。
SLAM DUNK37回分のグッズたち…
【ご自愛エンタメ】ライブ鑑賞
「よく働いたあとの良音×アルコールは格別です」
PR
長谷川直美さん(39歳)
学生時代から音楽が好きで、今でも月数回はライブへ。特にお酒と食事を楽しみながらライブ鑑賞できる「BLUE NOTE TOKYO」や「Billboard-Live」には平日の夜にもよく行っています。スタートが20時くらいのステージがあるので、仕事帰りに寄りやすいんです。雰囲気がある場所なので、おめかししたい気分になれるのも嬉しい。いつもよりしっかりメイクして、おめかしモードの服を着て、食事をしながら上質な生音を聴くと、癒される。私の心の栄養補給です。
Col Pierrotのジレでかまえすぎないきちんとコーデを
【ご自愛エンタメ】野球
「試合の途中でふらっと立ち寄っても楽しめる野球は仕事後エンタメ向き!」
スーパーバイラーズ
渡邊りりあさん(美容関係・32歳)
プロ野球が好きすぎて、大学時代はビールの売り子をしていました。今の職場は球場の近くなので、世界大会や優勝を懸けた大切な試合のときは、事前に会社のカレンダーに「野球」と入れて同僚に知らせておき、開始に間に合うよう仕事に追い込みをかけることもありますが、基本はふらっと立ち寄る感じ。仕事で疲れた日に、巨人戦をやっていたら、試合の途中でも寄る。
\幼い頃から高橋由伸さんのファンです!/
ビールを飲みながら大声で応援してストレス発散して帰ります。途中入場でも全然OKで楽しめるし、野球は平日エンタメにぴったりです!
【ご自愛エンタメ】ゲーム実況
「ベッドで横になりながらリアタイして心も体も休まる最高のエンタメ」
SE
岡﨑美月さん(29歳)
ゲーム配信、特に人狼ゲームの配信が好きで、配信がある日は間に合うよう仕事を終わらせます。私の会社は、小さな会議くらいなら社内のカレンダーアプリでメンバー全員の予定があいている時間に勝手にスケジュールを移動させてリスケでき、調整を頑張らなくていいのもありがたいです。リアルイベントも平日しか当選しなかったので有休で行きました。平日エンタメのおかげで休む理由ができることも嬉しい(笑)。何もない日に休みを取るのはなかなか難しいので、平日エンタメで休みや定時終わりを増やすことで体も休まっています。まさにご自愛ですね。
仕事帰りにポップアップストアで購入したグッズ
【ご自愛エンタメ】相撲
「取組を観る日は朝から両国でリモート。相撲に浸りながら働いています」
ライター
吉野 舞さん(28歳)
平日に相撲を観に行くのは一場所につき1〜2回程度。朝から晩まで両国国技館付近にいて、仕事をしつつ相撲を楽しんでいます。両国は普通に力士が歩いていたりして、街ごと相撲な最高の街。相撲の雰囲気に浸りながら仕事をすると、はかどります。まず国技館の地下大広間に行ってちゃんこを食べ、カフェで仕事。そして16時頃から幕内という強い力士の取組を観に国技館へ。18時まで観戦し、帰宅します。相撲の世界ってロックなんですよ。"待ったなし"の世界で、一瞬で勝ち負けが決まる。そんな取組を観ていると「私も"待ったなし"で駆け抜けるぞ!」と力をもらえるんです。
行くたびにちがう味を楽しめるちゃんこ鍋
【ご自愛エンタメ】ダンス&ヴォーカルグループ
「ライブの日は会社で着替えた瞬間から非日常感でワクワク」
スーパーバイラーズ
阿部里菜さん(弁護士事務所勤務・32歳)
オーディション時代から推している「三代目 J SOUL BROTHERS」の今市隆二さん。彼は社会人経験を経て、オーディションを受けて夢をかなえた人なんです。今市さんの「必ず夢をかなえてください」という言葉に、日々支えられて働いています。ライブがある時期は月2回は平日エンタメDay。私は「推しのライブがあるので◯日は早めに帰ります!」と公言します。その日の定時に上がるべく、仕事のスピードもやる気も上がります(笑)。ライブの日には着替えを持って会社に行き、トイレで着替えてから行くんです。会社から非日常が始まって、刺激的で楽しいですよ。
会社に持って行くライブ用持ち物
【ご自愛エンタメ】漫画・アニメ
「作品とコラボしているお店に寄り道。"小さな平日エンタメ"で潤う日々」
事務
酒井麻由さん(29歳)
今ハマっている『呪術廻戦』。展覧会などの大イベントはもちろん、企業コラボのような「小さな平日エンタメ」になるものも多く、週2ペースで楽しんでいます。コンビニでコラボ商品を買ってから出社したり、退勤後にコラボしている飲食店に寄って写真を撮ったり。仕事帰りにちょっと寄り道し、「今日は仕事も遊びもできた!」と満足して眠ります。会社の自販機にコラボ商品が入ったときなんて、「勤務中エンタメ」でしたね。「ちょっと買ってきます」と自販機に行き、仕事中に潤いをもらっていました(笑)。
コラボ商品は仕事前や帰りに欠かさずチェック!
【ご自愛エンタメ】若手俳優
「イベントに行けなくても納得できる好きな仕事に転職!」
会社員
山本 愛さん(34歳)
観劇が趣味で、特に若手俳優さんを応援し、成長していく姿を見るのが好きです。行きすぎたオタクなので基本全公演行くため、開場5分前まで劇場近くのホテルでリモート勤務、そのあと観劇するというメリハリがありすぎる生活をしています(笑)。実は私、前の職場では仕事のせいで観劇できなくなるとストレスになっていたんです。なので、「仕事で舞台に行けない日があっても不満に思わないくらい楽しい仕事をしよう」と決めて転職しました。おかげで、今は仕事も大充実。やりがいのある仕事を見つけられたのは平日エンタメのおかげだと思います。
観劇が多いときはスケジュールをエクセルで管理
平日エンタメ、どうやって楽しんでる?【異種エンタメ座談会】
“好き”をチャージしたら、仕事ももっと頑張れる! 平日ご自愛エンタメのすすめ。今回は、全力本気で「平日エンタメ」を謳歌している3名を召喚! あるあるや日々のハリについて話してもらったら、大盛り上がり!
「野球」好きな
渡邊さん
退社から10分で東京ドームの座席に座れるという、ドーム付近の会社に勤務。お気に入りの席は全体を見渡せる2階席。
「若手俳優」好きな
山本さん
推しの若手俳優を追いかけて2.5次元から小劇場まで様々な作品を観劇。推しのおかげで仕事の効率が爆上がりしている。
「宝塚」好きな
もぐもぐさん
熱い趣味を持ちながら働く女性4人組サークル「劇団雌猫」メンバー。宝塚には平日も休日も、日帰り遠征にも行くそう。
平日エンタメをしていると仕事効率まで上がる!
もぐもぐ 私の好きなエンタメは宝塚なんですけど、18時からの公演なので、何があっても仕事を絶対に定時に終わらせて行く……という感じなんですが、 皆さんはどうですか?
山本 私もです。絶対定時退社!の気迫が体から出てる(笑)。
渡邊 仕事後に予定があると、効率がめちゃくちゃ上がりません?
山本 気迫が出てゾーンに入る。タイピングが速くなり、難しいメールでもその日は文章が即出てくる。会社の人も趣味のことをわかってくれてるから、その様子を見て「今日は何かあるんだな、仕事を振るのは明日にしておこう」と思ってくれるみたいです。
もぐもぐ それありがたい!私は「今日、仕事帰りに宝塚行くんですよ。楽しみ〜」って朝にお知らせして夕方に仕事を振られないように牽制します(笑)。……それでもけっこうギリギリになりがちだから、劇場までの最短ルートを覚えてしまった。電車の何号車のどの扉から出るのが早いか、というレベルまで。
渡邊 何号車かって大事ですよね。私も完璧に道を把握していて、目をつぶっても東京ドームの席まで行けます!
山本 そういう日常の細かい効率のよさも仕事に役立つ気がします。
渡邊 エンタメ当日よりも、むしろチケット取る日のほうが調整が大事だったりしませんか? あらかじめログインして、発売時間まで待機して……。
山本 わかります。私が取るチケットやグッズには14時発売のものがあって……。その時間にトイレに行けるかが勝負。一瞬だからデスクでやってもいいけど、もし同僚に話を振られたら返事を優先しなきゃいけない。怖い。
もぐもぐ それならばトイレで、集中して取りたいと。宝塚のチケットは抽選なのでそんなに時間とは戦わなくていいかも。ただ、申し込み数が多いからポチポチ押しまくり。
山本 私も公演数が多いときはエクセルで管理していて、仕事で使えるスキルがここでもアップ(笑)。でも、いろんなプレイガイドから発売されると管理が大変そう……。
もぐもぐ そうなんですよ。仕事よりもしっかり管理してるかも。仕事は忘れてたら誰かが教えてくれるけど、チケットは教えてくれないから!
渡邊 確かに(笑)。
もぐもぐ あと、平日エンタメは同僚を誘いやすいのもいいところかも。宝塚に興味がある人がいたら「◯日の仕事帰りに行きませんか?」って誘える。たまにやってます、布教活動。
山本 そのあとに食事をして仲よくなり、仕事も推し活もやりやすくなる。
渡邊 そして心が満足し、単純に体も疲れているのでぐっすり眠れるって流れですよね。一人で平日エンタメしたあともそう。仕事で嫌なことがあっても、好きなものを観れば上書きされるから。
もぐもぐ 落ち込んでることなんかどうでもよくなってきますよね。
山本 何もない日だと仕事の失敗を寝る前にモヤモヤ考えてしまうけど、エンタメしてれば「楽しかった!」で眠れる。でも渡邊さんは? 好きなチームが負けるとモヤモヤします?
渡邊 いや、「采配はあれでよかったのか?」とか謎の監督目線で考えながら寝るので、それはそれで楽しい(笑)。
もぐもぐ 平日エンタメしてると回復が早いですよね。そう考えると、休日より仕事帰りに趣味を楽しむほうがQOLがより上がるのかも。「仕事も遊びも楽しんだ!」ってプラス1個刺激が増えて、一日の充実感が増しますもんね。
定時前には周りを気迫で圧倒し仕事に集中
行きたいエンタメの開演時間に間に合わせるため、定時退社に命を懸ける。周りを寄せつけない勢いで仕事をするそう
「今日楽しみなんですよね」で牽制する!
もちろん言葉どおりの意味だけど、「定時ギリギリに仕事を投げないでね」という意味も込めて、定時後楽しみアピール
「何号車の何番目の扉」まで最短距離を熟知
会社から劇場や球場に行きすぎて、最短ルートをかなり細かいところまで把握しているのが平日ご自愛エンタメのプロ!?
チケット争奪戦の時間はトイレで勝負!
平日昼に発売開始になるチケットは先着順になるものも多い。手続き自体は5分程度で終わるため、トイレにこもってアクセス
気軽に同僚を誘えて仲を深められる
自分の趣味に興味がある人を見つけたら、布教がてら定時後のイベントにお誘い。休日呼び出すよりハードルも低いはず
仕事のつらさをエンタメで上書きしてぐっすり安眠
悲しいことやつらいことがあっても、仕事後にエンタメがあれば大丈夫!寝る前に思い出すのは、楽しかった時間だけ
ユッケさん、もぐもぐさんの所属する劇団雌猫の新刊が出ます!
『推し色に染まる #推し活メイク』
劇団雌猫・paku☆chan 監修インプレスブックス ¥2090
推しのカラーをまとい、推しの世界観を表現する。イベントで汗をかいてもくずれない。そんな"推し活"特化のメイク本。10月5日発売。
撮影/藤澤由加 取材・原文/東 美希 ※BAILA2023年11月号掲載