アメリカ最大級の音楽フェスティバル「コーチェラ」に出演が決まっている、5人組ガールズグループ・LE SSERAFIM(ル セラフィム)が、2月19日に、3rd Mini ALBUM 'EASY'をリリースしました。
同日に開催されたメディアショーケースで、メンバーが語った制作秘話や、今回の活動の意気込みをたっぷりとお届けします。

(写真左から)HUH YUNJIN、KIM CHAEWON、KAZUHA、SAKURA、HONG EUNCHAE/℗&©SOURCE MUSIC
3rd Mini ALBUM 'EASY'で初めて語る“不安”や“悩み”
2022年のデビュー時から、世の中からの視線に動揺せず(1st Mini Album 'FEARLESS’)、試練の前でも力強く(2nd Mini Album 'ANTIFRAGILE')、他人の許しは必要ないほど(1st Studio Album 'UNFORGIVEN')に堂々とした姿勢を世の中に示し続けてきたLE SSERAFIM。そんな5人が、9カ月ぶりにリリースした3rd Mini ALBUM 'EASY'で表現したことを教えてくれました。
KIM CHAEWON(キム チェウォン)「今回のアルバムは、LE SSERAFIMの堂々した姿の裏側にある、不安や悩みについて率直に語っています。計5曲が収録されていて、トラップやオールドスクールヒップホップなど、異色なジャンルに挑戦しました。そして、今回のアルバムを通して、私たちの(コンセプト)消化力には限界がないんだと思っていただけるように準備していますので、ぜひご期待ください」

KIM CHAEWON/℗&©SOURCE MUSIC
KAZUHA(カズハ)「私たちの経験に基づいた物語を盛り込んでいます。これまでは、堂々と強い姿をみなさんにお見せしてきましたが、実は見えないところでたくさん努力して悩んでいること、LE SSERAFIMの血汗涙を表現しています」
SAKURA(サクラ)「デビューして間もない頃は、『一生懸命に頑張る』という気持ちだけでした。しかし、活動を続けるうちに、みなさんから本当にたくさんの愛をいただき、次のアルバムがまた愛していただけるかどうかの不安や、新しい姿を見せなければというプレッシャーを感じるようになりました。LE SSERAFIMは、自分たちの物語を音楽に盛り込むグループです。だからこそ、このような生の感情をお見せすることがかえってカッコいいかなと思いました」

SAKURA/℗&©SOURCE MUSIC
世界中で話題を呼んだトレイラー映像「Good Bones」の見どころ
ショーケースでは、アルバムのリリースに先駆けて公開されたトレーラー映像「Good Bones」が世界中で話題となったことにも言及。撮影裏話が明かされました。
HUH YUNJIN(ホ ユンジン)「映画のようなクオリティのトレーラーができてとても満足しています。これまでの作品にもあったように、今回のトレーラーにも素敵なウォーキングシーンが入っていて、とても気に入っています。今回は、道ですれ違ったら『あの人何?』とびっくりするほど強烈な歩き方を表現したいと思いながら撮影したのですが、楽しかったです」
SAKURA 「鼻血を流す演技をしましたが、はじめて企画案を見た時に、『アイドルなのに鼻血が出ていて大丈夫かな?』と思いました。撮影の時も、鼻血を流すタイミングを合わせるのが難しくて、このカットの撮影だけで1時間くらいかかりました。でも、今回のアルバムのメッセージととても似合うと思いますので、本当に没頭して撮影しました」

HUH YUNJIN/℗&©SOURCE MUSIC
タイトル曲「EASY」の楽曲や振り付けのポイントを解説
「EASY」のステージを披露。しなやかで緩急のあるダンスに報道陣も釘づけに。

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KIM CHAEWON「タイトル曲『EASY』は、“何ひとつ簡単ではないけれど、私たちがすべてを簡単にしてみせてあげる”というLE SSERAFIMの覚悟を込めています。トラップジャンルをベースにした、R&Bスタイルのボーカルやメロディが魅力です。私はワンフレーズを聴いた瞬間に、『今回の曲、やばい!』と思ったくらいとても気に入っています」
KAZUHA「『EASY』を初めて聴いた時、すごくヒップだと思いました。これまで発売したタイトル曲は、どの曲も中毒性がありましたが、今回のタイトル曲も、私自身、知らぬ間に口ずさんでしまうようなほのかな中毒性があります」
HUH YUNJIN「昨年、単独ツアーを開催している最中に、『EASY』を初めて聴いたのですが、その瞬間からこの曲が気に入りました。シャワーを浴びる時、車で移動する時もずっと聴いていました。そして、個人的には、この曲で『Billboard Hot 100™』を狙いたいです!」

℗&©SOURCE MUSIC
SAKURA「振り付けを見た時に、『LE SSERAFIMのダンスにしては簡単だな』と感じるかもしれませんが、決して簡単ではありません。今までの振り付けの中で、いちばん難しかったと思います。タイトル曲の中で、〈簡単じゃないなら私が簡単に easy〉という歌詞がありますが、今回のパフォーマンスは、その歌詞をちゃんと表現していると思います。簡単に見えるように一生懸命に準備しました」
KAZUHA「オールドスクールやヒップホップジャンルの曲の振り付けは、グルーヴや表現力が重要。ヒップで、余裕のある魅力を感じていただけるように努力しました」
HONG EUNCHAE(ホン ウンチェ)「これまでの曲は、ダンスをパワフルにみせてくれる曲調でしたが、今回の曲は優しい雰囲気なので、ダンスをパワフルに見せるためには、すべての力を出し切って踊らなければなりませんでした。今までの振り付けの中でいちばん大変だったと自信を持って言えます」

KAZUHA/℗&©SOURCE MUSIC
LAで撮影! タイトル曲「EASY」のMV撮影秘話
Doja Cat、The Weekndなど、海外の有名アーティストらと制作を共にしてきたディレクター兼振付師のNina McNeely(ニナ・マクニーリー) が担当したMVの見どころは……。
KIM CHAEWON「アメリカのロサンゼルスにて、オールロケで撮影しました。海外の監督とのコラボは初めてでしたが、撮影やアングルなど、すべてが新鮮でした。監督はリアクションもよく、撮影中はずっと楽しい雰囲気でした。また、監督自身がダンスや振り付けもされる方なので、ダンスに対する理解も深くて、パフォーマンスが映像にうまく映って満足しています」
HONG EUNCHAE「YUNJINさんと一緒のシーンがありました。これまでだったらすぐに笑ってしまってNGになっていたと思うけど、今回は没頭して撮影することができて、自分たちの成長を感じました」

HONG EUNCHAE/℗&©SOURCE MUSIC
HONG EUNCHAE「氷のお姫様のように」。アルバムのレコーディング裏話を公開!
HONG EUNCHAE「レコーディングの時に、プロデューサーさんから、『氷のお姫様のように』や『機嫌が悪い人のように歌ってほしい』とディレクションを受けたことが印象に残っています。私はもともと明るい性格なので、プロデューサーさんに『氷のお姫様とはどういう人ですか?』と聞きながら、一生懸命レコーディングをした記憶があります」
HUH YUNJIN「私も、『本当に寒くて凍えるような感じ。シニカルに歌って』という面白いディレクティングを受けました」
SAKURA「今作のレコーディングがほぼ終わっている段階で、バン・シヒョク総括プロデューサーから『今回のアルバムは、ボーカルがちゃんと出なければならない。レコーディングにもっと時間がかかります。申し訳ありません』と言われたんです。その話を聞いてからまた欲が出てきて、再録音や、初めてラップのレッスンを受けたりして、本当に一生懸命レコーディングに臨みました。本当に神経を使ったアルバムです」
アルバム収録曲「Swan Song」の優雅なステージを披露!
ショーケース中盤では、KIM CHAEWON、SAKURA、HUH YUNJIN、KAZUHAが作詞に参加した収録曲「Swan Song」のパフォーマンスを披露しました。

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HUH YUNJIN「この曲は、優雅ですべてを簡単に手に入れたように見えるけれど、実は見えないところで汗水を流して努力していること書いた曲です」
KAZUHA「タイトル曲同様に、この曲の振り付けもオールドスクールヒップホップをベースに作られました。パフォーマンスの随所にモダンダンスを取り入れているので、それを探すのも楽しいと思います」

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コーチェラ出演。意気込みを語った質疑応答タイムをプレイバック!
報道陣からの質問タイムでは、LE SSERAFIMが真摯に語ったカムバックや、4月に開催される米国最大級の音楽フェス「コーチェラ」への出演を控えた今の心境を教えてくれました。一部抜粋してお届けします。
Q.「ANTIFRAGILE」のマッスルキャットダンス、「UNFORGIVEN」のヴィランウサギダンスなど、さまざまなポイントダンスも魅力のひとつですが、今回の楽曲でファンに注目してほしい振り付けは?
KAZUHA「タイトル曲『EASY』のサビの振り付けに注目していただきたいです。この曲ではグルーヴが重要な要素ですが、特にサビの部分では音の感じを生かす必要があったため、本当にたくさん練習を重ねました。パフォーマンスはメンバー一人一人が見どころ満載なので、だれ一人として見逃さずにチェックしてください」
Q.これまでとはまったく違った雰囲気でカムバックされました。この“変身”をどう捉えていますか? また、新しいスタイルの音楽に接した時に、聴きなれないと感じましたか?
KIM CHAEWON「『EASY』を聴いた時に、聴きなれないなとか、この曲はLE SSERAFIMの“新しい変身だ”とは思いませんでした。自分たちが語りたいストーリーをそのまま音楽に盛り込むことがLE SSERAFIMの特徴だと考えているので、私たちに似合っている曲を探したら、それが『EASY』だったということです」
SAKURA「LE SSERAFIMの特徴のひとつが、“殺気”だと思います。『EASY』の歌詞を読むと、殺気があふれています。その点に、私は今回も“LE SSERAFIMらしさ”を感じました」

KIM CHAEWON/℗&©SOURCE MUSIC

SAKURA/℗&©SOURCE MUSIC
Q.生まれる以前のジャンルの音楽に挑戦することにプレッシャーは感じなかった?
HONG EUNCHAE「生まれる前に流行っていたジャンルなので、聴きなれているといったら嘘になる。なじみがなくて練習も苦労したけれど、これを成し遂げたら成長できるなと思って一生懸命に準備しました」
Q.アルバムのキーメッセージは、“不安”や“悩み”。みなさんにとって大きな悩みや不安は何で、それをどう克服しましたか。
HUH YUNJIN「LE SSERAFIMはこれまで、堂々とした姿をみなさんにお見せしてきました。私は考え込むタイプで、どのような話をみなさんにすべきか悩んでいた。人には二面性があり、堂々としているだけでなく、悩みを抱える私もまた私だと思っています。その感情を音楽的に解釈し、今作で表現できたことがうれしかったです。今回、自分の率直な姿をみなさんに見せることで、内面の悩みを克服できました」
SAKURA「『Perfect Night』で、みなさんに想像以上に愛していただいて、『EASY』の準備をしていた時に、次のアルバムをもっと愛していただけるか不安でした。でも、私たちは常に努力してきた。『私たちならやれる』とポジティブに考えることでその不安を克服しました」

HUH YUNJIN/℗&©SOURCE MUSIC
Q.LE SSERAFIMでの日々を振り返って、ご自身の好きなところを教えてください。
HUH YUNJIN「私はデビュー前もデビュー後も、本当に一生懸命頑張って見えないところで努力する自分が誇らしいと思います。ステージに立って、練習が実を結んだと感じたときにやりがいを感じます。今回のカムバックの準備をしながらも練習に力を入れたのですが、『EASY』は体力的に非常に大変で、毎日3kmずつ走っていました」
KIM CHAEWON「昨年、カムバックと年末の授賞式を並行して準備している時に、自分を誇らしいと感じました。時間がない中でも、完成度の高い舞台をお見せすることができてやりがいを感じました」
Q.前作が大成功を収めて、今作も期待が寄せられています。みなさんと同時期に、大スターもカムバックを控えていて、激しい競争が予想されますが意気込みを教えてください。
KAZUHA「今回、素晴らしい先輩たちと同時期に活動することにワクワクしているし、学べる部分があると思うので、これからの活動が本当に楽しみです。私たちにとっていちばん大事なことは、最善を尽くして準備したことをファンのみなさんにお見せすること。私たちが、伝えたい物語やエネルギーをみなさんに伝えられたらそれだけで幸せです」

KAZUHA/℗&©SOURCE MUSIC
Q.米国最大級の音楽フェス「コーチェラ」を控えた今の気持ちは? また、「コーチェラ」出演後の目標は?
KIM CHAEWON「BLACKPINLK先輩のコーチェラのステージを見た時に、『私たちはいつあの舞台に立てるのだろう』と夢に見ていたんです。まさか自分が思っていたより早くチャンスに恵まれて光栄ですし、実感が湧きません。チームを知っていただける機会だと思って準備しているので、どうぞご期待ください。まだステージ内容は言えないけど、しっかりと準備中です」
SAKURA「コーチェラ出演が決まったと聞いた時に、私たちのことを認めていただいたというよりも、これからの期待感で出演できる気がするので、その期待をはるかに超える舞台にしたいと思って、練習を着実に重ねています。そして個人的に、去年末の『2023 MAMA AWARDS』で東京ドームに出演したんですが、YUNJINさんのリハーサルを客席から見ていたんです。その姿を見ながら、『LE SSERAFIMとしてFEARNOT(LE SSERAFIMのファンの呼称)の前で東京ドーム公演がしたい』と思いました.」

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多彩な5曲が収録された3rd Mini ALBUM 'EASY'をチェックして!
LE SSERAFIM 3rd Mini Album ‘EASY’
(2024年2月19日リリース)
01. Good Bones
02. EASY
03. Swan Song
04. Smart
05. We got so much
取材・文/海渡理恵