可愛らしい少女、ミステリアスな女性、頼もしい少年……など多くのキャラクターの声を演じ、今大注目の実力派声優・種﨑さん。バイラ世代でもある彼女の、キャラクターや作品との向き合い方とは。
アーニャの声は考えすぎずに“これだ!”と思う声が出ました
TVアニメ『SPY×FAMILY』でアーニャの声を演じている種﨑さん。これまで演じてきたキャラクターは性別も年齢も異なり、表現力の幅に驚かされる。
「キャラクターの声色は、自分の中で“これかな?”としっくりくるまで声に出してみることが多いです。キャラクターの絵とセリフを何度もみながら“これではない……あ!これかも、いやこのときはこんな表情をするかも……”みたいなことを繰り返してつくっていきます」
何度も声を出すキャラクターもいる中、アーニャは「これだ!」という声が最初からあったという。
「正解の声なんてわからないはずなのに、アーニャの声は“わかる!”と思ったのは覚えています。なのでオーディションの段階から今のアーニャの声色でした。ただ、久しぶりに初期のアーニャの声を聞いたときに“声、高っ!”と思ったんです。お話が進む中でアーニャもフォージャー家になじんで、いい意味でふてぶてしくなった結果かもしれません(笑)」
種﨑さんが初めてテレビアニメ作品のレギュラーキャラの声を務めたのは2012年のこと。
「『となりの怪物くん』で初めてテレビアニメのオーディションに受かりました。それまでは一人でのアフレコがほとんど。この作品でほかのキャストの方とアフレコをして“人とお芝居をするのってこんなに楽しいんだ!”と知ったんです。その作品を見て自分を知ってくださった方も多く、そこから少しずつお仕事をいただく機会が増えていきました」
当時のことを種﨑さんは「初めてのことばかりでただただ楽しい気持ちだけでした」と振り返る。
「経験を重ねるにつれて楽しいだけじゃなく、作品を背負う責任にも気づいて。大好きなマンガやアニメの一部になれていることは変わらず喜びでしかないですが、完成に至るまでは常にいっぱいいっぱい。楽しいけど苦しいみたいな気持ちです(笑)」
複数の作品を同時進行することも多いが、生活の中でリラックスできる瞬間は?
「ドラマが大好きなので、録りためた作品を無心で一気観している時間がリラックスできます。もうずっとドラマオタクで新しいドラマが始まるときは1話はひと通り全部観るのも楽しみのひとつです」
©2023「劇場版 SPY×FAMILY」製作委員会
©遠藤達哉/集英社
映画『劇場版 SPY×FAMILY CODE:White』
出演/江口拓也、種﨑敦美、早見沙織、松田健一郎ほか
原作/遠藤達哉
公開中
凄腕スパイのロイドのもとに、進行中の任務(オペレーション)〈梟〉(ストリクス)の担当者を変更するという連絡が。それは妻・ヨルと娘・アーニャとの偽装家族生活の終わりを意味していた。ロイドはあることを確かめるべく、家族旅行に出かけるが……。
声優
種﨑敦美
たねざき あつみ●9月27日生まれ、大分県出身。ゲーム作品の声を主に務める中、2012年にテレビアニメの声優デビュー。主な出演作は『葬送のフリーレン』フリーレン、『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』エンポリオ・アルニーニョなど。
ブラウス¥39600・スカート¥58300/マツオ インターナショナル カスタマーサービス(ALYSI) イヤリング¥3520/ラフィア(Raffia)
撮影/nae. ヘア&メイク/菅原利沙 スタイリスト/高橋 結 取材・原文/上村裕子 ※BAILA2024年2・3月合併号掲載