漫画と猫が好きなライター・上村祐子がバイラ女子におすすめの漫画をピックアップ! 今回は、少女マンガのときめきと切なさを1巻から大量摂取できる『君を忘れる恋がしたい』をレビューします。
ナビゲーター
上村祐子
マンガを読み猫を愛でて暮らすライター。便利さで電子書籍を買いがちだがやっぱり紙もいい(あるある)。
少女マンガのときめきと切なさを1巻から大量摂取!
©結木悠/集英社
端的に言う、本作のヒーロー・瀬名瑞生は顔がいい。大学でバンドを組んでいて、ギター担当。そんなもん、モテる。そりゃそう。そんな瀬名と中学生時代につきあい、大学で再会するのがヒロインの立花志乃だ。
忘れられない初恋相手と再会するところから始まる物語は王道のひとつ。この世界にはたくさんの恋愛マンガがあって、そのなかでも“王道”といわれるものは多い。“王道=惹かれる作品”と限らないのは確かで、個人的なその要因のひとつが“キャラが魅力的かどうか”だったりする。
瀬名の余裕さや異性をかわす感じは“もっと知りたい”という欲をかきたてられるし、優しさのタイミングも絶妙。中学時代のピュアな瀬名も描かれていることで、彼が大学生になるまでを想像して切なくなったりも。新たな“沼る少女マンガ男子”を発見した気持ちになる第1巻。
『君を忘れる恋がしたい』
結木悠著
集英社 1巻 528円
中学時代、放課後の教室でギターを通し距離が縮まった志乃と瀬名。時を経て二人がふと“あの頃”の面影を感じ合う瞬間が、甘酸っぱくしみていく。
これも気になる
『カグラバチ』
外薗健著
集英社 1巻 550円
刀匠である父親を妖術師に殺された少年の復讐バトル!
15歳のチヒロの父親は刀匠で、妖術を刻んだ刀を作ることができた。ある日、刀を狙う妖術師たちが父親を殺害。チヒロは父親が命をかけて守った一本の妖刀で闘うことを決めて……。
イラスト/chii yasui ※BAILA2024年4月号掲載