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【#石原さとみ さんインタビュー】「挑戦がエネルギー」石原さんに美容、ライフスタイル、仕事について聞いた!

出産を経て仕事に復帰した石原さんの第一作となった映画『ミッシング』。劇中で演じたのは幼い娘が失踪した母親役だったことに、驚いた人は少なくなかったはずだ。そこにあったのは、「自分を変えたい」という、ひたむきな想い。現状に満足せず、変化を恐れることなく、挑戦し続ける人。だから、私たちは彼女の放つ輝きから目が離せなくなる。

目次

  1. キレイでいるために挑戦していること
  2. ライフスタイルで挑戦していること
  3. 仕事で挑戦していること

キレイでいるために挑戦していること

自然体なのに、惹きつけられずにいられない。柔軟でありながら芯の強さを感じさせる、美しさの秘訣。

【#石原さとみ さんインタビュー】キレイでいるために挑戦していること

Hairstyle [髪型]

長かった髪をショートヘアにしたのは、2021年に出演した舞台『終わりよければすべてよし』のとき。

でも、そのあと、映画『ミッシング』への出演が正式に決まって、吉田(恵輔)監督に「(石原さんが演じる)沙織里は長い髪がいいなぁ」と言われたので、内心“切ったばっかりなのに!”って思いながらも伸ばしたんです(笑)。

映画の撮影中は、愛する娘が失踪して疲弊しきった沙織里を演じるために、髪をボディソープで洗って痛めつける日々

クランクアップと同時に傷んだ髪をバッサリ切って、気持ちも切り替えました。

ショートへアはひととおり楽しんだので、これからまた髪を伸ばすつもり

やっぱり結べないと日々の生活はしにくいし、なんとなく45歳以降の自分は長い髪をキレイに保とうっていう美的感覚にならない気がするんですよね(笑)。

だから、それまではロングヘアを楽しもうかなと思っています。

Beauty [美容]

今年の1月に美容雑誌の撮影をしたんですけど、私にとって久しぶりの雑誌のお仕事だったんです。

その現場で、メイクさんやスタイリストさん、カメラマンさんや編集チームなど美のカリスマたちを前にして、“自分、このままじゃまずいぞ”と(笑)

『ミッシング』で演じた、疲れきった沙織里のままだったことに気づいて、その日の撮影をきっかけにピラティスに通い始めました

汗をかくのが気持ちよくて、よもぎ蒸しにもハマっています!

Fashion [ファッション]

梅雨シーズンに向けて、可愛いレインコートとレインブーツを探しているところ

先日レインコートデビューした子どもを見ていたら、「傘を差さなくていいのって、なんてラクそうなんだろう!」と思って(笑)。

Future [これから]

メリハリを大切に、年を重ねていきたい

今後、もし『ミッシング』のような心身ともにボロボロになる役柄にまた出会えるのであれば、それはそれでとても貴重だし、ファッションシューティングやCM撮影で美しさを求められるのであれば、全力でこたえたい。

どっちにもスイッチングできる人でいたいです

ライフスタイルで挑戦していること

自分をよりいっそう輝かせるためのチャレンジは、プライベートでも。毎日が楽しくなるヒントが満載!

【#石原さとみ さんインタビュー】ライフスタイルで挑戦していること

Q 日々の生活の中で挑戦していることは?

A 子どもに何か言うときは、全部ポジティブ変換するように。

たとえば、走っちゃいけない場所で子どもが走ってしまったときは、「ゆっくり歩いてみようか」とか「足音を立てずに歩けるかな?」っていうふうに声をかけます。「走らないで」や「走っちゃダメ」だと、子どもの頭の中に“走る”しか残らない気がするから。やめてほしいことを瞬時にポジティブな言葉に変換して伝えないといけないので、その筋肉は日々鍛えられてきていますね。気持ちをまっすぐに届ける大切さは、大人同士の関係においても同じだと思います。

Q ストイックな石原さんでも、自分を甘やかすことはありますか?

A 友達と家族には、甘えまくっています。

ストイックという感覚は自分の中にはなくて、単純に飽きっぽくて好奇心が強いだけ(笑)。仕事で完璧を求められることが多い分、友達や家族の前ではそうじゃなくていいっていうことを周りがずっと言ってくれるので、助かっていますね。

石原さとみさん バストアップ

Q 心を豊かにするために取り入れている習慣は?

A アンガーマネジメント。

映画『ミッシング』にも、主人公がSNS上で不特定多数の人から感情のままに攻撃される描写があるんです。でも、ひどい言葉を投げつける前に一瞬立ち止まって、「もしバッシングを受けている相手が自分の友達だったら? 家族だったらどうする?」って少しの想像力を働かせるだけで、文字を打つ手が止まるはず。そんな優しい世の中になってほしいと願っています。

Q これからの未来に挑戦したいと考えていることは?

A いっぱいあります! ここから私はどうなっていくのかなと、自分でも楽しみです。

プライベートでも育児の面でも、もちろん仕事の面でも、やりたいことはたくさんあるんです。仕事に関して言うと、実現できるかどうかは運とか縁とかタイミングが大きいとは思うけれど、自分の感性は信じ続けたい。『ミッシング』で𠮷田監督に出会えて、映画を見るのもやるのも面白いって知ることができた今、ここから私はどういう作品に巡り合えるのか、ワクワクが止まらないです!

石原さとみさん アップ

Q 挑戦によって変化していくことは怖くないですか?

A 全然! 逆に、めちゃくちゃ変化したい。そこへの欲はあります。変わるのって一瞬だと思います。

自分の心、たとえば物事の受け取り方とか言葉の発し方を変えたら、目の前の相手の態度は一瞬で変わるし、相手が変わったら今度は環境が変わる。環境が変わったら、見える世界が変わっていくんです。もし自分の心を変えても相手が変わらなければ、強制的に環境を変えるのもアリ。変わりたいと思ったら、それは変われる伸びしろがあるっていうことだから、チャンスなんだと思います!

ブラウス¥86900(アッシュ)・パンツ¥89100(フォルテ フォルテ)/コロネット チョーカー¥13200・リング¥22000/アルティーダ ウード その他/スタイリスト私物

仕事で挑戦していること

演じる役も、出演する作品も、ひとつのイメージにとどまることなく、進化し続ける姿が魅力的。その理由に迫ります。

【#石原さとみ さんインタビュー】仕事で戦していること

「今までの自分を変えてほしい」その一心で吉田監督に会った

映画『ミッシング』で、一人娘の失踪をきっかけに出口のない暗闇をさまよい続ける母親役に挑んだ石原さん。もがき苦しみながらも光を手にしようと懸命に生きる姿を真正面から描いたこの作品は、「どんな役でもいいから吉田監督の作品に出たいです」という石原さんのひと言から始まった。

「吉田監督が手がけられた『さんかく』や『ヒメアノ~ル』を見たとき、すごく好きだなって思ったんです。特に『ヒメアノ~ル』の森田(剛)さんのそれまでのイメージを覆すお芝居に憧れを抱いて、すごくうらやましくなった。それと同時に、私はこの世界には絶対に存在しない、吉田監督は絶対に私とは仕事をしないだろうなとも思いました。だからこそ、この人だったら私のことを変えてくれるかもしれない。直感的にそうビビッときて、手探りでいろんな伝手をたどって、バーで吉田監督に初めて会ったのが7年前。でも、最初は断られたんです。“石原さんはメジャーすぎて脚本のイメージがわかないなぁ”って。それでもなんとか連絡先だけは交換させてもらって(笑)、その日はただ雑談をして別れました。そしたら、3年後に突然“脚本を書きました”っていうメッセージが届いたんです。それまでトークルームは1ミリも動かなかったのに(笑)。メッセージを見た瞬間、飛び跳ねるようにしてよろこんだことは今でも覚えていますね」

石原さんを突き動かしたのは、“自分を変えたい”という強い想い。

「当時の私は、自分のアウトプットするものや求められているものに自分で飽きていたんです。ということは、当然世間も私に飽きているんだろうなっていう危機感や焦りがずっとあって。話はちょっとズレるんですけど、ドラマ「アンナチュラル」の撮影が終わって打ち上げのときに脚本家の野木亜紀子さんが“私は1年かけて、この脚本を書いた。それは、ただひとえに石原さとみを勝たせたいためだった”って言ってくださったことが本当に嬉しかったんです。だけど、そんな思いをして脚本を書いてくださる方には今後なかなか出会えない気がしたのも事実。だから、余計に同じものを追い求めることが怖くなって、自分を変えるためには、今までとは真逆のほうに動かなくちゃいけない。そう考えて、吉田監督に会いに行きました」

そして届いた、吉田監督からの脚本。

「子どもがいなくなる痛さみたいなものは、想像力を働かせないとわからなかったし、絶対に演じたい役だけど、どうやったらいいんだろうっていう戸惑いがすごくありました。そこから、最終的な脚本が完成したときは出産後だったんです。そこで久しぶりに目を通したときは、ページをめくれないくらい怖くて、心が壊れそうで……出産前に読んだときの印象とは大きく違っていることに気づきました。子どもを失う苦しさは、嫌でも容易に想像できてしまいましたからね。相当な覚悟を持って、クランクインにのぞむことを決めました」

映画の撮影が始まると、娘を失った母親を演じながら自身を追い込み、家に帰れば愛する子どもと過ごす日々。

「撮影期間中は役のまま家に帰ってしまっていて、今生の別れをしたあとの再会のように、毎回我が子を強く抱きしめて“会いたかったよ~‼”って言っていました。ただ、そこで満たされてしまうと、今度は役に戻ることが難しかったので、無理に切り替えようとはしませんでした」

前進することが大事。現状維持は、何も生み出していないのと同じだから

すでに充分な輝かしいキャリアを積み重ねながらも、今もなお、仕事において挑戦を続けている石原さん。その原動力になっているものとは。

「私は、経験した過去のことに浸らず、一瞬で忘れてしまうんです。昔の出来事をすぐに忘れるあまり、周りには自分の都合のいいように記憶を改ざんされることもあるくらい(笑)。だから、これまでありがたいことに仕事でたくさんのトロフィーをいただいてきたけれど、家にはひとつも飾っていなくて。だって、過去の栄光にすがって、あの頃の自分がいちばんよかったって思うのは、すごく悲しいじゃないですか。だったら、常に新しいことに挑戦して、前進していかないといけない。私にとって、現状維持は何も生み出していないことになってしまうから」

ドレス¥104500/グルッポタナカ(リビアナ コンティ) その他/スタイリスト私物

「過去にすがって生きるのは、すごく悲しい。 だから、私は常に挑戦していたい」

石原さとみ

石原さとみ


いしはら さとみ●1986年12月24日生まれ、東京都出身。連続ドラマ「Destiny」(テレビ朝日系 火曜夜9時〜)で主人公の西村奏を演じている。「あしたが変わるトリセツショー」(NHK総合)にプレゼンターとして出演中。映画『ラストマイル』が8月23日公開。

映画『ミッシング』

©2024「missing」Film Partners

映画『ミッシング』
出演:石原さとみ、中村倫也、青木崇高、森優作、小野花梨、細川岳ほか
全国公開中
ある街で起きた幼女の失踪事件。娘の帰りを待つ沙織里(石原さとみ)は、夫の豊(青木崇高)とすれ違い、テレビ局の記者・砂田(中村倫也)を頼る日々。周囲の好奇の目にさらされながらも、娘に会いたい一心で世間にすがり続ける。

撮影/YUJI TAKEUCHI〈BALLPARK〉 ヘア&メイク/猪股真衣子 スタイリスト/宮澤敬子〈WHITNEY〉 取材・原文/吉川由希子 ※BAILA2024年7月号掲載

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