わかりやすい文章と私たちの感覚にぴったりくる本のセレクトや評論が大人気の文芸評論家・三宅香帆さんに、バイラ世代が今読んでおきたい名作をセレクトし、魅力を語ってもらいました!今回のテーマは「三宅さんの人生を変えた本」。
三宅さんの人生を変えた本
『燃えよ剣』上下巻

『燃えよ剣』上下巻
司馬遼太郎著
新潮社 935〜1045円
幕末の動乱期を新選組の副長として生きた、土方歳三の生涯を描く。ケンカ好きだった少年・トシが組織づくりに才能を発揮し、やがて社会を揺るがすことに――。歴史小説の金字塔的な作品!
『最愛の子ども』

『最愛の子ども』
松浦理英子著
文藝春秋 803円
それぞれを「パパ」「ママ」「王子」と設定する女子高生3人と、彼女たちを見守る同級生の「わたしたち」。3人の変容していく関係を軸に、性愛や家族、友情などを新たな形で捉えた文学。
『なんて素敵にジャパネスク』復刻版・2巻まで

『なんて素敵にジャパネスク』復刻版・2巻まで
氷室冴子著
集英社 各825円
時は平安。名門貴族の娘で16歳の瑠璃姫は初恋相手の面影を胸に独身を貫く決心をしていたが――。1980年代から90年代にかけてコバルト文庫で発表され、今も愛される平安ラブコメディ!

「読書で人生を変えられている私ですが、筆頭とも言えるのが『燃えよ剣』! その影響力のすさまじさは先にお話したとおりです(笑)。新選組は歴史では負けた側ですが、それでも物語として生き続けているところにぐっときますね。『最愛の子ども』は女性同士の人間関係が描かれている小説。きめ細かな心理描写や文章から醸される雰囲気に魅了されて。小説を読む楽しさを教えてもらいました。『なんて素敵にジャパネスク』は、平安時代を舞台にしたラブコメディ。中学生でこの作品に出会い、古典文学の世界に開眼! ジュニア向け小説ですが、和歌の知識もふんだんに盛り込まれていて。今、大人が読んでも充分に面白いです」
自分だけの文芸評論家像を発信することが目標!
「もっといろんな作品を読み、自分の中で感じたことを文章で表現して紹介していきたい。“書く”と同時に”話す”ことでも読書を身近に感じてもらいたいと思っていて、YouTubeなどでも情報を発信中。新しい文芸評論家像をつくりたいと思っています。メイク動画を観てやる気を出すように、私の書いたものやトークで本に親しむモチベを上げてもらえたらいちばん嬉しいですね!」
撮影/天日恵美子(人)、柳 香穂(物) ヘア&メイク/小澤 桜〈MAKEUPBOX〉 取材・原文/石井絵里 ※BAILA2025年6月号掲載
























Baila Channel



















