相性のいい食材を選べば、リッチかついろいろな表情を見せてくれる、イタリア発祥の個性派チーズ「ブッラータ」。前菜、メインからデザートまで、ごちそう感たっぷりのレシピを料理家・ワタナベマキさんに教えていただきました。
料理家
ワタナベマキさん
和食からエスニックまで、ジャンルの垣根を越え、手ぎわよく、心身ともに大満足の絶品料理を提案。新刊は『ワタナベマキの梅料理』(NHK出版)。
ごちそう感たっぷりのブッラータ。実はいろんな料理に合うんです
「ブッラータ=トマトや果物と合わせる以外のレシピを知らない方が多いかもしれません。でも実は、想像以上に汎用性が高く、展開が楽しい素材。フレッシュで酸味が少なく、生クリームに比べて軽やか。主役としてはもちろん、ソースにもなるので、サラダや前菜のほか、メインからデザートまで、色々なメニューに寄り添ってくれます。上手に仕上げるコツは、クセがない分、“塩を効かせる”ことと、“味がボヤけないよう、アクセントになる食材や調味料を使う”こと。最近は、スーパーでも購入できるようになってきたので、ぜひ自宅でも使ってみましょう」
1.ブッラータとミント入りラム肉団子
脂肪燃焼効果が高いラム肉は、包丁でたたいてミンチ状に。刻んだ紫玉ねぎやミントを加えることで、心地よい食感と爽やかな香りをプラス。
トレビスのほのかな苦みとブッラータのソースが、ラム肉団子をドレスアップ
●材料(2人分)
ブッラータ……1個
ラム肉(もも)……200g
紫玉ねぎ……1/2個
(A)塩……小さじ1/2
(A)しょうゆ……小さじ1
(A)黒こしょう……少々
トレビス……3〜4枚
ぶどう……8粒
ミント……3g
白ワイン……大さじ2
オリーブ油……大さじ1
●作り方
①ラム肉は包丁で細かくたたくか、フードプロセッサーなどでミンチ状にする。
②紫玉ねぎとミントをみじん切りにしたら①に加え、(A)を加えてよく混ぜ、6等分に丸める。
③フライパンを中火で熱し、オリーブ油を入れたら②を加え、表面に焼き目をつける。白ワインを回しかけ、ふたをして弱火で約6分蒸し焼きにする。
④器に盛り、2等分に切ったぶどう、手でちぎったトレビス、あればミント(分量外)を添え、ブッラータをのせ、お好みで黒こしょうをふる。ブッラータをくずし、からめながら食べる。
2.ブッラータと焼きパプリカ
しっかり焼いた甘くジューシーなパプリカをほのかな酸味の液でマリネ。使用するオリーブ油はピリッと感のあるフレッシュなものを使って。
甘酸っぱいパプリカを、ミルキーな世界へと誘う
●材料(2人分)
ブッラータ……1個
パプリカ(赤・黄)……各2個
(A)白ワインビネガー……大さじ1
(A)塩……小さじ2/3
(A)オリーブ油……大さじ3
黒こしょう……少々
●作り方
①パプリカを焼く。直火焼きの場合はトングで挟み、表面全体を7〜8分焼く。魚焼きグリルの場合は、縦2等分に切って種を取り除き、約12分焼く。皮目が黒くなったら氷水にとり、皮をむく。
②キッチンペーパーで水けをふき、食べやすい大きさに切り、(A)を加えてなじませる。
③器に②とブッラータをのせ、お好みで黒こしょうをふる。
3.ブッラータと桃のスープ
ブッラータを生クリームやヨーグルト感覚で使用する、旬のスープ。桃の甘さを際立たせるために、塩とレモンをほんのり効かせるのがコツ。
心がキュンと跳ねるピンクのスープにブッラータを浮かべて
●材料(2人分)
ブッラータ……2個
桃……2個
レモン汁……大さじ2
レモンの皮……少々
塩……小さじ1/3
●作り方
①桃は沸騰した湯に約30秒つけ、氷水にとったら皮をむく。キッチンペーパーで水けをふく。
②包丁で実の部分をそぎ、レモン汁、氷(分量外:4個〈30㎖の水を凍らせた量目安〉)を加えてミキサー(ハンドブレンダーでも可)などでなめらかになるまで攪拌したら塩を加え、かるく混ぜる。
③器にブッラータをのせたら②を注ぎ、すりおろしたレモンの皮を散らす。
撮影/吉田 歩(料理)、新谷真衣(物) スタイリスト/曲田有子 調理/ワタナベマキ 取材・原文/広沢幸乃 構成/渡辺敦子〈BAILA〉 ※BAILA2021年9月号掲載