生粋の呑んべいかつ食いしん坊のツレヅレハナコさんが、スタメン食材味つけの奥義と組み合わせの妙技を駆使して、お酒と秋の風情が似合うひと皿を提案。今回は、「ぶどうの白あえ風」と「香味カルパッチョ」の2品のレシピをご紹介します。
白ワインに【ぶどうの白あえ風】
(写真上)
豆腐の代わりにカッテージチーズを主役に
ぶどう全般と白いチーズは好相性。最も淡泊な味わいのカッテージチーズに、ねりごまなどの調味料を加え、和のエッセンスをプラスして。
●材料(2人分)
ぶどう(種なしで皮ごと食べられるもの)……1/2房
カッテージチーズ……80g
ねりごま……小さじ1
はちみつ……小さじ1
しょうゆ……小さじ1
●作り方
①ぶどうは半分に切る。
②ボウルにカッテージチーズ、ねりごま、はちみつ、しょうゆを入れて混ぜ、ぶどうを加えてあえる。
日本酒でも、白ワインにも【香味カルパッチョ】
(写真下)
優しい味わいのお刺し身に、香る野菜がアクセント
好みの白身魚のお刺し身の上に、食感も楽しい香味野菜をたっぷりと。万能選手のポン酢にオリーブ油を混ぜるだけで、楽ちん&おいしいソースに。
●材料(2人分)
刺し身(今回は鯛を使用)……150g
みょうが……1個
万能ねぎ……3本
きゅうり……1/4本
ポン酢……大さじ2
オリーブ油……大さじ1
●作り方
①刺し身は薄切りにして器に敷き詰める。
②みょうがと万能ねぎは小口切り、きゅうりは縦4等分に切ってから薄切りにする。
③①の刺し身に②をのせ、ポン酢とオリーブ油をかける。
気負わず、気張らず。ゆるく楽しんでほしいから
お酒に合うおつまみを作るとなると、気負ったり、身がまえる人が少なくないかもしれません。でも、私は時間をかけたり、凝ったものを作る必要はないと思うんです。たとえばチーズには同じ発酵食品の味噌やしょうゆを加えれば驚くほどお酒にフィットする和のおつまみになるし、時短のためにすでにおいしいポン酢やめんつゆ、塩昆布などの力を借りるのも手。食材の組み合わせをひと工夫したり、うまみのある要素を足すだけで、簡単なのに、いつもとはガラリと表情が変化したひと皿になる。仕事終わりの晩酌や休日の昼呑みって人生を豊かにしてくれるもの。一人でゆったり味わうのもいいし、誰かと楽しく会話しながら食卓を囲んでもいい。この先、誰が入れ替わろうともずっとそばで寄り添う親友のような存在。ぜひみんなにも楽しんでほしいんです。
強靭な胃袋を持ち、お酒と、お酒に合う手作り料理(ときどき外食も♡)への愛にまみれたインスタグラム(@turehana1)が人気の文筆家。近著は『まいにち酒ごはん日記』(幻冬舎)。
撮影/伊藤徹也 スタイリスト/曲田有子 調理/ツレヅレハナコ 取材・原文/広沢幸乃 構成/渡辺敦子 ※BAILA2022年11月号掲載