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【つみたてNISAとiDeCo講座】そもそも投資って私に必要ですか?〈初心者×プロの本音座談会〉

国が「貯金から投資へ」とスローガンを掲げ、最近ますます話題の「つみたてNISA」と「iDeCo」。そもそも国が投資をすすめる理由とは? 資産が減るリスクは? お金のプロと投資ブロガーへの直球質問で投資をする意味を探りました!

座談会参加メンバー

ファイナンシャルプランナー

井戸美枝さん


年金・社会保障の分野の第一人者。「難しいことでもわかりやすく」をモットーにお金に関わる複雑な情報や仕組みを解説。

投資ブロガー

Sayasayanさん


自身の投資経験から学んだ資産運用に関するブログやツイッターなどでの発信が好評。バイラ世代で現在1児の母。

投資初心者


周囲で投資を始める人が増え、そろそろ私もと思ってはいるけれど「難しそう……」と一歩が踏み出せない読者代表。

投資をするメリットって?

投資をするメリットって?

投資初心者(以下初) 最近よく「貯蓄から投資へ」と聞くのですが、国が投資をすすめているのはなぜですか?

井戸美枝さん(以下井) 岸田政権は「資産所得倍増計画」というかたちで投資を推進していますね。資産所得とは個人の金融資産のことで、働いて得る「勤労所得」と、運用して得る「金融所得」の2本柱で考えるとわかりやすいと思います。労働してお金を受け取る勤労所得に対し、金融所得は、たとえば応援したい企業の株を買うと企業の資本になり、投資信託を買うと広く分配されて経済の活力になります。投資によるお金で企業が富を生み、私たちの生活が豊かになる循環が生まれる。それが投資のメリットであり、国がすすめていることだと思います。

Sayasayanさん(以下S) 自分の就職先以外にも、優良企業に投資ができてその利益の一部を享受できるメリットも。投資で必ず儲かるわけではないですが、自分には給与もあるし投資もあるという状態が精神的な安定を与えてくれているなと思います。

どうやって投資を生活に取り入れる?

 投資に興味はあるものの、お金が減るリスクが心配で……。どんなふうに始めましたか?   

S  ちょうどNISAが始まるタイミングでとりあえず始めてみようと思ったのがきっかけ。何でもやりながら勉強というか、失敗しても補塡がきく範囲から始めたので怖さはなかったです。当時は貯蓄もなくて、貯金感覚では本当はいけないんですが(笑)限られた給与の中から投資資金をどうやったら捻出できるかにチャレンジしていたところも。投資を続けるなかで金融全般に興味を持つようになり、収入アップや節税の方法などについても学びと実践を繰り返しながら10年弱投資信託などを積み立てています。今では、自分で働いて社会に貢献しつつ、余剰資金にも働いてもらってという両輪が大事だと思っています。   

 おっしゃるとおり、勤労所得と金融所得のコンビネーションが大切ですね。必要な時期が決まっている住宅費や教育費などのライフイベント費は投資だとその金額になるかわからないので預金でいいと思いますが、それ以外のお金で少しずつ投資を始めると視野も広がっていいんじゃないかなと思います。   

 なるほど。“余剰資金で少しずつ”ですね!投資を始めて、何が変わりましたか?   

S  長期的なビジョンや計画性を持てるようになりました。精神的な余裕も生まれ、預金と投資に回すお金を分けて、常に数年後をシミュレーションしながら生活できるように。   

 いくらまで増やしたいってありますか?   

S  最近出産したので、ある程度子どものために使えるお金を残したい思いがありますが、具体的な数値目標などは定めていません。FIREという考え方もありますが、私の場合は、もし大きな資産が築けたら奨学金制度をつくって学生を支援するなど、次世代に残していければいいなと思っています。   

 素晴らしいですね。長期で投資をしている人って、Sさんみたいな方が多いんです。自分の損得だけとか、減ったらドキドキするというような人は途中で市場から撤退している場合が多いかもしれません。そういうお金に対する考え方が自己だけの人は投資には向かないんですよ。投資をすることで「このお金がどこに行って役立っているのかな」とか、もちろん自分の資産を増やすためにしているんですけれど、もし減っていたとしても「将来はみんなで増えていたらいいよね」といった考え方の人が投資に向いていると思います。

バイラ世代の働く女性におすすめの投資とは?

 長期で分散して積み立てるつみたてNISAやiDeCoがおすすめです。あまり投資の価格の変動を気にせずに、働くことや家族のこと、自分のやりたいことを考えて生活したいですものね。個人的には、この二つ以外の投資は必要なくて、よりお金があるならば自分が将来スキルアップして働きやすいように自己投資費として持っておいたらいいと思います。

私は阪神・淡路大震災を経験しているのですが、被災した状況から自分の力で立ち上がるためには、どんな状況になっても何かしらの所得を得る方法を複数持っておいたほうがいいと痛感。副業など勤労所得を複数持つことも有効ですし、金融所得もあったほうがいい。やっぱりお金は必要ですから。自力で立ち上がるバネになるぐらいのものは持っておかないと。今も、コロナ禍やウクライナ情勢、インフレなど、将来のことは全然わかりません。長期的な視点で環境が変わってもいいようにお金に余白を持てたらいい。そのために投資を上手に使えばいいと思います。究極的には“パーソナルファイナンスインディペンデンス”ですね。  

 経済的に自立することで、精神的にも自立して生きていけそうです。Sさんが投資をしていちばんよかったことは何ですか?   

S いろんな意味で選択肢が増えたことが大きいです。流動的で変化が大きい今の世の中で、お金の動きも変数のひとつととらえ、何事もわからないと突き放すのではなくて、自分のできる範囲でやってみることが大事と気づかせてくれたのは投資だと思います。

監修/井戸美枝 イラスト/3rdeye 取材・原文/佐久間知子 ※BAILA2022年9月号掲載

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