少額から手軽に始められるという特徴を持つ「つみたてNISA」。「始めてみたけれどあってるのか不安…」という読者の声にファイナンシャルプランナーが具体的な方法と考え方を明快アンサー!
Q.つみたてNISAとは別にiDeCoも必要?
A.老後資金の準備はiDeCo、それ以外はつみたてNISAで
「どちらも税制優遇があるので、利用できる期間はつみたてNISAとiDeCoを併用するのがベスト。家計的に難しい場合は、いつでも引き出し可能なつみたてNISAのほうが使い勝手がいいのでまずそちらを。60歳まで引き出せないけれど、税制優遇が手厚いiDeCoは老後資金の準備に活用して」
Q.産休育休を取るとき、一時停止してもいい?
A.できれば掛金を減らすなど市場に残る工夫をしてみては
「無理をして続ける必要はないですが、積立金額の変更は簡単なので、可能な額に減らすなどして長く続けられるといいですね。長い期間市場にいることにより、運用利益を積立金に組み入れ、利息が利息を生んで増える『複利効果』が得られます。これは長期投資ならではのメリットです」
Q.始めたときからすべてをほったらかし中。 見直すべきはいつ何を?
A.コストが低くて積み立てに向くものなら見直す必要なし!
「コスト(信託報酬)がさほど高くないならば、細かく見直しせず動かさないほうがいいと思いますよ。つみたてNISAは、投資信託の積立投資で将来のための資金形成を促すために国がつくった制度。金融庁の条件を満たした積み立てに向くよう選ばれた商品ばかりなんです。だからほうっておいてOK」
Q.相場が下落していると不安…
A.一時的な値下がりがあっても15年は続ける心がまえで
「つみたてNISAは、20年スパンの長期投資が基本。下落するときもありますよ。一定額で商品を購入し続ける定額積立の場合、価格が高いときは少なく、安いときに多く買うことになり、結果的に平均の買い付け価格を下げることができるんです。『多く購入できてるな』くらいの気持ちで」
Q.投資の勉強をしたほうがいい?
A.“勉強しないと投資できない”と思わなくて大丈夫
「知りたいことを学ぶのはいいですが、義務に感じる必要はないです。将来のためのまっとうな資産運用は本来、それほど難しいものではありません。運用のプロになるなら別ですが、もし勉強が必要だと感じたら『なぜ投資が必要なのか』やつみたてNISAの制度についてきちんと知っておきましょう」
ファイナンシャルプランナー
井戸美枝さん
CFP®、社会保険労務士。年金問題などのわかりやすい解説が人気。近著に『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください! 増補改訂版』
監修/井戸美枝 イラスト/3rdeye 取材・原文/佐久間知子 ※BAILA2022年9月号掲載