結婚や出産をする・しないも含めて、30代女性が感じていることとは? 3人のスーパーバイラーズに、それぞれの立場から本音で語ってもらいました。
スーパーバイラーズ
芦谷留美さん(39歳)
広告会社勤務。33歳から5年間の不妊治療を経て38歳で出産。現在は2年間の育休取得中。
スーパーバイラーズ
河野晶子さん(33歳)
人材業界で採用人事を担当。結婚は一緒に歩みたいと思える相手ができてから考えるつもり。
長沼 結さん(33歳)
結婚4年目。客室乗務員として働いていたが、1〜2年以内の妊娠を希望して人材業界へ転職。
河野 私は独身で、必ずしも結婚したいとは考えていないのですが、「(河野さんに)問題があるんじゃない?」と冗談っぽく言われることも。
芦谷 その質問は驚き……。どのように答えるんですか?
河野 仕事やプライベートでトライしたい目標があることや、結婚が幸せのすべてではないという考えをしっかり伝えます。お二人も、結婚前はそういうプレッシャーがありましたか?
長沼 結婚してからのほうが感じますね。私は結婚4年目ですが、「子どもは?」って聞かれることが増えました。
芦谷 私は5年間の不妊治療を経て38歳で出産したので、中学生や高校生の子どもがいる友人たちの会話についていけない感じがありましたね。
長沼 不妊治療と仕事の両立って大変そうですよね……。
芦谷 苦しかったですね。私は、不妊治療を人に言えないタブーだと思い込んでいた上に、「不妊治療で会議に出られない」なんて言ったら昇進に響くと思って、最初の3年間は誰にも言えなかったんです。
河野 3年も⁉
芦谷 治療が高度になるにつれて連日の通院が必要なので意を決して報告したら、すごく温かく受け入れてくれて。もっと早く言えばよかったと後悔しました。
長沼 私も年齢的にそろそろ妊娠を考えたくて昨年転職しました。出産後も働き続けたいという希望を伝えてはいますが、入社1〜2年目での妊娠は周りに迷惑をかけるのでは……と思うと迷ってしまって。河野さんもきっと職場で産休育休を取っている人の仕事を負担していますよね?
河野 出産は素晴らしいことだし、周りがフォローするのは自然なことですが、会社の制度や環境が整っていないと、どうしても周囲の負担が大きくなるので、何かいい解決策はないのかな、とも思います。
芦谷 社内にロールモデルがいるかどうかも大きいですよね。周りは半年で戻ってくる人も多かったけれど、私は育休を延長して丸2年取ることにしました。この後に続く後輩たちに、2年休むことのメリットとか、復帰後もちゃんと活躍できるイメージを伝えられる事例になりたいなと。
長沼 それは素敵ですね。お二人のお話を聞いて、5年後、10年後にどうなっていたいのか、自分の軸を持ちながら人生の舵取りをする時代なんだなと再確認しました。
河野 そうですね。周りの意見も聞きつつ、自分らしい選択をしていく強さを持たなきゃと思います。
芦谷 その上で、「不妊治療してます」とか「キャリアをあきらめたくない」とかオープンに話せるようになったらいいですよね。
取材・原文/国分美由紀 ※BAILA2024年8・9月合併号掲載