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現代の女性たちが直面する出産のリアル『うむ、うまない、うめない、うみたい』をレビュー【バイラ女子におすすめコミック】

漫画を愛するライター・中川 薫がバイラ女子におすすめの漫画をピックアップ! 今回は、“産む”ことに対する女性の心情がリアルに綴られたオムニバス『うむ、うまない、うめない、うみたい』をご紹介します。

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中川 薫

中川 薫


漫画・音楽・旅好きライター。人生初のベトナム旅行はダラット高原へ。韓国からの旅行者が多くて驚きました。

“産む”って、そんなに苦痛? “産まない”って、そんなに特別?  

『最果てのセレナード』をレビュー

©加藤綾子、ことり/小学館

男性の育休取得が普通に語られる世の中になっても、女性にとって“産む”“産まない”“産めない”は大きな問題。本作は“産む”をテーマにした、女性主人公のオムニバス。最初のヒロインは、よき夫に恵まれたものの、親になる自信のない20代の明日香。女は子どもを産むことが“普通”であり“親孝行”だという祖母と母親の意見を聞き、「産みたくない」という自分の気持ちはワガママではないかと思い悩む。ほかにも趣味ファーストの女性が選んだ、究極推し活編、卵巣ガンに罹患したアラサー編など、“産む”を通じて自分自身に向き合う姿が描かれている。

主人公たちそれぞれの苦悩に共感や同情しながらも思うのは、多様性が唱えられる世間の中で、なぜ女性(だけ)が“産む”ことに悩み続けなければならないの?ということ。まるで“産む”“産まない”が罰ゲームであるかのよう。それぞれの選択を家族や社会で一緒に楽しめることが、特別なことでもなんでもなく語ることができたらいいのに、と思う。

『うむ、うまない、うめない、うみたい』 原作:加藤綾子著、漫画:ことり著 小学館 1 巻~ 715円

『うむ、うまない、うめない、うみたい』
原作:加藤綾子著、漫画:ことり著
小学館 1巻~ 715円

周囲に出産を期待されている人、推し活と妊活の間で悩む人、卵巣ガンを告知された人など。“産む”ことに対する女性の心情がリアルに綴られたオムニバス。

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イラスト/ユリコフ・カワヒロ ※BAILA2023年10月号掲載

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