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【30代で家を買う】夫婦で、カップルで、単身で。マイホームを持った30代女性の購入リアルルポ!

ライフステージが大きく変わるバイラ世代は、住まいを見直す絶好のタイミング! 都内で暮らす3人の30代女性に、物件探しから購入費用、支払い方法、コストを抑えておしゃれなインテリアにするコツまで伺いました。

CONTENTS

  1. 1. 30代夫婦の都内戸建て購入リアルルポ
  2. 2. 30代カップルの都内中古マンション購入リアルルポ
  3. 3. 30代単身女性の都内中古マンション購入リアルルポ

1. 30代夫婦の都内戸建て購入リアルルポ

最初にご紹介するのは、34歳で注文住宅を建てた女性。夫と子ども2人の4人暮らしです。オーダーメイドの家づくりにかけた時間や費用、理想の暮らしを形にするために意識した工夫まで、たっぷり教えてもらいました。

注文住宅のオープンキッチン

会社員夫婦

妻Kさん(36歳・本業は広告系、副業は飲食系)、夫Nさん(36歳・コンサル系)


妻年収:約500〜600万円 
夫年収:約1000〜1500万円
エリア:東京都中野区 
間取り:戸建て・注文住宅2LDK 
広さ:約100㎡
居住者:夫婦、子ども2人の4人暮らし
購入時期:NY駐在から帰国してすぐ2023年(夫婦ともに当時34歳)
土地購入費:約6200万円 
住宅購入費:約5500万円

海外駐在から帰国し、34歳で戸建て購入を決断

夫Nさんの海外駐在でNY生活をしていた二人は、帰国後すぐにマイホーム探しに着手。

「一戸建ての購入を考え始めたきっかけは、“このまま賃貸で家賃を払い続ける意味があるのだろうか”と疑問を抱いたことでした。日本に帰国してからは、駅から離れた2LDKに家族4人で住んでおり、間取りも立地もあまり気に入っていなかったにもかかわらず、月々の家賃は約18万円。それなら、賃貸と月々の支払い額が大きく変わらない範囲で、暮らしを自由にカスタマイズでき、子どもたちものびのび育てられる一戸建てを購入しようと決めました」(Kさん・以下同)

【物件編】

自由にカスタマイズできて、子どもをのびのびと育てられる注文住宅を選択

「1から設計・建築を行う注文住宅で家づくりをしたいという願望がずっとあって。大手ハウスメーカーも検討しましたが、最終的には、私たちの理想を丁寧に汲み取ってくれる友人の建築士に設計を依頼することにしました」

注文住宅でかなえた、理想の間取り

妻Kさんがこだわったのは、人が集まりやすい広々としたオープンキッチン

キッチン

3〜4人で並んで料理しても余裕のある、広々としたキッチンは収納力も抜群。ホームパーティをよく開くため、ワイングラス用のラックも備え付けた。

料理好きが高じて副業でケータリングの仕事をしており、現在は自身の店のオープンに向けて準備中のKさん。

「設計で最もこだわったのがキッチン。アメリカから取り寄せたガスオーブンをはじめ、最新の調理機器を導入し、実用性とデザイン性を両立させました。また、週末は友人を呼んでホームパーティをすることが多いので、キッチンはバーカウンターを兼ねたオープンスタイルに。料理をしながらみんなと話せる、この空間がとても気に入っています」

開放感あふれる屋上空間は夫Nさんのこだわり

屋上 注文住宅

3階にあたる屋上は視界が開けており、晴れた日には心地よさが際立つ空間。

「家の購入では、金銭面は夫、デザイン面は私が主に担当しました。アウトドア好きの夫にとって、家づくりで唯一譲れなかったのが“屋上空間”の設置。大手ハウスメーカーで下見をした際、『予算削減のためには屋上は諦めたほうがいい』と言われたのですが、そこだけはどうしてもこだわりたくて。結果的に、妥協しなくてよかったなと思っています。最近は天気のいい週末に友人たちと屋上でBBQを楽しむのが定番に。夫は『サウナを設置してもっと屋上空間を充実させたい』と張り切っています」

段差を作って空間を広く見せる

注文住宅 ダイニングとリビングに段差をつけて空間をゆるやかに仕切る

空間に段差を設けることで視界が開ける。仕切りは机の役割もあり、ちょっとした作業に最適。ソファは収納スペースも兼ねている。

「勾配をつけた天井を生かし、空間を広く見せるためにリビングとダイニングにあえて段差を設けました。ゆるやかに空間を仕切ることができるので、友人家族とホームパーティをするときも、大人はダイニングでお酒を楽しみ、子どもはリビングでゲーム……と、過ごす場所を自然に分けられるのがメリットです」

こだわりが詰まった一生もののインテリア

各国で買った家具を取り入れ、愛着を持てる空間に仕上げる

「賃貸時代は引っ越しを前提にしていたため、インテリアにこだわるのが難しかったのですが、持ち家になってからは、海外旅行の際に“一生もの”と思えるインテリアを、多少高くても購入するようになりました」

注文住宅 インドネシアで購入したラタン素材のランプシェード

インドネシアで購入したのは、職人が手作りしたラタン素材のランプシェード。空間にやわらかな温もりを生む。

ニューヨークで購入した現代アート

ニューヨークのギャラリーで購入した現代アート。「我が家にあるインテリアの中で最も高価なアイテムです。ギャラリーのオーナーから、子どもが大学生のなった頃には必ず価値が上がるアーティストだと聞き、資産にもなると考えて思い切って購入しました」

ニューヨークのショップで購入した、モダンなデザインが魅力的なフロアライト

ニューヨークのショップで購入した、モダンなデザインが魅力的なフロアライト。空間に上質な高級感を演出。

これから戸建てを購入する方にアドバイスは?

「今回、私は信頼できる建築士の知人に家の設計をお願いしました。理想に近い家をつくるためには、遠慮なく意見交換ができる関係性が大切です。また、壁材や床材など決めることがとても多いため、ホームページで過去の作品を確認し、細かい部分はある程度センスを信頼してお任せできるかどうかを見極めて依頼するとよいと思います」

注文住宅 ダイニング

大きな窓から陽光がたっぷり差し込むリビング。ニューヨークで購入した一枚板のダイニングテーブルが空間の主役。

【コスト編】

戸建て購入の予算は1億円まで。実際にかかった費用は、計1億1700万円

「当初は1億円以内の予算で探していましたが、都内で条件に合う土地と建物を見つけるのはなかなか大変で、最終的には土地が約6200万円、建物が約5500万円に。今の物件に出合ったとき、お金のやりくりが問題なくできるのか少し心配なところもあったので、夫の知り合いで生命保険会社に勤めている方にライフプランのシミュレーションをお願いしました。細かく試算してもらった結果、『これならジープくらい買える余裕あるよ』と言ってもらい、購入を決断!」

理想の間取りをかなえつつ、コストを節約できた理由

注文住宅の購入費用は、一部をDIYして数百万のコストカット

「一から自分好みに設計できる注文住宅。理想を詰め込もうとするあまり、あっという間に予算オーバーに。だからこそ、譲れないポイントを明確にしつつ、工夫しながらコストを抑えました。まず、壁の塗装やベランダのウッドデッキは、夫婦で材料を買いDIY。二人とも初心者でしたが、友人にも手伝ってもらいながらなんとか完成。これだけでも、数百万円ほどコストをカットできました。

ほかにも内装で妥協した部分はかなりあります。たとえば、洗面台はタイル張りにしたかったのですが、費用の都合で断念。キッチンも、当初は熱い鍋をそのまま置けるような高耐熱素材の天板が希望でしたが、予算に合わせてミドルグレードのものを選びました」

【30代で家を買う】夫婦で、カップルで、単身で。マイホームを持った30代女性の購入リアルルポ!_9
【30代で家を買う】夫婦で、カップルで、単身で。マイホームを持った30代女性の購入リアルルポ!_10

壁の塗装とベランダのウッドデッキづくりは、友人たちの力を借りながら自分たちの手で。壁が汚れたら、また自分たちで塗り直すという。

ローン借り入れで夫婦が選んだ選択肢

住宅ローンは、夫婦ともに住宅ローン減税が受けられる「ペアローン」を選択

「夫婦それぞれが、住宅ローン減税(最大13年間、年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税から控除できる)を受けられ、団体信用生命保険にも加入できる『ペアローン』を選択しました。家を購入したのは、夫の海外赴任に同行していた私が帰国し、再就職したばかりのタイミング。そのため、私の勤続年数はまだ3年未満。住宅ローンは収入や勤続年数に応じて借入額が決まるので、結果的に『夫2:私1』の割合でペアローンを組むことになりました。今回購入した家は『認定長期優良住宅』に該当するため、本来なら夫婦それぞれが最大約5000万円まで、住宅ローン減税(年末残高の0.7%×13年間)の対象になるけれど、私の勤続年数や収入では控除枠をフルに生かしきれなかったのは悔しかったですね」

注文住宅に適した借入先をチョイス

「マンションや建売住宅の場合、支払いは『契約時の手付金』と『引き渡し時の残金』の2回が基本。でも、私たちが選んだのは注文住宅。土地の購入時、建物の着工時・中間金・完成時と、支払いのタイミングが複数回あります。そのため、『つなぎ融資』を利用しました。借入先には『協同住宅ローン』を選択。というのも、こちらは支払時の手数料が2回までなら発生しないんです。おかげで支出を100〜200万円程度抑えることができました」

注文住宅 玄関

玄関を入ってすぐ右手は、広々とした収納スペース。1階にはバスルームと寝室、子ども部屋を配置している。

住宅ローンの月々の返済額は、夫婦合わせて約20万円

「月々の住宅ローン返済額は、夫婦合わせて約20万円で、私はそのうち約7万円を負担しています。金利が低い変動金利型のローンで、35年かけて完済する予定です。住宅ローン減税(年末のローン残高に応じて所得税が控除される)のメリットを最大限に生かすため、13年間はあえて繰り上げ返済をせずに残高をキープする方針にしていました。でも、最近になって金利が大きく上昇し、当初のほぼ2倍に……。減税率を上回る負担になってしまったため、このまま返済を続けるべきか、それとも繰り上げ返済に切り替えるべきか悩んでいます」

家づくり成功のための夫婦の役割分担

金銭面は夫にまるっとお任せ。妻は物件のデザイン面を担当

「私がお金にあまり強くないこともあり、物件のデザインや間取りなど空間づくりは私が、住宅ローンや資金計画など購入に関することは夫に任せていました。でも、今後のことを考えると、生活費の負担や貯金のルールなどについても、もう少し具体的に話し合ったほうがいいかなと考えています」

注文住宅 造作

天然木の温もりに、裸電球の無骨な雰囲気がほどよく混ざり合った心地よい空間。造作の机は子どもの遊び場に。

これから戸建てを購入する方に資金面でのアドバイスは?

光熱費など暮らしにかかるコストアップを想定しておいて

「一軒家は、住まいとしての自由度が高い一方で、意外と見落としがちな出費も多くて。たとえば、光熱費。我が家は仕切りの少ない間取りで窓も大きいため、夏場はエアコンを19度に設定し、24時間稼働させています。以前の賃貸では月5000円ほどだった電気代が、今では月2万円を超えることも。また、フローリングのワックスがけといったメンテナンスにかかる費用も積み重なっていきます。住宅ローンの返済以外にも、こうした“暮らしながらかかるコスト”も見込んだうえで資金計画を立てることが大切だと思います」

2. 30代カップルの都内中古マンション購入リアルルポ

次にご紹介するのは、36歳のときに中古マンションを購入し、パートナーと二人で暮らすTさん。家の購入&リノベーション費用や、理想の暮らしを形にするためにした工夫まで、たっぷり教えてもらいました。

ブロックスクエアの床材にこだわりを感じる、ミッドセンチュリーテイストのリビングルーム。周囲の建物が低層のため、ベランダからの景色も広々と開放的。

ブロックスクエアの床材にこだわりを感じる、ミッドセンチュリーテイストのリビングルーム。周囲の建物が低層のため、ベランダからの景色も広々と開放的。「リノベーション前は凹凸のある壁でしたが、その表面をサンディングして塗装で仕上げました」

会社員カップル

Tさん(37歳・流通系)、パートナーYさん(37歳・IT系)


Tさん年収:約1000万円
Yさん年収:約500万円
エリア:東京都中野区 
間取り:中古マンション・2LDK
広さ:約84平米

築年数:築49年
居住者:パートナーと二人暮らし
購入時期:2024年(Tさん、Yさん共に当時36歳)
住宅購入費:約5900万円
リノベーション費:1300万円

【物件編】

目をつけていた物件が売りに。36歳で即決購入したヴィンテージマンション

住み慣れたエリアにあるヴィンテージマンションの売り出しをずっと待っていた、現在パートナーと同棲中のTさん。

もともとは40平米ほどの1LDKで二人暮らしをしていたが、30代半ばに差し掛かった頃、持ち家購入を検討しはじめたそう。

いつか住みたいと長年狙っていた物件に空きが!

「大学進学を機に上京して以来、ずっと同じエリアに住んでいて、前を通るたびに“いつか買いたい”と思っていたヴィンテージマンション。不動産サイトで売りに出たら通知が来るように登録していたのですが、昨年、“そろそろ二人で住める広い家が欲しい”と思っていたタイミングで空き物件の通知が届き、すぐに内見へ。古いけれど内部のデザインが素敵で、それを生かしながらリノベーションしたいと思い、その日中に購入を決めました。周辺の環境についても熟知していたし、近所の方たちがベランダをきれいに保っているのを知っていたので、迷いはなかったですね」(Tさん、以下同)

おしゃれで快適な部屋づくりのためのリノベーションの進め方

建材やパーツを直接確認できるリノベーション会社を選び、コミュニケーションを密に

「行きつけのお店の内装を手がけている設計士にリノベーションを依頼したいと思っていたものの、予算オーバーで断念。複数の見積もりを取る中で出会ったのが、もともと建材屋でリノベーション業を立ち上げたばかりの『toolbox』という会社でした。決め手になったのは、併設されたショールームで床や壁、パーツのサンプルを直接確認できること。写真ではわからない細かい色合いや質感を確認できたのがよかったと思います。また、自分のイメージを的確に伝えるため、設計の打ち合わせには部屋のイメージをまとめた自作のリファレンスシートを持参。物件が近所なのもあって、施工期間中も頻繁に現場を訪れ、イメージと違う部分があればその都度修正をお願いしました。その結果、理想に近い洗練された仕上がりになりとても満足しています!」

水回りへの投資がヴィンテージマンションのリノベーションには不可欠

「老朽化が気になる水回りは設備も含め一新しました。費用はかかりますが、古いマンションで長く暮らすためには仕方のない出費だと思って我慢……。洗面所は、タイルと木材を基調にした、Ace Hotel風のデザインに仕上げました。とても気に入っていますが、一点だけ反省点が。洗面台の鏡部分が手前に突出している構造のため、顔を洗うと手前へ水が跳ねてしまうんです。もう少し深さや奥行きを持たせればよかったと感じています」

Ace Hotelを意識した洗面所

ヴィンテージマンションならではの趣ある家づくりのポイント

特徴的なアーチ形状はそのまま残してリノベーション

「内見の際、壁や天井に施された緩やかな曲線のデザイン(アール型)に魅力を感じたことが、この部屋を購入する決め手になりました。リフォームの際も、もともと持っていたやわらかな雰囲気を壊さないよう、そこはあえてそのままに。ベッドルームとリビングを仕切る壁の上部にある、欄干のようなデザインも同様に、当時の趣を残しています」

注文住宅 ダイニングとリビングに段差をつけて空間をゆるやかに仕切る

ダイニングから寝室へ続く入り口はアール型を生かして。「ここだけでなく、洗面所やダイニングからリビングへと続く仕切り部分も、開放感を出すため、あえて扉をつけていません」

中古マンション 波打つ曲線と、玄関に光を取り込む彩光窓が美しい壁

波打つ曲線と、玄関に光を取り込む採光窓が美しく印象的。「本当はブロックガラスの採光窓にしたかったのですが、地震のことを考えて断念しました」

和室をモダンにバージョンアップしたゲストルーム

「もともと畳敷きで二間に分かれていた空間の壁を取り払い、畳のリビングとして活用。可動式パネルで仕切れるようにしているため、友人が遊びに来た際はゲストルームとして使っています」

一般的な畳よりメンテナンスが楽で、張替えコストも抑えられる木質繊維の畳をチョイス。モダンな表情なのでソファにもなじむ。

一般的な畳よりメンテナンスが楽で、張替えコストも抑えられる木質繊維の畳をチョイス。モダンな表情なのでソファにもなじむ。窓側はフローリングにすることで費用をカット。

中古マンション 可動式の引き戸

可動式の引き戸。ダイニングの床材と同じくダークブラウンで落ち着いた印象に。

中古マンションの購入を考えている人にアドバイスは?

好きなエリアを散策しながら、自分で物件を探す

「“持ち家が欲しいけれど新築には手が届かない”と感じている方に、中古でもいい物件がたくさんあることを伝えたいです。家探しの際に不動産屋さんにすべてを任せて提案してもらうよりも、自分の好きな街を散歩しながら、気になる物件が売りに出ていないかこまめにチェックする方法もおすすめです。そうすることで、住んでから“思っていたのと違う……”というギャップも少なくなると思います」

【コスト編】

単身ローンで中古マンションを購入した30代女性のマネー事情

中古マンション。築年数のある住まいのため、キッチンの排気口はプロペラファンタイプ。レンジフードのように見せるため、シルバーのボックスを取り付けて工夫している。

築年数のある住まいのため、キッチンの排気口はプロペラファンタイプ。レンジフードのように見せるため、シルバーのボックスを取り付けて工夫している。

住宅購入費は約5900万円、リノベーション費用が約1300万円の合計約7200万円

「住宅購入費は約5900万円、リノベーション費用は約1300万円。SUUMOの『支払額シミュレーション』で試算してみたところ、月々の返済額が賃貸のときとほとんど変わらなかったため、迷わず購入を決めました。物件を逃したくなかったこともあり、同棲中のパートナーには事後報告となってしまって若干怒られましたが(笑)、最終的には納得してくれました」

自分&パートナーの月々の負担額は? 中古マンション購入のお金事情

毎月のローン返済額は約20万円。パートナーとの折半で1人10万円の支払い

「パートナーと婚姻関係を結んでいないため、審査要件や必要書類が厳しかったペアローンは断念し、私の単独名義で物件を購入しました。リノベーション費用も含めた35年のフルローンで、金利の低い変動型を選択。毎月のローン返済額は約20万円で、パートナーと折半し、それぞれ10万円ずつ負担しています。そのほかに、マンションの管理費(月約1万9000円)、修繕積立費(月約6000円)、年に一度の固定資産税(約14万円)はすべて私が支払っているため、実質的には月あたり約14万円を負担しています」

中古マンション。ダイニングの壁に棚を造作。料理本やフィギュアなど、目に入ると気分が上がるアイテムが並ぶ。

ダイニングの壁に棚を造作。料理本やフィギュアなど、二人の趣味が詰まった空間に。

リノベーション費用を節約するコツは

設備面には妥協せず投資。それ以外はもともとのデザインを生かしコストカット

「リノベーション費用は当初約1000万円を想定し、複数社に見積もりを依頼しましたが、最終的には約1300万円に。築49年のマンションということもあり、水回りの設備にお金がかかりましたね。それ以外の建具や壁などは、残せるところは極力そのままに。来客から見えないベッドルームの床は、コストを抑えるためにフローリングを断念して、塩ビ製のタイルで仕上げました。今後お金に余裕ができたら、気になる部分を少しずつ追加でリノベーションしていきたいと考えています」

障子や飾り棚など、リフォーム前の和室のデザインをそのまま生かしている。

障子や飾り棚など、もともとの和室のデザインをそのまま残し和モダンな空間に。

マンションを買ったことによる考え方の変化は?

持ち家を手にしたら、将来への不安が和らいだ

「月々の返済額に変化がないため、正直なところお金に対する考え方が大きく変わったということはなくて。ただ、資産となり老後も住める家があるという点で、気持ちの面では安心感につながっています」

中古マンションのリノベーションを検討している人にアドバイスは?

リノベ費用は思ったよりも高い! 住みながら徐々にアップデートしていくのも手

「マンションの持っているヴィンテージならではの雰囲気を引き継ぎつつ、自分たちの暮らしに合った間取りに仕上げたかったので、リノベーションをして正解でした。最近はリノベーション済みの物件もたくさん売られていますが、設計から行うことでより愛着がわくのではないかと思っています。ただ、古いマンションだと思ったより設備にお金がかかるので、やはり多少の妥協は必要。最初から完璧な状態を目指すのではなく、住みながら自分好みに変えていくという気持ちで挑むと初期投資を節約できると思います」

3. 30代単身女性の都内中古マンション購入リアルルポ

最後は、33歳のときに1LDKの中古マンションを単身で購入したNさんのご自宅を紹介。インテリアのポイントから、資産価値の高いエリアにある物件の購入費用、月々のローン返済額まで伺いました。

白で統一したスッキリとしたリビングルーム。できるだけモノを収納し、開放感のある空間に。大きな窓から差し込む陽の光のおかげで、日中は照明をつけなくても過ごせる。

白で統一したリビングルーム。物はできる限り収納し、すっきりと開放感のある空間に。大きな窓から差し込む陽の光のおかげで、日中は照明をつけなくても過ごせる。

会社員

Nさん(35歳・マーケティング系)


年収:約1000万円
エリア:東京都中央区
間取り:中古マンション・1LDK
広さ:約40平米

築年数:築7年

居住者:単身
購入時期:2023年(当時33歳)
住宅購入費:約6300万円
壁紙張り替えなど雑費:約13万円

海外駐在から帰国後、資産形成のために一人でマンションを購入

東京都中央区の中古マンションを単身で購入したNさん。現在は一人暮らしで、海外駐在から帰国した2022年に物件探しを始め、1年後の2023年に購入を決断。

転職して年収UPしたことで目標だった持ち家購入が現実に

「20代の頃から、『資産になる自分の家を持ちたい』という思いがありました。でも、入社してすぐの給料では現実的ではなくて。20代半ばで現在の会社に転職し、収入が上がったことで家の購入を具体的に考えられるようになりましたが、海外駐在が決まったため購入は一旦保留に。2022年に帰国し、ようやく2023年に購入を決意しました」(Nさん、以下同)

【物件編】

中古マンション選びで譲れなかったポイント

資産価値の高いエリアであることが一番重要!

「家選びでは資産価値の高いエリアであることを大前提に、修繕積立費を抑えるために『築20年以内』『60戸以上』という条件も重視しました。さらに、将来賃貸に出したり売却したりする場合の需要を見据えて、駐車場の有無やペット可かどうかもチェックポイントに。こうした条件をすべて満たしている上に、ゴミ捨て場や宅配ボックスがきれいで、管理が行き届いているところが気に入り、この家の購入を決めました」

リノベーションなし&低コストで自分好みの部屋をつくるコツ

ホテルライクな内装はそのまま活かし、家具はプチプラを駆使

「購入した中古マンションの建具が淡いグレーだったため、家具も白とグレーで統一感を出しました。家具などリセールしづらいアイテムはできるだけコストを抑えるのをモットーにしているので、インテリアも『ニトリ』や『イケア』、『Amazon』や中国のショッピングサイト『Taobao』で購入しています。とはいえ、自分の気分が上がるアイテムに囲まれたい気持ちもあるので、キャビネットはこの家の雰囲気と設置場所の幅に合わせて、『MOMO NATURAL』でセレクト。少しお値段は張りましたが、お気に入りの一品です。賃貸の頃から使っている『LOWYA』のソファは、そろそろ3シーターのものに買い替えたいと考えているところです」

MOMO NATURAL キャビネット

雑貨や書類を入れたり、友人が遊びにきたときに荷物を入れてもらうためのキャビネット。

イケア」で購入したベッドサイドテーブルには、インテリアとしても映える「ディプティック」のキャンドルをセット。

「イケア」で購入したベッドサイドテーブルには、お気に入りのキャンドルをセット。ベッドは「ニトリ」で購入。

ベッドルームの照明は「ニトリ」で購入した「3灯 LEDシーリングライト」。10段階の調光、11段階の調色ができる優れもの。

ベッドルームの照明は「ニトリ」で購入した「3灯 LEDシーリングライト」。10段階の調光、11段階の調色ができる優れもの。

ベッドルームの照明は「イケア」で購入したペンダントライト。空間に上品な華やかさを演出。

ベッドルームの照明は「イケア」で購入したペンダントライト。空間に上品な華やかさを演出。

照明とプロジェクターの機能を兼ね備えた「アラジン」で空間を広く見せる

「賃貸に住んでいたときから愛用中の、シーリングライト・スピーカー・プロジェクターが一体になった『アラジン』を新居にも設置。テレビを置かずに済むぶん、部屋がすっきりするので気に入っています」

「アラジン」

これから中古マンションを購入する方にアドバイスは?

資産性を重視して家選びを。お金のかけどころと抜きどころを見極めて

「アクセスがよく管理や設備が充実した、資産性が期待できるマンションを吟味するのがおすすめです。私は内見した物件の条件を細かくエクセルで管理して比較・検討していました。インテリアや家電の値段はピンキリですが、リセールが難しめであることや、これからライフステージが変わっていく可能性も踏まえ、手持ちのものを活用したり、プチプラでそろえたりするのも手かなと思っています」

ベッドルーム ニトリのベッドとイケアの照明

陽の光がたっぷり差し込むベッドルーム。左奥の扉の奥には、ウォークインクローゼットを完備。

【コスト編】

予算は8000万円以内で設定。実際の購入費は約6300万円

「物件は、将来ライフステージの変化で家を手放すことになっても売却しやすいように、23区の中でも資産価値が下がりにくい港区・千代田区・中央区に絞って探しました。住宅情報サイト『SUUMO』に登録して物件をチェックしていたのですが、港区と千代田区は1LDKや築年数の古い物件でも1億円を超えることが多く、予算を8000万円以内に設定していたので断念。今後さらに地価の上昇が見込めて、築浅のマンションでも約6000〜7000万円台で手に入る中央区を選びました。
購入したのは当時で築6年の中古マンションで、価格は約6300万円。買ってから2年弱ですが、どんどん資産価値が上がっているので満足しています」

無理なく返せる予算内で、買ったときより高く売れる物件を

「単身で家を購入する上で大事なのは、無理をしすぎないことだと思います。たとえ将来、収入が下がったとしても無理なく払える月々の返済額で、さらに購入時よりも高く売れる可能性のあるエリアを選ぶことが重要。具体的には、物件のあるエリアの家賃相場を調べ、月々のローン返済額と比べて高いかどうかを確認するのがおすすめです。私の場合、その条件をクリアしていた上に、近くに大手企業が多く、この立地であれば必ずこの部屋を借りたい人がいると確信できたことが、購入を決める後押しになりました」

1LDK 洗面所

洗面台の下や鏡の裏に加え、洗濯機の横にも収納スペースが。「仕事柄、コスメのサンプルをよくいただくのですが、この家は収納が豊富なのでとても助かっています」

月々の返済額とローン借入先の選び方

月々のローン返済は約18万円。自分で調べて納得のいく銀行を選択

「35年のフルローンを組みました。金利の低い変動型を選択し、毎月のローン返済額は約18万円です。当初、不動産会社に紹介された銀行から提案されたローンは金利が高くて。私が直前まで海外赴任していたため日本での勤続年数が短く、さらに中央区で6000万円を超える物件を女性一人で購入することが“珍しい”と見なされ、ローン審査が通りづらいという理由からでした。それならばと、自分でいろんな金融機関をあたってみたところ、無事に『auじぶん銀行』で納得のいく条件で組むことができました」

内装費用を賢くカットするコツ

壁紙の張り替えはローコストで実現。業者はしっかり検討を

「築浅で、とてもきれいな状態だったため、大がかりなリノベーションはせず壁紙の張り替えだけ行って入居することに。施工会社を比較検討した結果、約13万円で張り替えてくれる業者を見つけ、費用を抑えることができました。不動産会社が紹介してくれるケースも多いようですが、コストを抑えたいのであれば自力で探すのをおすすめします」

「amazon」で購入したテーブルと、中国のショッピングサイトで見つけた椅子。どちらもお手頃価格でゲット。

「Amazon」で購入したテーブルと、中国のショッピングサイトで見つけた椅子。どちらもお手頃価格でゲット。

女性一人で家を購入することに悩んでいる人にアドバイスは?

家を持つことは、将来のリスクヘッジになる

「私にとって、家を買うことは“借金”というよりむしろ“貯金”という感覚。エリア選びさえ間違わなければ、ライフステージが変わっても家を貸したり、購入時より高く売ったりすることができるので、将来何かあったときのリスクヘッジにもなると思っています。女性が単身で家を買うことに対して否定的な声も聞くのですが、そういった偏見を持つ人とは、そもそも考え方が合わない気がして……(笑)。ある意味、家を持つことがそういった人たちから自分を守る“魔除け”にもなっているのかな、と思っています」

以前の家から持ってきた「LOWYA」の二人がけソファ。「3人がけのオシャレなソファへの買い替えを検討中です」

以前の家から持ってきた「LOWYA」の二人がけソファ。「もう少し大きい、おしゃれなソファへの買い替えを検討中です」

撮影/田村伊吹(1,2)三浦晴(3) 取材・文/海渡理恵 

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