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【市川紗椰の週末アートのトビラ】東京国立博物館「東博コレクション展」をご案内

市川紗椰がご案内 週末アートのトビラ

市川紗椰さんがアートを紹介する連載。第34回は東京国立博物館での「東博コレクション展」を訪問しました。

今月の展覧会は…「東博コレクション展」@東京国立博物館

“昔、学校行事で行ったし…という人ほどハマるはず。大人の博物館の愉しみ”

市川紗椰さん 東京国立博物館で東博コレクション展をご案内

市川紗椰が語る 「東博コレクション展」

この連載で取り上げてきた企画展、「おかわり」で再訪をすることも多いのですが、いつも大盛況ですね。会期限定の展示はレア度が高く見逃せないものですが、私は時折、人ごみを離れて常設展に足を延ばします。定点観測のように再会する所蔵の名品があったり、展示替えのタイミングで新鮮な作品に出会えたり、これがなかなか楽しい体験なのです。今回は、日本で最も古い歴史を持つ東京国立博物館、通称=東博へ。特別展“じゃないほう”の展示の魅力をお伝えします!

広い敷地内に全部で6つの展示館がある東博。今回は本館と平成館を訪れました。2つだけでもけっこうな歩数と充実度! まずは本館、所蔵品と寄託品約3000件で構成される常設展の名称が、4月から「東博コレクション展」に変わり、彫刻展示室がリニューアル。注目の作品は高さ3m近い『金剛力士立像(仁王像)』、長くお寺の山門を守ってきた像ですが、博物館の展示では背面からもじっくり見られるように。最新鋭の照明と展示で迫力満点です! 次は平成館の考古展示室。そこに至るルート上も、江戸や明治の名品ぞろいで寄り道したくなるのですが、お目当ては縄文土器と埴輪。昨年から今年にかけての巡回展「はにわ」にハマった人や見逃した人、埴輪に会いたくなったらぜひここへ! 僕らのホームはこっち(笑)とばかりに、ステージ上でたっぷりとお出迎え。

修学旅行や遠足で博物館を訪れたとき、ピンとこなかったという人も多いはず。でも、大人になって心を開いた状態で見ると、発見があり絶対面白い! 常設とはいえ、展示期間が限られた一期一会の作品も多いので通う楽しみもあります。建物も写真映えする、行きつけのアートスポットとしておすすめします!

特別展だけで見過ごしがちだけれど、いつでもこんなにたくさんの“埴輪”に出会えるって、知ってました?

市川紗椰 「東博コレクション展」@東京国立博物館 形象埴輪・オン・ステージ!本館のお隣にある、平成館1 階の考古展示室。旧石器時代から江 戸時代までの考古資料が展示され、歴史の教科書で見た作品たちと、こんなに近くで出会えます 

形象埴輪・オン・ステージ!本館のお隣にある、平成館1階の考古展示室。旧石器時代から江戸時代までの考古資料が展示され、歴史の教科書で見た作品たちと、こんなに近くで出会えます

市川紗椰 「東博コレクション展」@東京国立博物館   初期の作品(右)『ヤシの木のある家』(1918年)と(左)『シウラナの小径』(1917年)

リニューアルオープンした本館1階の11室。その入り口を守るようにドンと展示されているのが、高さ約3mの木像『金剛力士立像(仁王像)』(平安時代・12世紀)。筋肉の表現やポージングなど、思わず見入ってしまいます。相撲好きとしてもグッとくるものがあります(笑)

市川紗椰 「東博コレクション展」@東京国立博物館  仏像を中心とした彫刻の展示は、作品保護の観点から約3カ月ごとに展示替え。このときしか会えないというお宝も、けっこう多いのです。ガラスケースの透明度の高さや照明技術の進化で、細部まで本当によく見えて面白い

仏像を中心とした彫刻の展示は、作品保護の観点から約3カ月ごとに展示替え。このときしか会えないというお宝も、けっこう多いのです。ガラスケースの透明度の高さや照明技術の進化で、細部まで本当によく見えて面白い

市川紗椰 「東博コレクション展」@東京国立博物館  平成館 考古 展示室入り口には重要文化財『埴輪 盛装女 子』(群馬県伊勢崎市豊城町横塚出土、古墳 時代・6 世紀)が2026年2 月1 日まで展示。 文字どおり、古墳時代の"盛れてるファッシ ョン"がわかる!

平成館 考古展示室入り口には重要文化財『埴輪 盛装女子』(群馬県伊勢崎市豊城町横塚出土、古墳時代・6世紀)が2026年2月1日まで展示。文字どおり、古墳時代の“盛れてるファッション”がわかる!

「東博コレクション展」@東京国立博物館  ユニークな縄文時代の 重要文化財『人形装飾付異形注口土器』(北 海道北斗市茂辺地出土、縄文時代〈後期〉・前 2000~前1000年)は、9 月7 日まで考古展示 室で展示中 

ユニークな縄文時代の重要文化財『人形装飾付異形注口土器』(北海道北斗市茂辺地出土、縄文時代〈後期〉・前2000~前1000年)は、9月7日まで考古展示室で展示中 

「東博コレクション展」@東京国立博物館  平成館 考古展示室にひしめく形象埴輪たちの間に、可愛らしい動物の姿を発見。9月28日まで展示中の『猪形埴輪』(大阪府堺市陵西遺跡出土、古墳時代・5~ 6世紀、伊藤福次氏・橘喜一郎氏寄贈)は、鼻の穴をよく見ると、確かにイノシシらしい特徴をとらえていて感心します

平成館 考古展示室にひしめく形象埴輪たちの間に、可愛らしい動物の姿を発見。9月28日まで展示中の『猪形埴輪』(大阪府堺市陵西遺跡出土、古墳時代・5~ 6世紀、伊藤福次氏・橘喜一郎氏寄贈)は、鼻の穴をよく見ると、確かにイノシシらしい特徴をとらえていて感心します

トビラの奥で聞いてみた 市川紗椰×東京国立博物館 彫刻担当研究員 増田政史さん対談

展示室のトビラの奥で、教えてくれたのは… 東京国立博物館 彫刻担当研究員 増田政史さん

市川 本館1階、大階段のすぐ左手にある展示室のリニューアルに伴い『金剛力士立像(仁王像)』が入り口で出迎えてくれるようになりましたね。

増田 はい。平安時代後期に作られたもので、滋賀県にあったお寺の門に安置されていました。金剛力士像というと、奈良の東大寺南大門にある運慶・快慶の作品が有名です。あちらは鎌倉時代のもので、どちらかというと写実的、筋骨隆々の力強いアスリート体型。当館の金剛力士像を見比べてみますと……。

市川 後ろまで回り込んで見られるのがお寺と博物館で大きく違うところ。この力士像は、特に背中の肉づきが、どこかプリッとして柔らかい印象です。

増田 そうなんです。力強さの中に穏やかさや優しさが感じられるのは、文化の担い手が貴族であった平安時代の作品ならでは。ぜひ生で確かめにきてください。

市川 歴史や美術の知識が増えてから見ると、なるほど!と気づくことが多いです。それにしても生き生きとしていて、1000年近く前のものとは思えません。

増田 この仁王像は、1934年の室戸台風で大破しバラバラの状態になったのです。が、’70年頃に仮組みをしたところ、オリジナルのパーツがけっこう残っていることがわかりました。さらに本格的に修理を行い、2022年に当館に収蔵、特別展で短期展示されました。その後ようやく、この場所に通年展示されることになったのです。

市川 展示期間の長い作品は、いつでも会える東博のシンボルのようですね。

訪れたのは…東京国立博物館

市川紗椰が東京国立博物館 東博コレクション展へ行く

本館1階エントランスには、映画やドラマのロケ地としても有名な大階段があります。撮影OKの映えるスポットで、有料でウエディングフォトの撮影にも貸し出しているそうです

【展覧会DATA】東博コレクション展

東京都台東区上野公園13の9
9時30分〜17時(金・土曜、翌月曜が祝・休日の場合の日曜は〜20時。入館は閉館の30分前まで) 
休館日/月曜(ただし月曜が祝・休日の場合は開館し、翌平日に休館)
館内一部写真撮影可能(寄託品を除く) 
https://www.tnm.jp

市川紗椰

ファッションモデル

市川紗椰


2月14日生まれ。ファッションモデルとしてのみならず、ラジオ、テレビ、広告などで幅広く活躍中。鉄道、相撲をはじめとした好きなものへの情熱と愛の深さも注目されている。大学で学んだ美術史から現代アート、サブカルチャーまで関心も幅広い。

ジャケット¥94600/三喜商事(マレーラ) ニット¥23100/ティッカ パンツ¥33000/アッシュプラスエリオトロープ(エンリカ) バッグ¥19800(マルシェ)・ピアス¥18700(パスカル リオン)・ブレスレット¥264000(マルセラ・サルバドール)/フラッパーズ リング(右手)¥15400(kopoli)・(左手)¥5280(G.R)/ロードス 靴¥12100/コンバースインフォメーションセンター(コンバース)

撮影/柴田フミコ ヘア&メイク/猪股真衣子〈TRON〉 スタイリスト/平田雅子 モデル/市川紗椰 取材・原文/久保田梓美 ※BAILA2025年8・9月合併号掲載

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