セックスについて、人には話しにくいリアルな声に寄りそう「大人のセックスもやもや相談室」。今回は、BAILA読者から寄せられた「結婚して10年。夫とキスすらしたくない。このまま枯れていくの…?」というお悩みに、臨床心理士・公認心理師 みたらし加奈さんとフェムテック企業 fermata COO 近藤佳奈さんが回答!
【読者のリアルなケース】結婚して10年。夫とキスすらしたくない。このまま枯れていくの…?
結婚して10年、マンネリもいいところです。夫は休日はお風呂にも入らず、歯も磨かない(汗)。「夫よ、ごめん」と思いながらも、キスすらしたくないのが正直な気持ちです。ほかにも楽しいことはあるけれど、性に関してはこのまま枯れていくだけなのか、と考えると少し寂しい気もします。かといって夫とはセックスしたくないし、不倫する気もない。もう若いときみたいにセックスを楽しむことはないのでしょうか? もやもやしています。(40歳・事務)
パートナーに対する不満を「マンネリ」で片づけていませんか?
臨床心理士・公認心理師
みたらし加奈さん
性被害や性的同意に関する情報を発信するメディア「mimosas」の代表副理事を務める。
「まずは“夫とセックスをしたくない”と感じている自分を大切にしてあげて。そして、今のあなたが思う理由には“それだけじゃない”ことも隠されているかもしれません。たとえば、相手に求められて仕方なく応じた、自分は好きじゃないプレイにつきあわされた、など、嫌な思いが積み重なることで、パートナーや身体接触への嫌悪感につながることもあります。無意識でも、あなたの嫌悪感には理由があって、そういった不満による不和を、“マンネリ”という言葉でふたをしていないでしょうか? パートナーであっても性的同意は必要。まずは嫌悪感の原因を解明することが、もやもやの解消につながるはず。その結果、パートナーとの関係を修復したいと感じたら、自分の希望を伝えることから始めてみてください」
自分は「性」に何を求めているのか。セルフケアを通じて、追求してみて
フェムテック企業 fermata COO
近藤佳奈さん
日本、アジアのフェムテック市場創出を支援するfermataにて事業戦略、マーケティングを統括。
「セックスをしないと女性として枯れてしまうという考えがどこから生まれているのか自分自身と向き合ってみるのはどうでしょうか? 保湿や筋トレは、そのきっかけにもなると思います。膣まわりにある骨盤底筋は、トレーニンググッズを使えば鍛えやすいですよ。丁寧に向き合う過程で、自分が本当はどうしたいのかが見えてくるかも」
ボールを挿入し、落ちてこないように保つことで骨盤底筋を鍛えられる。Blush ケーゲルトレーニングキット - Blush ¥4510/fermata
イラスト/misaitoi 構成・原文/中西彩乃 ※BAILA2023年7月号掲載