BAILA WEB会員321人に実施したアンケートにおいて浮彫りになったのが、昨今社会的にも問題になっている職場の「長時間労働」。「長時間労働問題、あなたの会社はどうなると思いますか?」という問いに、「見直すと思う」が32%、「変わらないと思う」が54%、「残業はもっと増えると思う」が9%、「その他」が5%、という結果に。
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「春に復帰予定。看護師ですが慢性的な人不足で夜勤に入らないといけない雰囲気」(32歳・看護師)「そもそも増員がないので仕事量は変わりようがない」(29歳・サービス業)「残業という概念がないノルマ制なので、できなければ休日も返上」(31歳・会社員)という声が聞かれました。
そんな女性のこれからの働き方に当事者として興味深々なスーパーバイラーズ3人が女性活用ジャーナリストの中野円佳さんと対談。長時間労働問題についても語っています。
「長時間労働も、今後は減ってくるのでしょうか。うちの会社はアウトソースできることはして、なるべく残業しないようになっているのですが」(石井恵梨子さん)。「そうなるでしょうね。女性が仕事と育児の両立にくるしむのは、夫の長時間労働も原因のひとつ。国はこれまでの10年は女性の仕事と育児・介護の両立支援に力を入れてきましたが、これからは女性が活躍しやすい職場環境をつくる機会均等推進に力を入れていくでしょう。それには、男女問わず長時間労働をなくすのは不可欠。みんなが定時に帰るようになれば、ワーキングマザーが残業できないことはハンディキャップにはならなくなるはず」(中野さん)。「本当にそうですね。子供がいる友達が、時短利用中だけど繁忙期にほかの人が残業していると申し訳なくて帰りづらいと言っていました」(菊地実李さん)。「ワーキングマザーが周囲とうまくやっていく秘訣って何かあるのでしょうか」(加藤和歌子さん)。「私が先輩から言われて印象に残ったのが、まず自分が周囲に貢献するといいよ、という言葉。自分はここ得意だからやるよ、と自分からサポートを申し出れば、相手も、ありがとう、じゃあここは私がやるよ協力関係ができますし、困ったときに助けてほしい、と頼みやすくなります」(中野さん)
「時間はないけど経験はあるという先輩ママ社員と、経験は浅いけれど時間はあるという後輩女性。後輩にとっては将来のロールモデルにもなるわけで、お互いが補完しあえれば、より女性が働きやすく、生産性も上がる職場になると思います。それにこれって、多様な人材を生かすというダイバーシティの理論にも当てはまるんですよ」(中野さん)。「働き方自体も変わってきていますよね。リモートワークに力を入れたりとか」(石井さん)。「今後さらに増えるでしょうね。在宅勤務が育児中の女性だけに許されていた時代は、女性側に特別扱いで気が引けるという思いもありました。でも、リモートワークの対象者が全員に広がればそれも解消されます。こうした働き方の多様化も含め、10年後はもっと女性が働きやすく、能力を発揮しやすい社会になっていると私は期待しています」(中野さん)。
本誌3月号「私たちの10年後の働き方、どうなってますか?」ではさらに詳しく中野さんと3人のスーパーバイラーズの対談が繰り広げられています。ぜひチェックしてみてください。
(トップ画像)撮影/金谷昇平 ヘア&メイク/笹本恭平(ilumini.) スタイリスト/室井由美子 モデル/絵美里 (写真①)撮影/江原英二 ヘア&メイク/中村末幸 スタイリスト/佐藤佳菜子 モデル/絵美里 (対談)撮影/フルフォード海