これからバイラ世代が、仕事とライフを両立させていくうえで、気になるキーワードを少子化ジャーナリストの白河桃子さんが解説!
昨年施行の「女性活躍推進法」により、国や自治体、従業員301名以上の企業などの女性の活躍に関する情報(男女の勤務年数の差や女性管理職の割合、残業時間等)公開が義務に(300名以下の企業は努力義務)。「公開というのは大きいですね。世間の目もあるので、企業は改革に本腰を入れざるをえない。公表データを、転職や就職の参考にするのも一案」(白河桃子さん)。
「待機児童がなくならないいちばんの理由は、保育士不足。賃金が見合わないという理由で、なり手が減っているのです」。そこで国は新年度から保育士の賃金を約6000円上げることを決定。問題が深刻化している東京都は、保育士一人につき月額2万円補助を発表した。「これで待機児童解消に、まずは一歩というところでしょう。また、都市部では幼稚園の預かり保育やこども園が開設され、万が一保育園に入れない場合の選択肢は広がっていくと思います」(白河桃子さん)
労働基準法では月間時間外労働は45時間までと定められているものの、労働協定を結んでしまえば、事実上上限なく働けるのが現在の日本の制度。「私が参加している総理大臣直下の働き方改革実現会議では、労働時間の上限設定やインターバル規制の義務化などが話し合われています。女性活躍推進法に基づいた認定企業(えるぼし認定企業)の評価項目に残業が45時間以内があげられるなど、国は長時間労働是正に真剣に向き合い始めました」(白河さん)
今年1月からいわゆる「マタハラ防止措置」が義務づけられ、事業主だけでなく、上司や同僚も対象に。社内報や研修などでの周知・啓発や、相談窓口の設置、加害者・被害者への適正な処置などが織り込まれています。「マタハラに限らず、被害にあったら声をあげること。一人ひとりの声が集まれば、社会が変わる可能性はあります。妊娠前の女性たちこそ、不安を感じたら会社に訴えてほしいですね。貴重な労働力を失いたくないと、改善に乗りだすかもしれません」(白河さん)
イラスト/かくたりかこ