リモートワークの普及や働き方の多様性がうたわれる今、メジャーになりつつある「副業」。今の副業事情を知るリクルートの担当者に、副業の定義からトレンド、上手な始め方や押さえるべきポイントを聞きました。
株式会社リクルート
古賀敏幹さん
株式会社リクルート ソーシャルリレーション推進部『サンカク』グループ責任者。社会人の社外活動を支援することを主軸に、企業の経営支援や採用ブランディングの支援を行う。
会社を越えて成長企業に参画できるサービス。都市部の副業人材と地方企業をつなぐ「ふるさと副業」や他社でインターンシップを経験できる「社会人インターンシップ」を展開。
https://sankak.jp/
【Point1】お金に限らず 「報酬」をもらったらそれは副業になる
「本業とは別に業務を依頼され受諾をし、責任・報酬が発生したらそれはもう副業といえます。『報酬』というのは、金銭に限らず、たとえば地方の農家さんで働き、働いた対価としてその土地で採れた地場の野菜などをもらったら仕事の契約が成立したこと。少ししか働いていないから副業ではないというわけではないので、ご注意を!」
【Point2】バイラ世代の副業は自己実現の先に社会貢献を見据えている
「20代後半〜30代前半の人の副業探しの目的に多いのが『自己実現をしたい』という理由。本業は、あくまで安定した収入を得るために続けたい、副業ではやりがいを感じたい様子。ただ、なりたい自分になるためにやみくもに副業をするのではなく、せっかくならば社会的価値のある副業を選び、社会貢献することで自己実現したいという意見も多数。自分以外に視野を広げられる余裕は、バイラ読者世代ならではの傾向」
【Point3】自分の軸が定まっているかで副業の成功は決まる
「どんな副業を選んだらいいのかわからないという人は、まず『自分が何に時間を費やしたいか』というのを軸に考えてください。副業は、ある意味余暇時間を消費する活動でもあります。本業に生かせる業種ならできるのか、通勤時間を割いてまでは嫌だったらテレワークならいいのか、収入を最優先にしたいのかなどによって選ぶ仕事も変わり、選択肢がしぼられていくはずです」
【Point4】自分らしい副業を探すなら「自分にあるスキル」と「やりたいこと」を書き出して
「『内容にワクワクするか』と『自分のスキルを生かせるか』の両方の視点を持つことが大切。順番はやりたいこと先行でも、スキル先行でもOK。スキル=資格と思いがちですが、そうではありません。やりたいこと先行で考えるならば、やってみたい仕事についての課題をピックアップし、それを自分ならどう解決するかアイディアが思いついたらスキルを生かせると考えて◎」
【Point5】本業あっての副業。本業への配慮も忘れないで!
「そもそも本業では副業を許しているのか、というのは言わずもがな。副業をする際に申請は必要か、労働時間や収入額に上限はあるか、職種に制限があるかなど、事前に本業の人事に条件の確認をするのはマスト! 条件として多いのは、『副業で雇用されてはいけない』『情報漏洩の線引きが曖昧なので競合の会社はNG』という2種類」
【Point6】副業の目的によって探し方は異なる
「①副業先をゆくゆくの転職先として考えるなら、社風や働き方など長く続けられるかが重要。②将来独立が視野にあるなら、自分がやりたいジャンルに副業でどれだけ関わることができるかも重要に。③今後も本業を辞める気はゼロなら、勤務時間や業務量など両立のしやすさも重視するべきです。副業で人脈を広げたいから大企業を志望する人もいますが、それは副業以外の異業種交流などでもできることを忘れず!」
イラスト/ヤマサキミノリ 取材・原文/宮田彩加 ※BAILA2022年12月号掲載