30代の婦人科系悩み&疑問に、医師がお答え! 今回は、妊娠検査薬でのセルフチェックで「もしや妊娠したかも……?」という時期に知っておきたいことをお届けします。
「妊娠検査薬を使ってみようかな」「妊娠検査薬で薄い線が出た」……そんな時期、知っておきたいこととは?
30代女性のお悩み&疑問
・「生理予定日に妊娠検査薬を使ったら陰性。妊娠していないってこと?」
・「妊娠検査薬での陽性の線が薄い。薄いと消える可能性も!?」
・「妊娠検査薬で薄い陽性の線が出た! 母子手帳が欲しいので、すぐに産婦人科へ行ってもいい?」
妊娠しているかも……という微妙な時期は、気になることがたくさん! 30代ユーザーの疑問、専門医のアンサーですっきりしましょう♪
医師のお答え!
【監修】椎名邦彦先生 「こすぎレディースクリニック」院長
<プロフィール>
聖マリアンナ医科大学卒業、同大学院博士課程修了。カナダ・モントリオールマギル大学博士研究員(不妊治療)、聖マリアンナ医科大学病院産婦人科医局長、メディアージュクリニック青山院長(美容皮膚科・婦人科)(2007年〜2014年)、東京女子医科大学附属青山女性医学研究所美容医療科、愛育病院(東京・港区)など産科医療に20年以上携わるほか、不妊症治療専門クリニックにて最新治療に携わり、2015年3月、「こすぎレディースクリニック」を開院、現在に至る。最新の産婦人科・美容医療に、東洋医学などの代替医療やアンチエイジング医療を取り入れながら、女性がいつまでも健やかで美しくあるための医療を提供。基本姿勢は「癒して治す」。
Q:「妊娠検査薬はいつ使ったらいいの?」
A:月経開始予定日の1週間後に。とはいえ陰性でも可能性ゼロとは言い切れない!
「妊娠しているかも……?」というときに気になるのが、妊娠検査薬の正確性ですよね。
適切な検査の時期は、月経開始予定日から1週間後です。というのも、月経予定日に検査をしても陽性にならないことも多くあるのです。
妊婦さんの診察でお腹の赤ちゃんの大きさを見ていても、妊婦さんご本人が思っているよりも排卵が遅れたと推察できるケースが実はかなり多いのです。
排卵日から2週間経っていれば検査で正確な判定が出ますが、検査するタイミングが早過ぎたために、実はまだ2週間経っていないかったというケースも多々あります。
産婦人科にかかっていて、排卵日が確実に分かっている場合を除いては、月経開始予定日のセルフ検査が陰性でも、妊娠の可能性はゼロではない、と覚えておきましょう。
Q:「妊娠検査薬の陽性の線の色が薄い……。陰性に戻る可能性も?」
A:薄くても線が出れば陽性
線が薄くても、基本的には陽性と判断します。
3〜4日ほど置いて再度検査して、線が濃くなり、妊娠が継続しているかどうかを確認しましょう。
Q:「妊娠検査薬で陽性の判定! 心配なのですぐに産婦人科を受診してもいい?」
A:月経開始予定日の10〜14日後が理想的
月経開始予定日から10〜14日ほど経つと、超音波検査で胎嚢が確認できるようになります。それより早く受診してもまだ確認ができずに、再度受診することになる可能性もあります。
Q:「妊娠検査薬で陽性が出て病院で赤ちゃんが確認できたら、母子手帳をもらえるの?」
A:心拍が確認できてから案内を渡す産婦人科が多い
妊娠何週のタイミングで受診したかにもよりますが、胎嚢が確認できた段階では母子手帳取得の案内を出さない産婦人科がほとんど。心拍が確認できると初期流産の割合が減ってくるので、その頃の受診で案内をもらえる場合が多いでしょう。
心拍は妊娠6週過ぎ、7週を過ぎていたら確実に確認できます。
産婦人科では初診で胎嚢を確認、2回目に心拍を確認という方が多いです。
Q:「妊娠で産婦人科を受診した場合、いくらくらいお金がかかるの?」
A:初診は1万円程度。母子手帳をもらうまでは全額自己負担
クリニックにより差が大きいのですが、1回目は1万円くらい。
どのクリニックであっても、母子手帳をもらうまでは全額自己負担。
妊娠、出産でかかる費用は、保険治療ではないので基本的には自費です。地方自治体からの補助金は出ますが、保険により自己負担額が少ない病気での受診とは異なることを知っておきましょう。
また、同じ都道府県内であっても、地方自治体により妊婦健診費用の補助券の枚数が異なるなど……かなりの差がありますので、お住まいの地方自治体のHPなどで確認しておくとよいでしょう。
Q:「妊娠したかも……というときの初診は、パートナーの付き添いが一般的? 籍を入れてない相手でも大丈夫?」
A:女性ひとりでの受診も多い。結婚前でも問題なし
女性ひとりで受診される方も多いですし、結婚していないパートナーと来る方もいらっしゃいます。未婚で妊娠し、妊娠中に籍を入れる方も多いです。
ただ、現在(2020年)は新型コロナウイルス感染症の感染防止のため、同伴者を制限し、妊婦さん本人だけに受診を限定している産婦人科も増えています。
初診の前に病院のHP、電話などで確認するとよいでしょう。
セルフチェックで妊娠が判明したばかりの頃は何かと不安も多いもの。今の状況や、今後の産婦人科の対応の流れなどを確認して、安心して過ごしたいものですね。
取材・文/櫻木えみ 企画/斉藤壮一郎〈BAILA〉