28歳、独身、職ナシ女子の甘くほろ苦い幸せストーリー『甘いのはお好き？』をレビュー【バイラ女子におすすめコミック】

©永田正実／集英社

唯一の独身仲間の親友がデキ婚して寂しくなっていたところ、結婚式で出会った男性といい感じに……と思いきや、曲がったことが許せない性格が出て、場を凍りつかせてしまう主人公・幸可28歳。お菓子作りも愛想もよく、ルックスも上々な彼女の悩みは“正義感が強すぎて、怒りのリミッターが切れると周りが見えなくなる”こと。確かに手放しには褒められないが、彼女が怒る理由は食べ物を粗末にすること、万引き、セクハラなど、至極まっとうだ。なのに周囲に陰口をたたかれたり、距離を置かれたり……。ああ理不尽。

忖度は、社会生活にある程度必要なことでもある。“気配り”が、人間関係の潤滑油になるのならいいけれど、立場の弱い人の声を奪う壁になることもあるのでは？とも思う。だから幸可の“正しい”言葉が刺さる。彼女自身は毎回反省しているけど、本当はもっと声を上げてもいいはず。空気を読まない質問や言葉が、状況を改善するキッカケになることもある。幸可のポジティブさと不器用さから学ぶことは多い。

『甘いのはお好き？』
永田正実著
集英社　1巻～　528円

お菓子作りが得意な幸可は親友のウエディングケーキの製作を依頼される。式当日、会場で出会った男性といい雰囲気になるも、幸可は彼のある行動にブチ切れてしまい……。

『けむたい姉とずるい妹』
ばったん著
講談社　1巻～　726円 

絡み合うのは思慕と嫉妬…ないものねだりの姉妹バトル！
母親の死を機に、絶縁状態の姉妹と姉の元カレで現・妹の夫で同居生活を開始。どう考えても穏やかじゃない暮らしの行方は⁉