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許したいのに許せない。凝ってる心のほぐし方を心療内科医がアドバイス【心療内科医の処方箋2】

家族、友人、上司のあのときの言葉や行動に今でもとらわれてしまう。許すことができない。自分を苦しめる「根に持つ」の取り扱い方とは? 読者の「根に持つ」エピソードに心療内科医・鈴木裕介さんからアドバイスをいただきました。

BAILA読者の「根に持つココロ」に心療内科医の処方箋

BAILA読者の「根に持つココロ」に心療内科医の処方箋

・時間とともに忘れたい…61人
・根に持つことをやめたい、減らしたい…58人
・とらわれていることがつらい...55人
(アンケートは2022年7月6日〜10日に実施しました)

結婚式に大勢呼びたかったが、夫がかたくなに誰も呼ばないと言い張り、私が合わせるしかなかった。(33歳・メーカー)

【処方箋】気がすむまで不満を伝え続けてみる  
「パートナーにだけは“根に持つ”ことがないほうがいいですね。ため込むのは不健全なので、気のすむまで吐き出してみては? “いまさら?”なことにもお互い耳を傾け続けるのがいい関係への近道です」

ずっと頑張っていた仕事で大きな成果が出たとき、上司に「〇〇さん(前任者)にもお礼を言っておいたから」と言われた。その前任者がまったく成果を出せていないなかで担当を交代し、その後に出た成果なのにそんな発言。もうその上司の指示には従いたくないし、信用できないし、高く評価するつもりもない、すべてが嫌いになった!(33歳・製薬メーカー)

【処方箋】信用も評価もしなくてOK!   
「有効そうな対応方法がないときに、心の中で相手を“信用しない”の棚に入れることは大切なこと。好きになろうと頑張りすぎて削られる必要はありません。“上司として有能ではない人だ”と割り切って」

性格のせいもあり日々嫌だったことは根に持つ。(37歳・ITエンジニア)

【処方箋】嫌なことを嫌だと思う心は大事    
「いいことだと思います。嫌なことを捨て置かずに“嫌だったな”と認識するのはメンタルケアの視点でも大事なこと。モヤモヤする場合は、信用できる誰かに話すか、紙に書き出して発散するのも◎」

小学生のとき、教科書を忘れた友人に見せてあげていたら先生に「忘れたのどっち?」と怒りぎみで聞かれ、困っていると友人が私を指さした。好意で見せたのに…とショックで、下校してすぐキッチンにいた母に話を聞いてもらい、励ましてもらった。(32歳・営業)

【処方箋】大きな傷つきはずっと忘れられなくて当然     
「あなたはまったく悪くない。幼いあなたは善意を裏切られて大きく傷ついたのだと思います。忘れられないのも当然です。“大昔のことをいまだに根に持っている……”なんて自分を責めないでくださいね」

自分がやりたいことのために進学したかったのに、親に反対された。親の望む道にしか進めなかった。大人になってからもやっぱり後悔している。(30歳・医療事務)

【処方箋】「反抗期」は今からでも遅くない!     
「後悔も恨みも当然のものですが、“親に自分の人生を壊された”という気持ちだけでは幸せにつながりにくいかも。反抗期はいつ始まってもOK。30歳から反抗して“今できること”で幸せに近づきましょう」

産後、病院のつきそいを頼んでいた母から前日に「予定を入れた」と普通に言われた。段取りを変更、病院に連絡…もう頼りにしないと決めました。(34歳・建設業)

【処方箋】理解のない親に頼らない判断は賢明      
「産後の不安はシリアスなもの。わかってくれない人を頼りにしないほうがいいと思います。親は世代も常識も違うので、人生のイベントでは意外と頼りにならないことも多い。この判断は賢明です」

「怒り」や「根に持つ」を抑圧しないで

「“根に持つ”というのは“怒り”という感情の保持。根に持ちやすい人は“怒り”を抑圧してしまう傾向があります。なぜなら“怒り”を悪い感情だと思っているから。しかし、“怒り”にも役割があります。他者との境界線を作る燃料になる。簡単に言うと、うまく使えば嫌な人や失礼な人を退けられるんです。ポジティブに使えばOK!と認識し、封じ込めないように。“根に持つ”も“怒り”も無視するとより帯電するものです。私も10年以上前に出会った嫌な上司に対し怒りを持ち続けていますが、抑圧せずヘルシーに根に持っています(笑)」

鈴木裕介さん

心療内科医

鈴木裕介さん


すずき ゆうすけ●内科医、心療内科医。 『我慢して生きるほど人生は長くない』(アスコム)など、著書多数。

イラスト/Asami Hattori   取材・原文/東 美希 ※BAILA2022年10月号掲載

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