30代の肌悩み&疑問に、医師がお答え! 今回は、大人ニキビをどう治療するか? についてお届けします。
できてしまった大人ニキビ……適切な治し方って?
30代女性のお悩み&疑問
・「大人ニキビにも思春期のニキビと同じ市販の軟膏を塗っている。これであってる?」
・「ニキビの治療で抗生物質を処方されて何ヶ月も飲んでいたらカンジダに……。別のお薬はない?」
30代も悩まされている人が多い大人ニキビ。人気クリニックの先生が、30代読者の疑問に答えてくれました!
医師のお答え!
【監修】椎名邦彦先生 「こすぎレディースクリニック」院長
<プロフィール>
聖マリアンナ医科大学卒業、同大学院博士課程修了。カナダ・モントリオールマギル大学博士研究員(不妊治療)、聖マリアンナ医科大学病院産婦人科医局長、メディアージュクリニック青山院長(美容皮膚科・婦人科)(2007年〜2014年)、東京女子医科大学附属青山女性医学研究所美容医療科、愛育病院(東京・港区)など産科医療に20年以上携わるほか、不妊症治療専門クリニックにて最新治療に携わり、2015年3月、「こすぎレディースクリニック」を開院、現在に至る。最新の産婦人科・美容医療に、東洋医学などの代替医療やアンチエイジング医療を取り入れながら、女性がいつまでも健やかで美しくあるための医療を提供。基本姿勢は「癒して治す」。
Q:「“大人ニキビ”の治し方って?」
A:まずは軟膏で治療
思春期のニキビに使われる治療薬は外用としての抗菌剤、大人ニキビの治療薬はそれに加えて、過酸化ベンゾイル(毛穴詰まり改善し新しいニキビをできにくくする効果、抗菌作用)を使うことが多いです。
市販の薬を使う場合は、「ニキビ治療薬」と書かれたものを選びましょう。
(市販薬は治療ガイドラインの中では低いランクに入るため、治療に使用するのであれば保険適用薬をオススメします)
スキンケア商品を購入する場合は、商品やパッケージに「ノンコメドジェニックテスト済み」と記載された「ノンコメドジェニック化粧品」がオススメです。
化膿したニキビや、“めんちょう”と呼ばれる大きな吹き出物の場合、皮膚科では抗生物質も併せて処方されます。1か月ほど飲んで様子をみるのが一般的です。
A:漢方薬という選択肢も
当院でもニキビ治療で処方しているのが漢方薬。
抗生物質を飲む治療では、お腹がゆるくなったり、カンジダ膣炎になってしまう……という患者さんにも処方しています。
清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)→赤味のあるニキビに。飲んでいるとニキビができにくくなるというメリットもあります。
ヨクイニン→ハトムギの主成分。ニキビ痕の赤みにも効果があります。
桂枝茯苓丸加薏苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)→肌と婦人科系、両方に効果があるので、症状をみて処方しています。
黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)→化膿しているニキビに。炎症を鎮めてくれます。
体質や症状によって処方が変わる漢方薬も興味深いですね。気になる人は皮膚科で相談してみましょう。
取材・文/櫻木えみ 企画/斉藤壮一郎〈BAILA〉