こんにちは、スーパーバイラーズの前川です。
心に響く、おすすめの小説をご紹介。【ウエハースの椅子】は何度も読み返す大好きな一冊です。江國香織さんの本はどれも、言葉選びが真っ直ぐで、本当に綺麗!
物語は、現在の恋人との毎日を描いています。
その間に、幼少期の回想シーンや妹との会話、動物たちのことなどが散りばめられています。
穏やかな日常が描かれているはずなのに、その巧みな言い回しが心にずん、とひびくんです。
「あのキャラメル。それが一箱あるだけで単純に幸福だった。先のことは途方もなさすぎて、心配もできなかった。キャラメルは、現実に私のものだった」
「紅茶に添えられた角砂糖でいるのが、たぶん性に合っていたのだろう。役に立たない、でもそこにあることを望まれている角砂糖でいるのが」
日常を想起させながら、こんなに心に響く文が書けるでしょうか!
主人公の置かれた状況は特殊かもしれませんが、誰しもが感じるような、子どもから大人になる時の感覚や、思うように生きられない歯痒さなど、共感する箇所があると思います。ぜひ、ゆっくり読んでいただきたいです✨