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「ジョルジュ・ルオー アトリエの記憶」彼が命をかけたもの

皆さんこんにちは!スーパーバイラーズの松浦なつです。

今回は、パナソニック汐留美術館で開催されている、「ジョルジュ・ルオー アトリエの記憶」(2026年4月11日~6月21日)についてご紹介します🖼️

重厚な黒い輪郭線と、まるでステンドグラスのように輝く深い色彩で知られるフランスの画家、ジョルジュ・ルオー。

今回の展覧会は、彼の素晴らしい「作品」と彼の生き方にスポットを当てた、とても見応えのある内容になっています。

ルオーが長い年月をかけて戦った「裁判」

この展覧会を観る上で、ぜひ知っておきたいドラマが、ルオーが生涯をかけて戦った「絵の権利を巡る裁判」です。

ルオーは有名な画商アンブロワーズ・ヴォラールと、ある契約を結びました。それは「ルオーの作品をすべてヴォラールが買い取る代わりに、制作のための一室(アトリエ)を提供する」というもの。

しかし、ヴォラールはルオーがまだ「未完成だ」と思っている作品もサインを求められ、世に出してしまうこともあったそう。そしてある時、ヴォラールが事故で急死。未完成の作品たちも、そのままヴォラールの遺族の手に渡ってしまいました。

遺族側は「契約に基づき、これらはすべて自分たちの所有物だ」と主張。これに対し、ルオーは「未完成の作品を世に出すわけにはいかない。それを仕上げるか、未完成とするかを決める権利は画家本人にある!」と、絵の権利を巡って裁判を起こしたのです。

勝ち取った勝利と、作品の焼却

裁判は長年続き、最高裁で下された判決は「ルオーの勝訴」でした

「作品が完成したかどうかを判断する権利は画家にあり、未完成の作品の所有権は画家に帰属する」という、現代の著作権(著作者人格権)の先駆けとなる歴史的な勝訴でした。

こうしてルオーは、ヴォラール側から何百点もの未完成作品を取り戻すことに成功します。

しかし、ドラマはここで終わりません

ルオーは自らの作品を何年もかけて完成させていたことや、自身がすでに高齢になっていたことから取り戻した膨大な未完成作をすべて自分の手で完成させる時間は残されていませんでした。

「自分が納得いかないクオリティのまま、未完成の絵を後世に残すことはできない」

そう決意したルオーは取り戻した作品のうち、どうしても完成させられないと判断した約300もの作品を、自らボイラーの火の中に投じて焼却処分したのです。

ルオーが守りたかったもの

「ジョルジュ・ルオー アトリエの記憶」彼が命をかけたもの_1

この話を聞き、ルオーが自分の作品に対する強い想い、そして自分の大切なものを守るために何年も戦い続けた信念を感じました。

ルオーがこれほどして守りたかった作品達。

【完成】された作品はどれも立体感が出るほど絵の具が何層にも何層にも塗り重ねられており、時間と愛情をかけて大切に育てられ、世に出されているものなのだと感じました。

自分の大切なもの達を守り後世に残したルオーの素晴らしい作品を、皆さんにもぜひ観ていただけたら嬉しいです。

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