こんにちは。さわこです。
「サムシング」、「シックスハーフ」、「ハコイリのムスメ」、「FUTAGO」―…と、数々の名作（どれも人間と自分の感情について考えさせられる）を拝読させてきましたが、今作はそれすらも超えてしまう池谷理香子先生の最高傑作なのでは…!?と勝手に思っています。
「テトテトテ」
2025年12月現在、６巻まで発売されています。
偶然、一緒に交通事故に遭った藍、健太、睦美の３人が、生き延びる条件として「１日１回３人で握手しないといけない」を人生に課されてしまった――というのが大前提として進むお話。
特殊な生育環境だったことが影響し、（せっかく美人なのに）人付き合いが本当に本当に苦手で「筋金入りの自主的ボッチ」（by藍）を貫いている主人公のＯＬ、藍。
私も職場の環境がやや閉鎖的なこともあり、自主選択によるボッチ生活（焼き肉含めご飯は１人で行く方が大好きです…）に共感しながら読み進めていたのですが…
藍は生きるノルマとして握手をこなさなければいけない状況から、必然的にボッチで過ごすわけにはいかなくなってしまったのでした！！
３人はある意味家族以上の関係が迫られる事態に…。
睦美の失恋を励ましたり、高校生の健太に対する年上としての振る舞い方を模索したりする内に、
藍が（アラサーなのに「小学生か」（by高校生の健太）と言われることもあったくらいだけど）
人間として成長していく過程がひじょーーーに魅力的に描かれています…！！！
本作品、睦美も健太も、藍に関わる同僚も、登場人物全員がみんな基本的にいい人であたたかいんです…。
そう！！！これがこの作品の凄いところだと！
他の作品って、主人公の成長を描くのにライバルや悪役を用いることが多いと思うんです。
おそらくそれが主人公と対比させたり、成長を印象づけるのに簡単だからかな？と思うのですが…
テトテトテでは、藍を含め登場人物が周囲の行動を受けて何を考えたか、それを受けてどうしていくか、が非常に丁寧、時に客観的、なのにさらっと描かれていて、あふれるリアリティからこちらもつい感情移入、ひいては胸に迫ってくるのです…！
本当に凄い。
（３人のクリスマスパーティーや藍と睦美の冷戦状態のシーン、本当に泣けました…）
人付き合いさえ苦手だった藍が、健太を通じて異性との付き合い方でも急成長を見せていくのがドキドキです…！
登場人物みんなあたたかいからこそ、こちらもストレスなく読み進められる、
けど人との関わりってどんなだっけ、とふと考えさせてくれる「テトテトテ」
現状を見直す機会が増える年末年始に手に取るのにふさわしい作品だと思いました！ぜひ…！
集英社から税込￥715で発売中です！
Baila Channel
