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思い込みは、物語の中にも、日常にもある。

葉桜の季節に君を想うということ / 歌野 晶牛

思い込みは、物語の中にも、日常にもある。_1

有名な小説ですが、さっくりと。

学生のころ、友人に勧められ読んだ一冊。タイトルを見たとき私は切ない恋愛小説を想像していました。

それでこそ後に話題となる余命10年的な。

でも、この作品はその予想を軽々と飛び越えてきます。

物語は、ある出来事をきっかけに主人公が事件へと関わっていくミステリー。テンポよく展開し、登場人物それぞれの思惑が交差するなかで、最後まで飽きることなく読み進められました。

そして、この作品のいちばんの魅力は、一度読んで終わりではないこと。

読み終えたあとにもう一度ページを開くと、「あの場面にはこんな意味があったのか」「この一文はそういうことだったのか」と、新しい発見が次々と見つかります。

二度読むことで景色が変わる――それが、この作品ならではの醍醐味だと感じました。

また、読後に改めてタイトルを見返すと、その印象も大きく変わります。

読み始める前に抱いていたイメージとは違う意味が見えてきて、「このタイトルだからこその物語だったんだ」と思わず唸らされました。

この作品を読んで改めて感じたのは、「見えているものが真実とは限らない」ということ。

私たちは日常でも、第一印象や思い込みだけで物事を判断してしまうことがあります。でも、少し視点を変えるだけで、まったく違う景色が見えてくることもある。

『葉桜の季節に君を想うということ』は、そんな「先入観」を物語そのもので体験させてくれる一冊でした。

どんでん返しが好きな方はもちろん、「もう一度読み返したくなる本」に出会いたい方にも、ぜひおすすめしたい作品です。

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