今だからこそ読みたい、拗らせ女子集まれ!

恋愛小説と聞くと、誰かと出会い、恋をして、少しずつ距離が縮まっていく物語を思い浮かべる方も多いかもしれません。
ですが、綿矢りささんの『勝手にふるえてろ』は、そんな「普通の恋愛小説」とは少し違います。拗らせているそこのあなたにおすすめしたい。
主人公の頭の中で繰り広げられる妄想や葛藤、理想と現実の間で揺れる気持ちが、とてもリアルに描かれています。
読み進めるうちに、「この人、ちょっと変わっているな」と思っていた主人公が、不思議と他人には思えなくなってくるのです。
人は誰でも、自分の中だけで会話をしたり、「こう思われたい」「本当はこう言いたかった」と考えたりします。
そんな誰にも見せない心の動きを、綿矢りささんは驚くほど繊細に言葉へ落とし込んでいました。
読んでいて特に印象に残ったのは、「普通」とは何なのだろう、という問いです。
恋愛も、結婚も、友人関係も、私たちはつい「こうあるべき」という形を無意識に作ってしまいます。
でも、本当にそうなのでしょうか。
誰かに合わせようとすればするほど、自分が分からなくなってしまうこともあります。
主人公は決して完璧ではありません。
むしろ不器用で、考えすぎてしまい、空回りすることも多い人物です。
だからこそ、その姿に共感してしまう人も少なくないのではないでしょうか。
私はデザインの仕事をしていますが、「相手にどう伝わるか」を考えているつもりです。しかし、人の心は決してロジックだけでは説明できません。
合理的ではない選択をしたり、自分でも理由が分からないまま行動してしまったりすることがあります。
この作品は、そんな人間の複雑さを「恋愛」というテーマを通して見せてくれる一冊でした。
読み終えた後に派手な感動が残る作品ではありません。
けれど、自分自身の過去や考え方を少し振り返りたくなる。
そんな静かな余韻が残ります。
「普通になれない」と悩んだことがある人。
考えすぎてしまう自分に疲れたことがある人。
そんな方に、ぜひ一度読んでいただきたい作品です。
きっと主人公の姿に、自分のどこかを重ねてしまうはずです。













































































