こんにちは!
スーパーバイラーズの渡邊りりあです。
今月の「読書部」のテーマは『通勤時間に読みたい一冊』。
私からは、こちらの作品をご紹介します。
劇団ひとり『浅草ルンタッタ』
"浅草ルンタッタ"
この小気味いいリズムとキラキラした印象に惹かれて手に取った1冊。
劇団ひとりさん12年ぶりの書き下ろしです。
まるで浅草で上演されているひとつの舞台を切り取っているかのように、リズミカルに紡がれた疾走感のある物語。
あれよあれよという間に、レトロな世界観に引き込まれてゆきます。
物語の舞台は、明治・大正時代の「浅草」。
行き場をなくした女性たちが集う置屋「燕屋」の前に、雪の日にそっと捨てられていた一人の赤子。かつて自分の子どもを亡くした経験のある遊女の千代が、その赤子・お雪の母となり、ほかの遊女たちからも少しずつ受け入れられ、成長してゆく。
そんなお雪の1番の楽しみは、浅草六区にある老舗の芝居小屋・風見座で芝居を観ること。「燕屋」の世話役である信夫と共に劇場で観る浅草オペラに魅了されたお雪は、毎晩のように、そのオペラを見よう見まねで歌って踊り、燕屋の皆に披露する。それを観ながら晩酌をするのが、恒例になった。そんなささやかな幸せがずっと続くと思っていた。
ある男が現れるまではーー
強く生きる登場人物たちから"勇気"をもらえる
この物語に出てくる女性たちは、しなやかで、とても強いのが魅力。
過酷な運命、抗えない境遇の中でも、目の前のことを丁寧に感じ取り、相手に伝え、精一杯生きていく。何より、自分以外の"誰か"のために動いていく姿に、胸を打たれます。
大好きな人たちと離ればなれになり、長い間、風見座の屋根裏に身を潜めるしかなかったお雪の気持ちを頭で膨らませながら、私は、新型コロナウイルスが流行し始めたばかりの頃を思い出してしまいました。
準備していた企画やイベント、仲間たちが関わる公演が立て続けに中止になり、悔しくてたまらなかったあの頃。「エンタテインメントは不要不急だ」といわれ、仕方がないと頭では理解していても、なかなか立ち直れなかった日々のこと。
それをどこかにメモしたくなり、note(https://note.com/24riria/n/nc161a2d36ca9)にも書き残してしまったほどです。
人生は、「こうなって欲しい」と思う方にはなかなか進みません。
この物語も同じ。
笑って、泣いて、歯を食いしばって、それでも立ち上がって、生きていかなければならない。
それでも、前を向いて、今日を楽しんで生きていこう!
読み終えた後、心にグッとエールが贈られるような1冊です。
【作品紹介】
「浅草ルンタッタ」/劇団ひとり/幻冬舎
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