確固たる審美眼をもつスタイリストが愛用するものには必ず“理由”がある。そこには、私たちが好きな服と長くつきあうためのヒントがいっぱい。
1.ハイブランドの名品アイテム4選
憧れブランドから“自分にとっての”名品を見つける幸せ。普遍的価値を見極める目をもつスタイリストのチョイスを参考に。
MIU MIUのレザージャケット
“着るほど自分になじむ10年選手の相棒です”
「イタリアブランドならではの上質なレザーとどんなテイストにも合うところに惹かれ、数十年先も着ている自分の姿が想像できたので購入。ひとつの服を長く着ることが地球環境改善につながれば……、という思いもあって。着るほどにクタッと味わいを増した今、手に入れたとき以上に愛着がわいています」。/本人私物
スタイリスト
百々千晴さん
“本物”を見極め、独自のスタイルを貫く。シンプルで洒落た私服も注目の的。
Maison Margielaのデニム
“シンプルな合わせで決まる 「ひとクセ」が決め手”
「クリーンでありながら、いい意味でクセがあるのが『メゾン マルジェラ』の魅力。このパンツもありそうでなかった両サイドのカッティングがアクセントになって、シンプルなシャツやTシャツを合わせるだけでサマになるんです。デニム好きで12、3本を常備していますが、“定番の次”の一本として愛用中です」。/本人私物
スタイリスト
加藤かすみさん
確かなもの選びのセンスと、さりげなくトレンドを効かせたスタイリングで魅了。
JIL SANDERの7デイズシャツ
“仕事でもプライベートでも確かな自信をくれる一枚”
「スタイリストとして独立したとき、どんな場所にも着ていけるシンプルで上質なシャツを手に入れたいと思ってお迎えしました。仕立てのよさと体をきれいに見せてくれるシルエットに袖を通すたび力をもらえます。アクセ使いや合わせ方でどんなふうにも楽しめて、ずっと自分らしく着続けていけそうです」。/本人私物
スタイリスト
山﨑静香さん
雑誌で活躍するかたわら、レディースブランド「yae」のディレクターも務める。
Max Maraのトレンチコート
“永遠のMy定番は進化し続ける名品を”
「トレンチ歴20年。愛情の深い服を着るときほど常に新鮮な気持ちでいたい私にとって、オーセンティックな中にアップデート感のある『マックスマーラ』のトレンチがベスト。今気になるのは、優雅なオーバーサイズ。きれい色パンツを合わせて楽しみたいですね」。¥357500/マックスマーラ ジャパン(マックスマーラ)
スタイリスト
斉藤くみさん
きれいめからモードまで幅広いテイストに精通。自身のブランド「NAVE」も人気。
2.ステディブランドの愛用アイテム14選
毎日フル活用したいデイリー名品こそ、身近なブランドで賢く選ぶのがおしゃれプロの常套手段!
yaeのベロアスカート
“優美で女性らしく褒められ率No.1”
「ディレクションするブランドの定番人気アイテムで、私自身これまで何回着たかわからないくらいヘビロテ中。上品な光沢のクラッシュベロア素材とつかず離れずのIラインが大人っぽく、シーンレスに着回せます。はき込んでもへたりにくいのも魅力」。¥9900/ヤエ
ときにはドレッシーに♡
スタイリスト
山﨑静香さん
雑誌で活躍するかたわら、レディースブランド「yae」のディレクターも務める。
Col Pierrotのジョガーパンツ
“毎日でもはきたい洗練&美脚パンツ”
「ストンと縦に落ちる素材感と裾スリットによって脚が驚くほどきれいに見えて、はいた瞬間に即決。ネイビーを購入後、ブラックも手に入れたほどのお気に入りです。シワになりにくくノーストレスで、撮影や旅行などアクティブに動きたい日にもぴったり」。/本人私物
スタイリスト
吉村友希さん
クリーンで女性らしく、スタイルアップまで考え抜かれたコーデ術にファン多数。
THE SHISHIKUIのクラシックジーンズ
“「好き」を詰め込んだ究極のストレート”
「デニムは私のユニフォームみたいなもの。どうしても理想の一本が欲しくて、自分のブランドでオタク並みのこだわりを注ぎこんでつくり上げたのがこのパンツです。合わせる服も靴も選ばず、完成から5年たった今もワードローブ最前線に」。¥26400/ザ シシクイ
スタイリスト
百々千晴さん
“本物”を見極め、独自のスタイルを貫く。シンプルで洒落た私服も注目の的。
CFCLのフレアスカート
“心まで躍るような華やかシルエットの虜”
「このスカートの魅力はなんと言っても、構築的なシルエットが日常の動きの中で圧倒的な存在感を醸し出してくれるところ。それでいて華美にならずにデイリーにスッとなじむのは、リラックス感のあるニット素材のおかげ」。¥51700/CFCL OMOTESANDO(CFCL)
スタイリスト
水野利香さん
約8年の会社員経験を経て転身。地に足のついた“今”のきれいめスタイルが評判。
Isabel Marantのワンピース
“街中で映えるモードな柄ワンピに夢中”
「4年前にこの一着と出会って以来『イザベルマラン』のワンピの大ファン。洗練されたモノトーンやアシンメトリーな裾のおかげで、リゾーティになりがちなエスニック柄を都会的に楽しめるのが好きなんです。小物で辛めに仕上げるのが定番」。/本人私物
一枚で華やぐ!
スタイリスト
松村純子さん
女性らしさとシャープさ、今らしさを絶妙に取り入れた洗練ベーシックの名手。
ATONのワイドスラックス
“小柄でもバランスのいいワイド具合が絶妙”
「ほどよいワイド感と高めのウエスト位置で、157cmの私でもバランスよく決まるパーフェクトな一本。着心地のいいサラッとした素材で、オールシーズン着られます。春夏はタンクやベストを合わせて少しマニッシュに着こなしたい」。¥53900/エイトン青山(エイトン)
スラッと着映え
スタイリスト
大谷玲奈さん
旬を上手に取り入れたフレッシュな着こなし提案に働く世代からの人気が集中。
THE NORTH FACEのナイロンジャケット
“機能美も備えたカジュアル名品”
「流行りすたりのないデザインに加え、防水透湿素材や多彩なポケットなどタフな機能が頼もしい! 光沢スカートなどフェミニンボトムとMIXして、どんどんタウンユースしています」。¥33000/ゴールドウイン カスタマーサービスセンター(ザ・ノース・フェイス)
スタイリスト
大谷玲奈さん
旬を上手に取り入れたフレッシュな着こなし提案に働く世代からの人気が集中。
agnès b.のカーディガンプレッション
“溺愛しすぎて3色買い。スウェット素材がモダンで好き”
「カーデって意外とほっこりしがち。だからこそニットじゃなくてスウェットという面白さに頼ります。それだけで新鮮な印象に。好みの着方ができる豊富なサイズ展開も◎。着倒したら部屋着にして余すところなく楽しんでいます(笑)」。各¥20900/アニエスべー
リピートは数知れず
スタイリスト
佐藤佳菜子さん
小物使いや配色によって“普通の服を素敵に見せる”テクニックの持ち主。
HYKEのフィールドジャケット
“こなれ上手になれる万能ジャケット”
「『ハイク』の前身である『グリーン』時代から愛用するフィールドジャケットは、何年着てもくたくたにならず、誠実なつくりと素材のよさを実感しています。メンズっぽいニュアンスが甘さの中和やきれいめのハズしに最適で、つい手が伸びてしまいます」。¥44000/ボウルズ(ハイク)
スタイリスト
福田亜矢子さん
ベーシック軸の上品コーデに定評が。昨年ジュエリーブランド「AFFECT」を始動。
AURALEEのジャケット
“きちんと感と洒落感がいいバランス!”
「堅苦しいのは苦手だけれど大人としての品は欲しい、そんなわがままをかなえてくれた一着。抜け感のあるオーバーサイズとベージュの延長線上で着られるヌーディなイエローが絶妙に洒落ていて、サラッと着るだけでムードがでます」。¥82500/オーラリー
スタイリスト
小林実可さん
百々千晴さんに師事し、2022年独立。モダンで遊び心のあるコーデが持ち味。
AKTEのカラースウェット
“鮮やかカラーが文句なしに可愛い!”
「こんなにもきれいに発色するピンクやオレンジのスウェットに出会ったのは初めてで、まさにひと目ぼれ。地厚なのに柔らかく、洗濯機でガシガシ洗えるイージーケアも最高です。さし色に、シャツやワンピと重ねて、肩にかけて、などアレンジ自在で飽き知らず!」。/本人私物
スタイリスト
池田メグミさん
きれいめもカジュアルも得意とし、抜け感と華のあるシンプルコーデに定評あり。
BASERANGEのキャミ&タンク
“コーデに奥行きをだす名バイプレイヤー”
「肌に優しいところがとにかく好き。繊細な色出しのサテンキャミや変則ストラップのキャミ、胸元がハート形にくりぬかれたタンクなど、遊び心のあるデザインにもグッときます。2枚重ねしたり、シャツやジャンプスーツの下に仕込むのが定番です」。/本人私物
細部こそこだわりを
スタイリスト
石田 綾さん
着る人の個性を引き出すスタイリングで、多くの俳優、モデルからの信頼も厚い。
ObladaのTシャツ
“一年中ないと困る名品中の名品”
「つかず離れずのジャストサイズ、腕がスラッと見える袖丈、ニットやスウェットと重ねたとき首もとからちょうどよくのぞくネックのつまり具合など、なにもかもが完璧!これからも私の基本のワードローブとしてリピートし続けるつもりです」。¥7700/シンチ(オブラダ)
スタイリスト
石上美津江さん
トラッドをベースに今の気分をMIXした高揚感あるスタイルをつくるエキスパート。
DÉPAREILLÉの薄タートル
“着た人だけがわかる驚くべきタートル美”
「薄手でとろみがあるのにへたらず、首全体をやわらかく覆うタートルは感動レベル。それがとにかくシックで色っぽいんです。一枚でももちろん絵になるけど、ジャケットの中に入れても抜群に決まりがいい」。¥12100/デパリエ 伊勢丹新宿店(デパリエ)
スタイリスト
佐藤佳菜子さん
小物使いや配色によって“普通の服を素敵に見せる”テクニックの持ち主。
3. Under 7000円で買える名品アイテム8選
コスパ上手はおしゃれ上手。デザイン、上質感、機能性まで、目利き納得の逸品に注目。
NIKEのジョーダンソックス
¥2750
スタイリスト
佐藤佳菜子さん
小物使いや配色によって“普通の服を素敵に見せる”テクニックの持ち主。
UNIQLOのカップインアメスリタンク・earthy_のパラシュートパンツ
UNIQLOのカップインアメスリタンク ¥2290
earthy_のパラシュートパンツ ¥6490
“高見えして気分も上がるコスパ最強2トップ”
(右)「バストがきれいに見えるホールド力抜群のカップとむっちり見えないアメスリ具合が絶妙。ほどよく地厚で形崩れしにくいのも嬉しい」。/ユニクロ
(左)「カジュアルすぎないモダンさが魅力で、仲間内でのかぶり率が高めの隠れ名品。白でも気兼ねなくはける撥水機能も秀逸すぎます」。/アーシープレス(アーシー)
ハリがあって透けにくい!
スタイリスト
池田メグミさん
きれいめもカジュアルも得意とし、抜け感と華のあるシンプルコーデに定評あり。
FREAK'S STOREのプリントT・GUのメンズショートパンツ
FREAK'S STOREのプリントT (右)¥4994・(左)¥5995
GUのメンズショートパンツ ¥1990
“気軽に着たい夏名品こそプチプラ狙い!”
(上・中)「スラックスと合わせたり、きれいめMIXして楽しんでいるプリントT。センスのいい絵柄が多く、新デザインが登場するたびに買い足してしまいます」。/本人私物
(下)「昨夏のレジャーで大活躍したナイロンショートパンツは、撥水機能つきのハイスペックボトム。プライス以上の満足度で、今季“色ち買い”を検討中」。/ジーユー
今っぽくこなれる
スタイリスト
水野利香さん
約8年の会社員経験を経て転身。地に足のついた“今”のきれいめスタイルが評判。
PETIT BATEAUのTシャツ
¥4400
“美シルエットに惚れて6年以上愛用”
「コンパクト感やネックのあき具合、袖丈、心地よい素材が気に入って、いつしかなくてはならない存在に。毎年白と黒を着倒しては新調しています。この春夏はデニムを合わせてシンプルに楽しみたい気分です」。/プチバトー・カスタマーセンター(プチバトー)
スタイリスト
松村純子さん
女性らしさとシャープさ、今らしさを絶妙に取り入れた洗練ベーシックの名手。
CITENのブルーシャツ
¥5990
“着こなしの幅が広くデイリーに欠かせない”
「ユニセックスブランドならではのスマートなデザインで、オンもオフもフル活用。一枚で着たりレイヤードしたり、アレンジしやすいLサイズを選びました。柔らかくて、タックインがもたつかないのも使いやすい」。/ユナイテッドアローズカスタマーサービスデスク(シテン)
スタイリスト
小林実可さん
百々千晴さんに師事し、2022年独立。モダンで遊び心のあるコーデが持ち味。
撮影/魚地武大〈TENT〉 スタイリスト/小林実可 取材・原文/榎本洋子〈TENT〉 ※BAILA2024年5月号掲載